【図解入り】カーボンニュートラルをわかりやすく解説します

【図解入り】カーボンニュートラルをわかりやすく解説します 制度や仕組み、関連情報
【図解入り】カーボンニュートラルをわかりやすく解説します

カーボンニュートラルって言葉をよく聞くんだけど、一体どういうことなんだろう。。?一通り知っておきたい。

 

そういったご要望に応えます。

 

本記事では、カーボンニュートラルに関する一通りのことをわかりやすく解説していきます。

図を多用しますので、イメージを持ってもらえると思います。

 

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カーボンニュートラルとは

言葉をそのまま解釈すると

カーボンニュートラルは、2つの言葉の組み合わせです。

  • カーボン: 炭素
  • ニュートラル: 中立

 

炭素。。中立。。?炭素中立ってどういうこと?!

ただの『炭素』だとわかりにくいよね。ここでいう『炭素』は『二酸化炭素』だと思っていいよ。

 

つまり、二酸化炭素に関する中立、というわけです。

じゃあさ、『中立』って?

一般的に『中立』は、言いも悪いもない、どちらにもつかず公平な立場、というイメージがあるよね。
ここでの『中立』は、『差し引きしてトータルでゼロ』というニュアンスかな。

 

炭素中立。

 

それは、二酸化炭素の排出量が差し引きしてトータルでゼロになっている。

カーボンニュートラルとは、そういう意味なのです。

 

『絶対に排出しない』は現代の文明ではほぼ不可能ですから、『あっちで排出してもこっちでマイナスにするから、全体で帳尻を合わせるよ』という妥協案なのです。

 

資源エネルギー庁による定義

資源エネルギー庁によれば、カーボンニュートラルの定義を菅総理の所信表明演説から引用しています。

 

ポイントは2つで、『温室効果ガス』と『全体としてゼロにする』です。

 

温室効果ガス

温室効果ガスとは、一般的に二酸化炭素を思い浮かべますよね。

実際は以下の通り複数のガスが温室効果ガスとして扱われています。

温室効果ガス

温室効果ガス

気象庁HPより

 

温室効果ガスについては、勉強会資料で詳しく解説したので、ぜひお読みください。

 

温室効果ガスの排出量ですが、2018年時点の各国の排出量を比べてみました。

世界の二酸化炭素排出量(2018年)

世界の二酸化炭素排出量(2018年)

全国地球温暖化防止活動推進センターより

 

335億。。トン。。??
数字が大きすぎて,ちょっと何言ってるか分からない。

んー。だいたい富士山の3%分かな!

まじで!?
。。ますますわからない。。。

途方もない量,ということだけは感覚的にわかります。

人類はもしかしたらものすごいことをやっているのかもしれませんね。

 

全体としてゼロにする

全体としてゼロにするので、出す量と吸収する量が釣り合っていればいいわけです。

 

温室効果ガスを出す設備は、例えば以下の通り。

  • ガソリン/軽油燃料の自動車
  • 火力発電所
  • 製鉄所

 

温室効果ガスを吸収する設備は、例えば以下の通り。

  • 森林
  • DACCS
  • BECCS
DACCS:大気から二酸化炭素を直接回収して利用や貯留につなげる。
BECCS:バイオマス発電から出る二酸化炭素を回収して利用や貯留につなげる。

 

なので、両者を差し引きしてゼロにすれば、カーボンニュートラルを達成できたことになります。

『全体としてゼロ』のイメージ

『全体としてゼロ』のイメージ

 

カーボンニュートラルに取り組む理由

カーボンニュートラルに取り組む理由

カーボンニュートラルに取り組む理由

 

カーボンニュートラルに取り組む理由は、温暖化による環境の変化を抑制するためです。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の研究によると、温室効果ガスを出す場合と出さない場合とで、温度変化に下図のような違いが現れるそうです。

  • 青:温室効果ガスを排出量を削減できたケース
  • 赤:削減できずにこのまま排出し続けたケース
IPCCによる気温変化の予測

IPCCによる気温変化の予測

IPCC 第5次レポートより

 

IPCCの予測が正しければ,温室効果ガスを今のペースで排出し続けた場合、世界の平均気温は上昇し続けます。

 

地球温暖化には様々な説があるので、真実ではないかもしれません。

しかし、温暖化で気候変動が起きて災害が増えることは目に見えているし、温暖化に温室効果ガスが起因しているのなら、温室効果ガスを減らす取り組みをするのは自然です。

というか、気候変動に抵抗できる手段が他にない以上、やれることをやるだけなんですよね。

 

温暖化によって起きること

温暖化によって起きること

温暖化によって起きること

 

温暖化については別の記事で詳しく説明したいと思いますが、簡単に紹介すると以下の影響があります。

 

ゲリラ豪雨が増える

温暖化して平均気温が上がると、ゲリラ豪雨が増えると予測されています。

まずは、気温が上がると飽和水蒸気量が増加します。

飽和水蒸気量

飽和水蒸気量

ふたば塾より

 

つまり、空気中の水蒸気の量が増えるわけです。

高い温度の空気ほど、たくさんの量の水蒸気を含んでいられるからですね。

 

そうなると、ちょっとした夕立だったアイツらは、水蒸気増加という支援を受けて、ゲリラ豪雨に格上げされることになるんです。

 

