SDGs(読み方は、エス・ディー・ジーズ)は国連が提唱したものです。
日本は国連に加盟しているので、日本もSDGsの達成に向けてアクションを起こしていきます。
「実施指針」という文書では、日本がどのようにアクションをとるかが定められているのですが、8つの「優先課題」が設定されています。
本記事では、優先課題①「あらゆる人々の活躍の推進」を分解して、なるべく噛み砕いてわかりやすく説明していこうと思います。
SDGsに関して,全体像を含めて根本的なところから記事を作りました。良ければ参考になさってくださいね^^



優先課題①: 「あらゆる人々の活躍の推進」の内訳
優先課題①の内訳は以下の通りとなっています。
- 働き方改革の着実な実施
- 女性の活躍推進
- ダイバーシティ・バリ アフリーの推進
- 子供の貧困対策
- 次世代の教育振興
- 次世代のSDGs推進 プラットフォーム
- ビジネスと人権に関する国別行動計画
- 消費者等に関する対応
- 若者・子供,女性 に対する国際協力
- 人道支援の推進
お、多いですね。。
8個ある『優先』課題のうちの1個を分解すると、こんなにも具体的な『優先』があるんですね。。
結局、優先順位1位は何なんだろう。。?
1位を敢えて言わない、言えないんだろうなぁ。
利害関係者が多すぎるから、忖度しまくると『全部やります!全部優先です!』になるのでしょうね。
クリティカルパスとか、ルートコーズなんていう発想は無いんですかねぇ?
そんなことをいくら言ったところで話が進まないので、個別に見ていきます。
働き方改革の着実な実施
SDGsのターゲット8.5に対応

SDGsの目標8~働きがいも経済成長も
『働き方改革』というと、日本でのみホットな課題かのように思いますが、ちゃんとSDGsのターゲット8.5に対応しているんです。
8.5
2030年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。
ご存知かもしれませんが,SDGsには17個の目標があり,その下に169個のターゲットがあります。『目標』は抽象的な表現ですが,『ターゲット』は具体的な表現で記載されています。
日本の取り組み
日本がどのような取り組みをしているかというと、
働き方改革を推進するための関係法律の整備のための法律
という御大層なものまでこしらえてくれました!
お役人の皆様方、本当にお疲れ様ですね。。
働き方改革を進める目的は以下の通りに掲げられています。
働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすること
引用 : 厚生労働省ホームページ
多様な働き方ができるようにする。。僕は共感します^ ^
多様な働き方を実現するために、日本政府は、様々な取り組みをしてくれています。
ここでは、かいつまんで紹介します。
子育て・介護の支援
育児・介護休業法が改正され,
- パパ休暇で育休を2回取得できる
- パパ・ママ育休プラスで育休期間が延長
という制度に変わりました。
詳細はこちらのパンフレットへ。
色々と思うところはあると思いますが,古典的な日本企業はお役所に従順なので,厚労省が率先してくれたらありがたいですね。
また, 育児・介護休業法・次世代育成支援対策推進法の規定により,
従業員数が101人以上の企業には,一般事業主行動計画の提出が義務付けられました。
一般事業主行動計画は,こういう↓ものです。
企業が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むに当たって、(1)計画期間、(2)目標、(3)目標達成のための対策及びその実施時期を定めるもの
引用: 厚生労働省ホームページ
一般事業主行動計画を提出し,しっかりと実行した企業には『くるみん認定』『プラチナくるみん認定』が与えられるそうです。

くるみんマーク&プラチナくるみんマーク
副業・兼業の支援
キャリアの流動性が高い昨今,一つの会社のみに依存するのは危険ですからね。
もうこれは議論の余地がないレベルだと思っています。
ただ,人事関係者に聞いたところ,『過労死の問題をどちらの会社がケアするのか,そこがリスク』だと言っていました。
確かに,二つの会社の業務をやるのであれば,明確に責任分界を決める必要があります。
そのあたりの方針というか,考え方も含めて,厚労省からガイドラインが出ています。
女性の活躍推進
僕ね、↑こういう表現は好きじゃないんです。
アンバランスな感じがして。
場当たり的な感じがして。
アイデンティティで差をつけずに平等に活躍できる環境を作る
ではダメなんですかね?
SDGsの目標5に対応

