製品ライフサイクル(プロダクト・ライフサイクル)と廃棄物問題

製品ライフサイクル(プロダクト・ライフサイクル)と廃棄物問題 制度や仕組み、関連情報
製品ライフサイクル(プロダクト・ライフサイクル)と廃棄物問題

製品ライフサイクルって言葉がSDGsに出てきたんだけど、どういう概念なんだろう??

 

そういった疑問に答えます。

 

確かに、SDGsの目標12『つくる責任 つかう責任』に『製品ライフサイクル』というキーワードが出てきます。

 

本記事では、製品ライフサイクルがどういった概念なのか、事例を交えて説明したあと,廃棄物との関係はどうなのか、そのあたりもお伝えしたいと思います。

 

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製品ライフサイクル(プロダクト・ライフサイクル)とは

製品ライフサイクル(プロダクト・ライフサイクル)とは

製品ライフサイクル(プロダクト・ライフサイクル)とは

 

製品ライフサイクル、またの名をプロダクト・ライフサイクルといい、1950年、マーケティング学の黎明期だった頃に、ジョエル・ディーン氏によって提唱された概念で、製品やサービスが時期とともにどのような段階を経ていくのかを表したものです。

 

英語のProduct Life CycleからPLCと略されたりします。

 

大ヒット商品であっても、発売開始からずーっと大ヒット商品というわけではありません。

ロングセラー商品ももちろんありますが、基本的にはステージが変わっていくものなのです。

そのステージを4つに整理してわかりやすくしたものが、製品ライフサイクルです。

 

具体的には、以下の4つの段階に分けられます。

  • 導入期
  • 成長期
  • 成熟期
  • 衰退期
製品ライフサイクルのイメージ

製品ライフサイクルのイメージ

 

時代とともに市場のニーズが変わっていくので、基本的には流行っては廃れていく運命にあるわけですね。

 

『昔めっちゃ流行ったけど、今はまったく見かけない商品』とか、思い当たりませんか?

製品ライフサイクルにしたがって衰退してしまったのでしょう。

 

同じように、今あなたが夢中になっている商品も、いずれは誰にも見向きもされなくなり、市場から姿を消す日がくるでしょう。

そんな推移を客観的に観察できるのも、製品ライフサイクルを知るメリットのひとつです。

 

以下、4つの段階を個別に見ていきます。

 

導入期

導入期

導入期

 

解説

製品ライフサイクルの導入期は、商品やサービスが導入されて間もない初期段階です。

 

消費者があまり認知していない状態で市場に投入して販売しようとしているので、ひと工夫が必要です。

 

販売戦略

導入期には、消費者に知ってもらうことが非常に重要になります。

 

田舎町の知る人ぞ知る名店のように、ごく少数の限られたお客さんを相手にするのであれば、認知にそこまで力を入れなくてもいいかもしれません。

 

ですが、事業規模を拡大して、大きく売っていきたい場合には、自分たちの存在やその商品の良さを消費者に知ってもらうことにまずは力を注ぐべきです。

 

例えば、以下の方法があります。

  • 無料で使える期間を設定して、多くの消費者に気軽に試してもらう
  • Web広告やチラシ配布、雑誌広告などを多く実施する

 

こういった認知拡大施策を、ターゲット層に向けて集中して行なっていくことで、自分たちとその商品の存在を知ってもらいます。

 

特に、イノベーターと言われる『新しいもの好き』な人たちを見極めて認知を広げていくことで、試してもらいやすくなります。

 

イノベーターの反応がよければ、次の成長期への移行を期待できます。

 

事例

2022年時点で導入期にある商品やサービスというと、エネルギー業界ではCO2回収設備があります。

 

今や猫も杓子も揃いも揃って『CN』(カーボンニュートラル)を使いたがります。

【図解入り】カーボンニュートラルをわかりやすく解説します
世界がカーボンニュートラルに舵を切りました。本記事では,カーボンニュートラルの概念から実際の取り組みまで,図を使いながら解説します。僕が普段から仕事で接している分野なので,なるべく噛み砕いてわかりやすく伝えます。

 

エネルギー業界でカーボンニュートラルを実現するためには、二酸化炭素を出さないエネルギー源(風力や太陽光、地熱など)を選択することのほかに、二酸化炭素を出してしまうエネルギー源に二酸化炭素回収・利用設備をセットにすることが考えられます。

 

その『二酸化炭素回収設備』が徐々に市場に投入され始めているのが、現状なのです。

 

成長期

成長期

成長期

 

解説

製品ライフサイクルの成長期は、消費者が増えて売上が増えていく段階です。

 

導入期の認知施策によってよい商品やサービスであることを認知してもらえた結果ですね。

評判が評判を呼び、好循環によって市場が拡大していきます。

 

販売戦略

成長期に大事なことは、十分な供給能力を確保することです。

 

市場が拡大しているので、消費者が欲する数量を供給できないと機会損失となりますし、自社が供給できなかった分を他社が供給したら、市場を奪われたことになります。

 

生産体制を増強し、市場が求める量を不足なく供給することが必要です。

 

また、市場の成長により、取引先の増加製品の改良モデル追加によって、次々に生まれるであろう需要に応えていきます。

 

