
どうも,学校教諭の両親を持つKobolです。

そうなの!?
そっか,インドネシアでしかKobolと会ってないもんね。僕が知るわけないか!


できればイナタも日本に連れて帰りたかったけどね~!残念。
そうなんだよ,僕の両親は学校の先生なんだよ。もう現役ではないけどね!
今考えると,なんというスケジュールで働いてくれてたんだろう。。。って頭が上がらないよ(;´・ω・)
本当に。。感謝しかない。
そんなわけで,今回の記事では以下のような悩みに対して役立つ情報を整理していきます!

ESDに基づいて教育の現場で頑張ってきたのに,SDGsが出てきて混乱してるよ~!整理したい。。。
本記事では、
- SDGsとESDとの関係
- 教育の現場ではどのように対処するのか
このあたりをまとめます。
僕は教育のプロではないですが、教育の世界は物心付いた時から身近で見ています。
教育会へのエールのつもりで書いたので、読んでいただけたら嬉しいです。

教育界へのエール
SDGsとは

SDGsとは
SDGsは以下の言葉の頭文字を取ったものであり、日本語では『持続可能な開発目標』と呼ばれています。
- Sustainable(持続可能な)
- Development(開発の)
- Goals(目標)
「Goals」と複数形で表記されている通り、複数の目標が含まれています。
具体的には,17個の目標です。
さらに、17個の目標を分解した『ターゲット』が169個あります。

SDGs-目標-ターゲットの関係
SDGsは国連が宣言したもので、
『2015年〜2030年の間に、地球のみんなで17個の持続可能な開発目標を達成するぞー!』
という感じのものです。
2000年〜2015年の間の目標だったMDGs(ミレニアム開発目標)の後釜になります。
SDGsは『ポストMDGs』なのですね。
SDGsに関する基本的な知識を記事にしたので、見ていただけると嬉しいです。
ESDとは

ESDとは
教育界におられる方には釈迦に説法かもしれませんが、概要を書きます。
ESDは以下の言葉の頭文字を取ったものであり,日本語では『持続可能な開発のための教育』とされています。
- Education(教育)
- for(~のための)
- Sustainable(持続可能な)
- Development(開発)
参考情報ですが,文部科学省の資料によると,この『持続可能な開発のための教育』という日本語訳は,文部科学省が正式に使っているものです。
文部科学省はまた,ESDを『持続可能な社会づくりの担い手を育む教育』とも表現しており,
- 人格の発達や,自律心,判断力,責任感などの人間性を育むこと
- 他人との関係性,社会との関係性,自然環境との関係性を認識し,『関わり』『つながり』を尊重できる個人を育むこと
これらの2点が重要と言っています。

ESDの重点項目
SDGsとESDとの比較

SDGsとESDとの比較
SDGsとESDの大まかな比較です。
SDGs vs. ESD:目的の違い
SDGsは,国連開発計画(UNDP)の表現を参考にすると,『すべての人が平和と豊かさを享受できるようにすること』が目的であるように受け取れます。
持続可能な開発目標(SDGs)、通称「グローバル・ゴールズ」は、貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを目指す普遍的な行動を呼びかけています。(引用:国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所Webサイト)
ある種,究極の目的ですね!
ESDの目的は,もっと限定的で具体的です。
文部科学省のWebサイトに明記されているとおり,『持続可能な社会づくりの担い手を育むこと』ですね。
ESDは持続可能な社会づくりの担い手を育む教育です。
SDGs vs. ESD:管轄の違い

SDGs vs. ESD:管轄の違い
SDGsとESDとでは,推進母体に若干の違いがあります。
SDGsは国連全体ですが,ESDはユネスコ(※)です。
United Nations Educational, Scientific and Cultural Organizationの頭文字をとって,UNESCO(ユネスコ)です。
SDGs vs. ESD:時期の違い

SDGs vs. ESD:時期の違い
SDGsとESDは,時期に関しても違いがあります。というか,時期は被ってもいません。
年代が古いのはESDで,2005~2014年です。
内閣官房Webサイトを参照すると,2002年の『持続可能な開発に関する世界首脳会議(通称:ヨハネスブルク・サミット)』において,日本が提言した『持続可能な開発のための教育の10年』が各国の賛同を得ました。
そして,2005年~2014年を『持続可能な開発のための10年』とすることが決まったのです。
日本の提案だったのですね!
一方のSDGsは,2015年にニューヨーク国連本部で開催された『国連 持続可能な開発サミット』に端を発しています。
サミットの成果文書である『我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ』には,2030年までの取り組みであることが明記されています(文書2枚目の下から2行目)。
ESDの区切りがついた後に,SDGsが始まっています。
ESDは完全に消えたわけではなく,SDGsの目標4『質の高い教育をみんなに』の中のターゲット4.7に,ESDは組み込まれているのです。
ターゲット4.7
2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。
SDGs vs. ESD:分野の違い

SDGs vs. ESD:対象範囲の違い
SDGsとESDの共通点は対象とする分野です。
両者とも,『地球規模の課題』にアプローチしようとしているので,分野はほとんど共通しています。
SDGsとESDの関係をどう解釈するのか

まとめ:ESDの実践の先にSDGsがある!
教育に携わる方には,胸を張ってほしいです。
ESD無くして,SDGsの達成はありえません。
SDGsの達成には,ESDの存在が不可欠なのです。
SDGsは,ロボットではなく我々人間が懸命に取り組んで達成するものです。
そして,我々人間を育てるのは,やはり『教育』です。
SDGsの方向を向いた人間を育てるのは,同じ『持続可能な開発』を取り扱うESDなのです。
文部科学省はとても分かりやすい文書『ESD(持続可能な開発のための教育)推進の手引き』を出してくれているのですが,この資料は,ESDにSDGsを加えて整理したものです。
手引きには,以下の通りに書かれています。
SDGs 全体では、それぞれの目標が独立したものではなく、相互に関係し、時には相反する価値を追求することもあります。そのような中で教育もまた、独立した目標ではなく、むしろ、「教育が全ての SDGs の基礎」であり、「全ての SDGs が教育に期待」している、とも言われています。特に、ESDは持続可能な社会の担い手づくりを通じて、17全ての目標の達成に貢献するものです。2017年12月の国連総会決議では、ESD が「質の高い教育に関する持続可能な開発目標に不可欠な要素であり、その他の全ての持続可能な開発目標の実現の鍵」であることが確認されました。
教育の現場でESDを通じてSDGsの分野にも理解を深めた人材が,世に出て成長して力を発揮し,SDGsの達成に貢献していくのですね。
まとめ:ESDの土台の上にSDGsの達成がある!

まとめ:ESDの土台の上にSDGsの達成がある!
本記事では,SDGsとESDの概要を説明した後,両者を比較しました。
そして,SDGsとESDの関係をどのように整理するのかを,出典を明確にしながらまとめました。
ESDに取り組んで来られた教育者の方にとっては,急に出てきて旋風を巻き起こしているSDGsが黒船のように映っているかもしれません。
しかし,ESDの基礎のうえにSDGsの達成があることは間違いありません。
両者は『持続可能な開発』という共通の分野でつながっています。
そして,SDGsを達成するのは我々人間であり,その人間を育てるのはESDなのです。
教育者を身内に持つ1人の人間として,応援しています。
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