【勉強会資料】SDGsからのカーボンニュートラルの流れと現状

【勉強会資料】SDGsからのカーボンニュートラルの流れと現状 制度や仕組み、関連情報
【勉強会資料】SDGsからのカーボンニュートラルの流れと現状

こんにちは。Kobolです。

 

本記事では,とある勉強会で説明した『SDGsの概要とカーボンニュートラル』をスライド形式でご紹介します。

その勉強会では、有志が集まって、各自が持つ知識やノウハウを持ち回りで紹介しています。

僕はエネルギー業界で働いているのですが、仕事で扱うカーボンニュートラル世界的な重要テーマ

違う業界の人にもなるべくわかりやすく説明しました。

 

勉強会では以下の感想をいただきましたよ。

  • 知ったつもりだったが,理解が格段に深まった
  • まさかそんな事実があったなんて,意外だった
  • 難しい質問だった,答えがない

 

ありがたいことですね。

僕の専門分野の知識で,他の人に気付きを持ってもらえたんです。

 

本記事を読むと以下を理解できますので,ぜひ最後までお読みくださいね~!

  • SDGsとカーボンニュートラルの関係
  • 温暖化まわりの意外な事実
  • カーボンニュートラルの中身と具体例
【図解入り】カーボンニュートラルをわかりやすく解説します
世界がカーボンニュートラルに舵を切りました。本記事では,カーボンニュートラルの概念から実際の取り組みまで,図を使いながら解説します。僕が普段から仕事で接している分野なので,なるべく噛み砕いてわかりやすく伝えます。

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク

SDGsの概要

SDGsの概要

SDGsの概要

 

SDGsの概要からお伝えします。

まずはSDGsから

まずはSDGsから

 

SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略称で、日本語では『持続可能な開発目標』と訳されています。

SDGsの正式名称

SDGsの正式名称

超ざっくりいうと、『世界をよりよくしていくための目標』です。

自分たち人類に目標を課して、達成していこうと。

 

このSDGsを提唱したのは国連(国際連合、United Nations)です。

誰がSDGsを提唱したか

誰がSDGsを提唱したか

国連には世界のほとんどの国が加入しているので、SDGsは世界の国々の総意といっても過言ではありません。

 

SDGsの実施期間ですが、2015年から2030年までの15年間です。

2030年には、SDGsに掲げられた目標を達成する必要があるのです。

SDGsのスケジュール

SDGsのスケジュール

達成しなくても誰かが罰を受けるわけではありませんが、自分で言いだしたことはやり遂げたいですよね。

 

SDGs(持続可能な開発目標)には根幹となる考え方があって、それは『誰も置き去りにしない』ってことなんです。

SDGsの前文には”No one left behind“というフレーズがあるのですが、日本語に訳すと『誰も置き去りにしない』となります。

めちゃくちゃ重要な考え方なので、ぜひ覚えてくださいね!

SDGsの根幹イメージ

SDGsの根幹イメージ

上の図は僕の個人的なイメージですが、全員で生活レベルを上げていくイメージで、高い生活レベルの人の水準を下げるわけではなくて、全員で前に進むイメージです。

従来の『平等』というと、高い生活レベルの人の富を分配して低い生活レベルの人に回すイメージが少なからずありましたが、僕のイメージは違います。

他者を引き摺り下ろすことなく、全員で高いレベルに進んでいくのです。

 

SDGsの構造を俯瞰すると、下図のような3階層構造になっています。

SDGsの階層構造

SDGsの階層構造

『SDGs』は頂点の概念で、分割すると17個の『目標』になっています。

この『目標』は後ほど紹介しますが、抽象的で曖昧な表現で書かれています。

曖昧な表現では何をしたらいいのかわからないので、目標を具体化した169個の『ターゲット』が存在します。

我々はこのターゲットを1つずつクリアしていくことで目標達成につながり、目標達成がSDGsの達成につながります。

このような連鎖的な関係になっています。

 

SDGsには17個の目標があるのですが,ざっと並べると数の通りです。

SDGsの目標

SDGsの目標

目標1から順に紹介するとこうなります↓

 

SDGsがもっとも注力していることが貧困問題です。

貧困を脱すれば,他のさまざまな社会問題も連鎖的に解決できますからね。

 

飢餓問題も非常に重要です。

そもそも飢餓では人類は生存できませんからね。

 

医療や社会福祉は目標3に掲げられます。

新型コロナ感染症も目標3の範疇ですね。

 

教育格差に取り組むのが目標4です。

教育は人の成長とともに成果が出るので時間はかかりますが、絶大な効果を生み出します。

 

性の平等についての目標です。

SDGsが宣言された2015年時点では、LGBTがあまり浸透していなかったためか、単に男女の格差に焦点が当てられています。

 

上水から下水までの一連の流れをカバーするのが目標6です。

トイレといえば、日本のお家芸ですね!

