
SDGsを始めとしたサステナブル界隈では『ユニバーサル』という言葉をよく聞くんだけど、どんな意味でどう使えばいいんだろう?
確かに、『ユニバーサル』って漠然とした言葉ですよね。
それゆえに意味や使い方がよくわからない。。
日本で一般的に『ユニバーサル』と聞くと、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)をイメージする人の方が多いかもしれません。
本記事では、サステナブル界隈で使われる『ユニバーサル』の意味と、どのようなシーンで使われるのか、SDGsとの関係をまとめます。
原語の『ユニバーサル』の意味

原語の『ユニバーサル』の意味
`『ユニバーサル』の意味をオンライン辞書の英辞郎で調べると、以下の意味が出てきます。
2. 宇宙の、万物の
3. (特定の集団の)全員の、全員に共通する
なんだかスケールの大きな言葉のようですね。
これは僕の私見ですが、『ユニバーサル』を分解してみると以下の通りになります。
バーサル(versal) : 全体の
つなげて『ユニバーサル』にすると、『全体として1つの』的な意味になりそうですよね。
サステナブル界隈での『ユニバーサル』の意味

サステナブル界隈での『ユニバーサル』の意味
原語の『ユニバーサル』の意味を理解した上で、サステナブル界隈での『ユニバーサル』の意味を見ていきます。
サステナブル界隈でいう『ユニバーサル』とは、『性別、年齢、人種,障がいなどがハンディキャップとならない』という意味で用いられています。
正確な定義がないために正解はないのですが,僕が様々な記事を書くために調査をしてきた経験から考えると,上記の通りになります。
サステナブル界隈での『ユニバーサル』の使い方
では、次に『ユニバーサル』使い方について、事例を挙げて説明します。
ユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザイン
最もよく使われる言葉が、この『ユニバーサルデザイン』でしょう。
あなたももしかしたらご存知かもしれません。
『UD』と略されることもあります。
ユニバーサルデザインの意味は、『あらかじめ、障害の有無、年齢、 性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方』です(出典:国交省資料)。
具体例を挙げます。
- スマイル浴槽 by Panasonic
Panasonicのスマイル浴槽は、浴槽に入る時に大きく跨がなくてもいように、一部が低くなっています。
浴槽のふちが高いと、人によっては大きく足を上げなくてはならず、転倒の危険性も増します。
子どももそうですし、高齢者にとっても足を高く上げて浴槽を跨ぐことはつらいもの。
ユニバーサルデザインの好例ですね。

- シャンプーボトルのきざみ by 花王
日用品メーカーとして世界についてその名を轟かせる花王。
シャンプーボトルにギザギザが付いていることをご存知でしょうか?
視覚障がい者や高齢者にとって、触っただけでシャンプーとリンスの区別がつくことは、とてもありがたいことです。
ただでさえ、頭を洗っているときは目を開けていられない場合も多いですから、


ユニバーサルデザインと似た意味の言葉に『バリアフリー』があります。
バリアフリーは、『障害のある人が社会生活をしていく上で障壁 (バリア)となるものを除去する』(出典:国交省資料)という考え方です。
住宅建築用語として使われたことがスタートでした。
バリアフリーが、障害によって生じてしまうハードルを取り除くものであるのに対し、ユニバーサルデザインはさらにその上位に立ち、障害だけではない差(人種、性別、年齢など)にかかわらずあらゆる人が利用しやすく計画する意味合いです。
ユニバーサルデザインの方が広くて根本的なのですね。
参照:国交省資料
ユニバーサルマナー

ユニバーサルマナー
僕も初めて知ったのですが、『日本ユニバーサルマナー協会』という団体があるのですね。
同協会によると、ユニバーサルマナーは『高齢者や障害者、ベビーカー利用者ら外国人などの多様な方々へ向き合うためのマインドとアクション』とされています。
例えば、ユニバーサルマナーは以下のような行為です。
- 駅の階段でベビーカーを重そうに運んでいる人がいたら声をかけ、必要があればお手伝いする
- 店に入るスロープがなくて車椅子の方が困っているときに声をかけ、必要があればお手伝いする
ユニバーサルマナーは、ともすれば生活しづらくなる人たちが生活しやすくなるための、気遣いやサポートと考えられます。

ユニバーサル社会、兵庫県
兵庫県はユニークで、独自に『ユニバーサル社会』の実現を目指しています。
兵庫県の定義によると、ユニバーサル社会とは以下のものです。
✅だれもが地域社会の一員として支え合うなかで
✅安心して暮らし、一人ひとりが持てる力を発揮して元気に活動できる社会
ユニバーサルデザインに特に似て、対象者の属性によらずに快適に過ごせることが共通していますね。
兵庫県は、ユニバーサル社会づくりに関する条例まで制定するほど、気合が入っています。

SDGsとの関係
最後に、『ユニバーサル』の概念とSDGsとの関係を見ておきます。
結論から言うと、『ユニバーサル』とSDGsとは根っこの部分でつながっています。
『ユニバーサル』は、人種や性別、年齢、障がいなどに関わらずに暮らしやすくする考え方です。
一方のSDGsも、その根幹は『だれも置去りにしない』です。

みんなで前に進んでいくイメージが共通していますよね。
SDGsの各目標のあちこちに、ユニバーサルの考え方が散らばっています。
- 目標3『すべての人に健康と福祉を』
全ての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。

- 目標4『質の高い教育をみんなに』
子供、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、全ての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする

- 目標6『安全な水とトイレを世界中に』
2030年までに、全ての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する。

- 目標8『働きがいも経済成長も』

- 目標10『人や国の不平等をなくそう』
2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。

- 目標11『住み続けられるまちづくりを』
2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子供、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、全ての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。

パッと見た感じ、目標11(ターゲット11.21)が『ユニバーサル』の一般的なイメージに一番近いかもしれませんね。
上記以外にも、細かく見ていけばユニバーサルの考え方が各所に散りばめられています。
まとめ

まとめ
本記事では、サステナブル界隈で使われる『ユニバーサル』について、意味や実際の使われ方をご紹介しました。
意味としては、『性別、年齢、人種,障がいなどがハンディキャップとならない』と説明しました(僕なりの解釈ですけどれど)。
使われ方はとしては、『ユニバーサルデザイン』『ユニバーサルマナー』『ユニバーサル社会』などがあります。
また、SDGsとの関係を見ると,目標4, 目標6, 目標8, 目標10, 目標11などにユニバーサルの考え方が現れていました。
サステナブル界隈を語るには必須の単語ですので,ぜひ覚えていてくださいね!
コメント
[…] サステナブル界隈で使われる『ユニバーサル』の意味や使われ方を解説サステナブル界隈を学んでいると『ユニバーサル』という言葉をよく見かけます。『スタジオ・ジャパン』ではあ […]
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