事例

2022年時点で成長期にあるものといえば、メタバース関連のサービスでしょう。

【データから読み解く】「メタバース市場」 | オンラインMBAなら『ビジネス・ブレークスルー大学大学院』

 

破竹の勢いで様々なサービスが生まれながら、市場が拡大しています。

 

まだイノベーターが中心となって利用している印象はありますが、それ以外の人たちも興味を持ち始めて利用し始めています。

 

このメタバース市場は、導入期が終わって成長期の初期にあると考えられるので、今後の伸びしろが大きいと期待されています。

 

成熟期

成熟期

成熟期

 

解説

製品ライフサイクルの成熟期は、成長期を終えてこれ以上の伸びは期待できないながらも、十分に拡大した市場で事業を行える状態です。

 

成熟期では、飽和した市場を競合他社と奪い合う熾烈な争いが繰り広げられます。

 

販売戦略

成熟期では、出せば売れる成長期と違い、差別化等の工夫によって自社の強みを磨いて戦っていく必要があります。

 

例えば、以下の方法です。

  • シェアを持つ大手企業であれば、自動化と規模の経済による価格低下
  • 中小企業であれば、大企業が関心を持たないニッチな市場を開拓

 

生活必需品であれば成熟期が長い場合が多いので、会社への利益を拡大するも圧迫するも成熟期の動き方で決まるといっても過言ではありません。

 

事例

2022年時点で成熟期にあるものといえば、パソコンが挙げられます。

 

大きく伸びるわけではないけれど、一定に市場規模を維持しながら各社がしのぎを削っています。

 

衰退期

衰退期

衰退期

 

解説

製品ライフサイクルの衰退期は、市場が縮小していく段階です。

 

技術的な進歩や消費者の嗜好の変化などによって、需要が減ってしまうのです。

 

販売戦略

衰退期には、いかにして後始末をつけるかがポイントになります。

 

大した需要のない商品やサービスを維持し続けても、特別な理由がない限りは経営資源を圧迫するだけです。

 

撤退の意思決定は大きな決断を伴うので、むしろ参入時よりも扱いが難しいタイミングです。

 

サービスの打ち切りをするのか、
細々とでも顧客とつながるために維持し続けるのか、

決断力が求められます。

 

事例

2022年時点で衰退期にある製品として、フルサイズのデジタル一眼レフカメラがあります。

 

僕はカメラが好きなので今まさに実感しているのですが、フルサイズのデジタル一眼レフカメラの市場が縮小しています。

 

デジタルカメラの市場自体、スマホに押されて縮小していたのですが、フルサイズのデジタル一眼レフカメラはスマホでは追いつけない画質を売りに健闘していました。

ですが、ここ最近は縮小傾向にあるんです。

 

実は消費者ではなくメーカー主導の部分もあるのですが、よりコンパクトで軽い『フルサイズのミラーレス一眼レフカメラ』に置き換わっているのです。

 

いずれは全メーカーが撤退し、ミラーレスに移行すると考えられます。

 

製品ライフサイクルと廃棄物問題

製品ライフサイクルと廃棄物問題

製品ライフサイクルと廃棄物問題

 

ここまで、製品ライフサイクル(プロダクト・ライフサイクル)についてお伝えしました。

 

次に,廃棄物問題について,SDGsとの関係を見ながら解説しておこうと思います。

 

SDGsの目標12『つくる責任 つかう責任』のターゲット12.4は,以下の通り規定しています。

ターゲット12.4
2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。

 

製品ライフサイクル全体を通して、廃棄物の管理や削減を達成するとされています。

 

僕は、この意味は2つあると考えています。

 

1つめは、上述した導入期〜衰退期のどの段階にあっても、廃棄物の管理や削減を行うことです。

というのも、導入期や成長期は、商品やサービスを市場に投入することに注力するあまり、廃棄物のケアがおろそかになりがちだからです。

そうならないように釘を刺しておくために、ターゲット12.4があるという考え方です。

 

2つめは、『製品ライフサイクル』の意味が別モノである場合です。

製品ライフサイクルが、『ある製品が作られてから廃棄されるまで』という意味の場合も考えられます。

その場合、

  • 原材料を採掘して
  • 製品を加工、組立等して
  • 包装して
  • 運んで
  • 販売して
  • 使われて
  • 廃棄される

までの一連の流れのすべてにおいて、廃棄物の管理や削減を行うことになります。

 

理想的には、上の2つの両方の意味において、廃棄物の管理と削減が行われるべきなんですけどね。

 

企業で事業を行ううえでは、両方の意味と考えて、ターゲット12.4に取り組めたのなら,SDGs達成への貢献は大きくなると考えられます。

 

まとめ

本記事では、製品ライフサイクル(プロダクト・ライフサイクル)について解説し、廃棄物問題との関係にも言及しました。

 

製品ライフサイクルは、商品やサービスを市場に投入しはじめてからの移行の様子を表現したもので、

  • 導入期
  • 成長期
  • 成熟期
  • 衰退期

の段階に分けられます。

 

また、SDGsとの関係では、SDGs目標12『つくる責任 つかう責任』ターゲット12.4に規定されているように、製品ライフサイクルの全域にわたって廃棄物の管理や削減をすることになります。

導入期や成長期で、市場投入に注力しすぎて廃棄物のケアがおろそかにならないように、ってことですね。

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