気象庁の統計によると、ゲリラ豪雨の頻度は実際に高くなっています。

ゲリラ豪雨の発生回数

ゲリラ豪雨の発生回数

 

台風が強大化する

温暖化によって台風が強大化すると予測されています。

 

台風そのものの数が増えるとまでは言われていませんが、最大風速45m/sを超えるような強大な台風の数が増えると予測されています。

強度別の熱帯低気圧発生数分布

強度別の熱帯低気圧発生数分布

国土交通省より

 

台風のエネルギーは水蒸気だと言われているので納得です。

ただ、将来のことなので、断言できませんけどね。

 

動植物生が変わる

温暖化が進むと動植物の分布が変わると予測されています。

 

ある特定の気候に適応した生態系がその地域に存在するのが自然界です。

なので、温暖化が進むと、生態系の存続が難しくなる場合があります。

 

人間や鳥のような生物は、快適な環境を求めて移動できるのですが、そうでない生物は絶えてしまいます。

運よく絶えなくても、快適な環境を色々な生物が求めて移動してきたら、いつかは『今まで共存したことのない生物同志のサバイバル』が始まるわけです。

 

シロクマvs.象なんていうタイトルマッチも有り得ないとは言えなくなります。

シロクマ対ゾウが実現!?

シロクマ対ゾウが実現!?

 

カーボンニュートラルに向けた取り組み

カーボンニュートラルに向けた取り組み

カーボンニュートラルに向けた取り組み

 

取り組みシリーズは別途しっかり書きますので、ここでは政府·企業·個人の取り組みをサラッとご紹介しますね。

SDGs:個人の取り組み

SDGs:企業の取り組み

 

政府

政府の役割は、日本ひいては世界の方向づけです。

カーボンニュートラルを達成できるように、様々な政策的アプローチで主導していきます。

 

アプローチはいくつかありますが、考えられる3つをご紹介しますね。

 

  • ルールの明確化

何のルールもない領域に突っ込むのは無謀というもの。

政府も国民も、しっかりした制度があれば、カーボンニュートラルへの取り組みも決められるし、安心して活動できます。

法律や規制などを整備することによって、明確なルール作りをするのは政府の大事な役割です。

 

例えば、『地球温暖化対策推進法』があります。

環境省_地球温暖化対策推進法と地球温暖化対策計画

 

  • 罰則や課税などのマイナス側面からの後押し

『カーボンニュートラル』という新しい概念を社会に根付かせる段階では、あの手この手でルールをかいくぐり、悪事を働く輩が予想されます。

正しく取り組んでいる人たちにも示しがつかないので、罰則を設けることも必要でしょう。

 

また、新しい制度を回すための資金を税金で賄うとなれば、新たな税金を作ることも必要です。

 

例えば、『炭素税』です。

すでに導入が完了しており、石油石炭天然ガスの利用に伴って少しずつ課税されています。

いまでは年間2600億円ほどの税収になっているそうですよ。

環境省_地球温暖化対策のための税の導入

 

  • 市場作りや認定、表彰などのプラスの側面からの後押し

罰則や税金で縛り付けるだけでは、社会はついてきません。

『取り組めばメリットがある』と思えるような仕組みも必要です。

 

例えば、排出権取引市場の整備です。

二酸化炭素を排出できる権利、それが『排出権』です。

 

排出権を生み出せるのは、再エネで発電をした企業などであり,排出権を売って収益化できます。

反対に,どうしても排出量が多くなってしまいがちな製鉄企業などが排出権を買い,排出枠を拡大できます。

排出権取引のイメージ

排出権取引のイメージ

 

2021年時点では機能していませんが,これから徐々に使われていくでしょう。

 

企業

企業の取り組みは、SDGsに向けた取り組みに含まれていることが多いです。

カーボンニュートラルはSDGsの概念に含まれますからね。

 

例えば、東京電力では,温室効果ガス排出量の多い石炭火力に関して,以下の取り組みを進めています。

  • 2030年までに非効率石炭火力発電を全廃
  • 残った高効率石炭火力発電に,アンモニアを混焼(割合は順次増)
  • さらに水素も混焼

東京電力HPより

 

個人

カーボンニュートラルの達成には個人の取り組みも不可欠です。

70億人以上が行動を変えると、インパクトは絶大です。

 

カーボンニュートラル達成のために個人ができることは、例えば家庭用ソーラーパネルの導入です。

ソーラーパネルによって発電した電力で日常のエネルギーを賄うことができれば,発電所の発電量が減ります。

日本の電源の約75%は火力発電ですから,電力が減れば温室効果ガスの削減に大きく寄与するわけです。

環境エネルギー政策研究所より

 

まとめ

本記事では,以下の内容をご紹介しました。

  • カーボンニュートラルの定義
  • カーボンニュートラルに取り組む理由
  • 温暖化によって起きること
  • カーボンニュートラルに向けた政府/企業/個人

 

カーボンニュートラルに向けて世界は舵を切っています。

本記事でカーボンニュートラルに関心をもってもらえたらうれしいです。

コメント

  1. […] カーボンニュートラルについてはこちらの記事で詳しく説明したので、ぜひ参照ください。 […]

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