SDGsの目標5~ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダー平等を実現する、目標5のど真ん中ストレートですね!
日本の取り組み
女性活躍推進法が成立
301人以上の従業員がいる企業を対象に,『一般事業主行動計画』の作成・提出が義務付けられました(令和元年の改正により,101人以上の従業員がいる企業に対象が拡大されました)。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000123791.pdf
この結果,どの程度女性の活躍推進が図られているのか,定期的に報告することになります。
えるぼし認定
女性活躍の度合いに応じて,『えるぼし認定』を受けられる模様です。
3段階目まであり,星の数で階級が分かるようになっています。
えるぼしの『える』って,Lady(女性)からとってきたんですかね?

えるぼしマーク
公共系のお仕事をされている企業の方に朗報ですが,えるぼし認定がなされると,公共調達において有利(加点要素)になります。
ダイバーシティ、バリアフリーの推進
バリアフリーにも色々とあって,物理的なものと精神的なものに分けて説明します。
SDGsのターゲット11.2に対応(物理的なバリアフリー)

SDGsの目標11~住み続けられるまちづくりを
まずは,段差の解消などの,物理的なバリアフリーですね。
SDGsの目標11のうち,ターゲット11.2に対応しています。
11.2
2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子供、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、全ての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。
日本の取り組み(ターゲット11.2)
国土交通省の管轄です。
道路や建物などの建築構造物が対象ですからね。
「バリアフリー新法」が成立し,バリアフリーが実際に進められています。
バリアフリー新法参照 ⇒ http://www.mlit.go.jp/barrierfree/transport-bf/explanation/kaisetu/kaisetu_.pdf
バリアフリー新法は平成18年に成立したので,ずいぶん前から取り組んでいたのですね。
個人的に,国交省の施策には同意できる部分も多いので,密かに応援しています。
バリアフリー化は,例えば以下のような取組みです。
- 鉄道の駅においては,車椅子が通れる幅を確保する
- バスを低床タイプにする
- 旅客機の中で使用できる車椅子を用意する
- 歩道の段差を解消する
- 駐車場には,車椅子を使用する方が停めやすいスペースを用意する
普段なかなか気づきにくい部分ですが,気にして見てみると,各所にバリアフリーの工夫がなされているんですよ^^
SDGsのターゲット10.3に対応(精神的なバリアフリー)

SDGsの目標10~人や国の不平等をなくそう
次は,不平等な意識の撤廃ということで,精神的なバリアフリーです。
SDGsの目標10のうち,ターゲット10.3に対応しています。
10.3
差別的な法律、政策及び慣行の撤廃、並びに適切な関連法規、政策、行動の促進などを通じて、機会均等を確保し、成果の不平等を是正する。
日本の取り組み(ターゲット10.3)
法務省の管轄です。
障がいのある方との意識の壁を撤廃する目的なので,人権的な側面が強いのでしょうね。
参考:法務省ホームページ ⇒ http://www.moj.go.jp/content/001296512.pdf
法律面でも改善が進んでいます。
- 2011年:障害者基本法の改正
- 2012年:障害者虐待の防止,障害者の養護者に対する支援等に関する法律の施行
- 2016年:障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)の施行
大手外資コンサルティングファームのアクセンチュアの事例もまとめてみましたので,良ければ参照ください^^

東京オリパラが近いためか,最近はパラリンピック関連の情報をよく見聞きするようになりました。
と同時に,障がいをお持ちの方々が活躍されているニュースも増えてきました。
今は東京オリパラの流れがあるので過熱していることは否めないですが,2020年以降も,これが普通の状態にソフトランディングするといいですね^^
障がいを持っているか否かで不利にならない社会,望んでいます。
長くなってきたので,続きは後半の記事に分けて書きます^^

コメント
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