 

目標7は、僕の専門であるエネルギー問題を扱います。

全人類がエネルギーにアクセスできるようにし、そして再エネへの転換を進めていきます。

 

人間的に働きやすい就業環境を目指しつつも、経済成長も実現したい。

そんな欲張りな目標8です。

 

経済成長を実現するには、技術革新が不可欠です。

そうやって人類は発展してきましたからね。

 

南北問題や移民問題など、不当な格差や差別を無くすことを目指しています。

 

災害に強いインフラ作りなどを目指しており、『レジリエンス』といったキーワードもこの目標に含まれています。

 

フードロスなどの廃棄物問題や資源問題を扱います。

まとめると、いわゆる資源循環ですね。

 

カーボンニュートラルに関する目標がまさにこれ!

『カーボンニュートラル』というキーワードこそ出てこないものの、SDGsの中でカーボンニュートラルと最も関連が深いですね。

 

海洋プラスチック問題や、海の生態系に関する問題を扱います。

 

山は森、湿地などの陸地の生態系や環境問題を扱います。

 

暴力や汚職などの犯罪や、企業や国の透明性などを主に標的にしています。

 

目標17は、ほかの目標を達成するための手段の色合いが強いです。

世界が連携して目標1~16の達成に取り組むことを定めています。

 

 

最後に、SDGsの構造をもうひとつ紹介しておきます。

SDGsの17個の目標は5つのグループに分かれます。

SDGsの5Ps

SDGsの5Ps

そのグループは、以下の5つです。

  • People(人)
  • Prosperity(繁栄)
  • Planet(地球)
  • Peace(平和)
  • Partnership(協力)

 

全て”P“から始まるので、5Psと呼ばれています。

 

 

SDGsの概要はこれくらいにして、ここで1つ質問をさせてください。

仮にあなたがSDGsを支持する人だとして、以下のような人が現れたら、どのように目を向けてもらいますか?

質問:SDGsって意味あるの?

質問:SDGsって意味あるの?

僕はSDGs関係の記事を書いているのでキーワードを調べるのですが、次のようなキーワードで調べている人たちも一定数いるようです。

  • SDGs 意味ない
  • SDGs 意味不明
  • SDGs 胡散臭い
  • SDGs 気持ち悪い
  • SDGs くだらない

 

人それぞれの考え方があっていいので、無碍に否定はできません。

仮にSDGsに興味を持ってもらうならば、どのような話し方があるでしょうか。

 

カーボンニュートラルの概要とエネルギー業界の動き

次はカーボンニュートラルです。

次にカーボンニュートラル

次にカーボンニュートラル

 

SDGsの中には『カーボンニュートラル』という言葉は出てきませんが、もっとも関係の深いものは目標13です。

カーボンニュートラルは目標13

カーボンニュートラルは目標13

 

目標13の中には5つのターゲットが存在します。

ターゲットは2つ

ターゲットは2つ

カーボンニュートラルは、ターゲット13.2の『気候変動対策』、ターゲット13.3の『気候変動の緩和』といったキーワードに含まれている概念です。

 

ちなみに、ターゲット13.a〜13.bは、ターゲット13.1〜13.3を達成する手段の位置付けです。

他の目標においても同様で、アルファベットが付いたターゲットは、数字のみのターゲットの達成手段です。

 

カーボンニュートラルの定義は、資源エネルギー庁によると、『温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする』です。

カーボンニュートラルの定義

カーボンニュートラルの定義

ポイントは『全体としてゼロ』です。

『排出しない』ではないのですよね。

排出しても、他でマイナスにすることで、全体で差し引きしてゼロにするのです。

 

ここで『温室効果ガス』というキーワードが出てきたので、紹介します。

一般的には、下図の左側のガスを温室効果ガスと呼びます。UNFCCC(気候変動枠組条約)への報告義務があるガスですね。

温室効果ガス

温室効果ガス

物理的な意味だと、図の右側の『水蒸気』『』『オゾン』も含まれます。

しかし、誰がどれだけ排出したかの報告ができないので、UNFCCCへの報告義務もないし、それゆえ話題に上りにくいのです。

温室効果ガスは知ってるのに、UNFCCCとかNIRって何?なんて今さら聞けない。
SDGs目標13『気候変動に具体的な対策を』に出てくるUNFCCC。想像ができない略語なので、解説記事を作りました。併せてUNFCCCと関連の深いNIRもご紹介します。温室効果ガスに深く関係する用語ですので、2つとも抑えたおきたいですね!

 

ここで質問です。

下図の中で、もっとも影響力の強い温室効果ガスはどれでしょう?

最も影響の強い温室効果ガスは?

最も影響の強い温室効果ガスは?

勉強会では『メタン』『フロンガス』『オゾン』が上がりましたが。。。正解は。。

水蒸気

です!

 

意外な事実ですよね。

単位質量あたりの温暖化効果は二酸化炭素の方が強いのですが、大気中に含まれている総量が全く違います。

二酸化炭素はせいぜい400ppm程度ですが、水蒸気はもっとずっと多い。

総量に桁違いの差があるので、全体としては水蒸気の方が温暖化に寄与しているというわけです。

 

水蒸気を紹介した理由は、『気候フィードバック効果』を説明するためです。

気候フィードバック効果

気候フィードバック効果

(画像は地球環境研究センターより)

二酸化炭素などの温室効果ガスによって気温が上昇すると、大気中の水蒸気量が増えます。

理解で習った『飽和水蒸気量』の原理ですね。

すると、水蒸気によってさらに温暖化が進みます。

温暖化が進めば、大気中の水蒸気量はさらに増えるので、さらに温暖化が進みます。

このループを『気候フィードバック効果』と言います。

 

あるレベルに到達すると、水蒸気だけで温暖化が進んでいくことになりますが、その場合は他の温室効果ガスをいくら減らしても無駄です。

現時点で、すでに手遅れの可能性も。。

 

気持ちを切り替えて、温暖化と気候変動の関係を見てみます。

温暖化と気候変動の関係

温暖化と気候変動の関係

台風やゲリラ豪雨については、思い当たることはありませんか?

災害や病気によって生活が脅かされるますし、動植物生の変化によって食生活にも影響が出てきます。

温暖化は、人類の時間感覚からするとゆっくり進んでいるかのように感じるので、あまり危機感を抱きにくいのです。

 

そんな温暖化を少しでも食い止めるため、世界ではカーボンニュートラルに向けた動きが活発です。

120カ国を超える国や地域(2021年4月では125カ国)が2050年にカーボンニュートラルを達成すると表明しています。

カーボンニュートラルに向けた世界の動き

カーボンニュートラルに向けた世界の動き

(画像は資源エネルギー庁より)

中国やロシア、ブラジル、オーストラリア、北アフリカなどが表明していませんね。。

オーストラリアはエコなイメージがあるけど、なんで表明しないんだろ?

オージービーフへの打撃を考慮しているらしい。

え?そこ!!?

豪、メタン削減参加を拒否 「オージー・ビーフ」打撃回避:時事ドットコム
【シドニー時事】オーストラリアのモリソン首相は28日、温室効果ガスの一種メタンの排出量を世界で2030年までに20年比で少なくとも30%削減する国際的な取り組みに関して、参加を拒否する考えを示した。「オージー・ビーフ」で知られ、日本にも大量に輸出している牛肉の生産への影響が懸念されることが理由だ。

 

さて、僕はエネルギー業界で働いているので、業界内の動きを紹介しますね。

実はエネルギー業界は、日本全体の4割ほどの二酸化炭素を排出しているんです。

なので、カーボンニュートラルに向けた取り組みも過熱しています。

エネルギー業界の温室効果ガス発生量

エネルギー業界の温室効果ガス発生量

 

エネルギー業界で働いている肌感では、『再エネ加速』『CCUS』『水素製造・利用』の動きが目立ちます。

エネルギー業界の動き

エネルギー業界の動き

 

ここで『CCUS』というキーワードが出てきたので、解説します。

CCUSは『Carbon Capture Utilize, and Storage』の頭文字を取ったもので、『二酸化炭素を回収し、利用または貯蔵(貯留)する』という意味です。

CCUSとは

CCUSとは

カーボンニュートラルは『温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする』という意味でしたね。

CCUSでは、二酸化炭素を出しても回収することによって、大気中に出していないことにするものです。

 

再エネ加速と書きましたが、最近は地熱案件が多いな〜という印象です。

地熱案件が増えている

地熱案件が増えている

 

地熱って、ほぼ完全な再エネなんですよ。

地球のコアが生み出すほぼ無限の熱を使っているし、CO2を出さないですし。

そして注目すべきは、日本が地熱資源に恵まれている点です。

世界でも第3位の地熱資源国家なんです。

日本は世界第3位の地熱資源国

日本は世界第3位の地熱資源国

使わない手はないと思います。

 

最後に、CCUSの中身を少しご紹介します。

下の図はCCUの一例です。

CCUSの代表例

CCUSの代表例

排ガスに含まれている二酸化炭素(CO2)を回収します。

そして、水を電気分解して水素(H2)を発生させます。

このCO2とH2を反応させて、メタノール(CH3-OH)を製造し、様々な化成品の原料にするんです。

これまでは化成品は石油から作っていました。もちろんCO2もたくさん排出しながらね。

しかし、回収したCO2とH2から化成品を作れるようになれば、石油を使わなくてもよくなります。

 

勉強会の最後に出したクイズは、『日本にとってのCCUの意義は?』でした。

日本にとってのCCUの意義

日本にとってのCCUの意義

僕が考える意義は、『石油を海外に依存しなくてもCO2から化成品を作れるから、資源外交上の立場が強くなる』です。

資源の乏しい日本がCCUに取り組む意義は、環境問題だけではないんです。

 

まとめ

長くなりましたが、勉強会で使った資料を使って、『SDGsとカーボンニュートラル』を説明しました。

あなたにもカーボンニュートラルに興味を持ってもらえたらうれしく思います。

コメント

  1. […] 温室効果ガスについては、勉強会資料で詳しく解説したので、ぜひお読みください。 […]

タイトルとURLをコピーしました