プラネタリー・バウンダリーとは一体?わかりやすく解説すると。

プラネタリー・バウンダリーとは一体?わかりやすく解説すると。 制度や仕組み、関連情報
プラネタリー・バウンダリーとは一体?わかりやすく解説すると。

気候変動や環境問題について情報を集めていくと、『プラネタリー・バウンダリー』という言葉に出会った。どんな意味なんだろう・・?

 

そういった疑問にお答えします。

本記事では、プラネタリー・バウンダリーの意味や,地球が置かれている状況をわかりやすくお伝えします。

そして、プラネタリー・バウンダリーに基づいて現在の地球の状況を俯瞰した上で、まず取り組むべき分野を考察します。

 

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プラネタリー・バウンダリーとは

プラネタリー・バウンダリーとは

プラネタリー・バウンダリーとは

 

一言で表すと

プラネタリー・バウンダリーを一言で表すと、『環境の観点からみた、地球の限界』です。

 

  • Planetary:惑星の
  • Boundary:境界

 

って意味なので、英語から何となく想像できそうですね。

 

環境汚染や気候変動が進んでいると言われていますが、『そもそも地球ってどれくらいまで持ちこたえられるのだろうか・・・?』と思ってしまいますよね。

その限界点を示したものが、プラネタリー・バウンダリーなのです。

 

ちなみに、プラネタリー・バウンダリーの考え方は、スウェーデンのストックホルム・レジリエンス・センターの所長であるヨハン・ロックストローム氏らによって開発されたんだそうですよ。

参照

 

具体的な考え方

プラネタリー・バウンダリーは9つの項目に分かれています。

 

  • 気候変動
  • 海洋酸性化
  • 成層圏オゾンの破壊
  • 窒素とリンの循環
  • グローバルな淡水利用
  • 土地利用変化
  • 生物多様性の損失
  • 大気エアロゾルの負荷
  • 化学物質による汚染

 

イメージとしては、下の図のように円グラフとして、現在の状況がそれぞれの限界点を超えているのかどうかを評価するわけです。

プラネタリー・バウンダリーのイメージ

プラネタリー・バウンダリーのイメージ

 

イナタ
イナタ

これ、限界を超えているかどうかをどうやって判断してるのかな?

Kobol-1
Kobol-1

例えばね、気候変動に関しては、『大気中のCO2の濃度が350ppmを超えているか』『地球の放射強制力が1W/m2を超えたかどうか』の2つの観点で判断しているんだよ。

イナタ
イナタ

なんだか難しそうな基準だけど、数字できっちり判断してるんだね!

参照

 

地球が置かれている状況

地球が置かれている状況

地球が置かれている状況

 

では、地球が置かれている状況をご紹介します。

下の図は2015年の論文に載っているプラネタリ・バウンダリーの状況です。

プラネタリー・バウンダリーの2015年の状況

プラネタリー・バウンダリーの2015年の状況

 

イナタ-2
イナタ-2

えっ!すでに限界突破している項目が。。。4つもあるよ?!

Kobol-2
Kobol-2

9つの基準のうち4つだからね、多いよね。しかもレッドゾーン(明らかに限界突破)には2つの項目が到達してしまっている。。

 

整理すると、以下の4つが『限界を超えているが、ある程度の不確実性を持っている』という状態以上ものです(グラフ中の黄色)。

  • Climate Change:気候変動
  • Biogeochemical Flows:生化学的な循環
  • Land System Change:土地利用の変化
  • Biosphere Integrity:生物圏の完全性

 

そして、中でも以下の2項目は『確実に限界を突破』の状態です(グラフ中の赤色)。

  • Biogeochemical Flows:生化学的な循環
  • Biosphere Integrity:生物圏の完全性

 

プラネタリー・バウンダリーの現状から見る、力を入れたい項目

プラネタリー・バウンダリーの現状から見る、力を入れたい項目

プラネタリー・バウンダリーの現状から見る、力を入れたい項目

 

以下の4つは黄信号以上のやばい項目なので、早急な対策が必要です。

個別に対策(の方向性)を考えてみます。

 

Climate Change:気候変動

二酸化炭素の排出量を大幅に削減することが急務です。

すでに手遅れかもしれませんが、二酸化炭素の排出量を低下させることで、大気中の二酸化炭素の濃度を低下させ、温暖化を食い止める。

当たり前かと思われるかもしれませんが、できていないので、引き続きの緊急課題なんです。

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Biogeochemical Flows:生化学的な循環

グラフ中には『N』とか『P』ってありますよね?

これはそれぞれ『Nitrogen:窒素』と『Phosphorus:リン』です。

 

特にレッドゾーンへの食い込みが大きいのは窒素です。

もともと存在していた窒素の地球規模の循環に人為的な窒素が加わって、富栄養化や海洋汚染が引き起こされています。

生態系への悪影響も指摘されているので、『Biosphere Integrity:生物圏の完全性』を助長することにもなります。

 

主な原因は生活排水農業排水で、これらに含まれている窒素が下水や河川を通じて海洋に入るわけですね。

対策としては、化学肥料の使用量を減らして、食物ごみを環境中に排出しないなどですが、言うは易し、行うは難しです。。

 

Land System Change:土地利用の変化

陸地を農地や居住地に転換していくと、土地本来の生態系が失われ大気浄化作用や保水機能も期待できなくなります。

人口が増えているので致し方ない側面もありますが、自然の土地はそのまま残し、人類の居住区は高層化や地下利用など、縦に広げていくのはどうでしょうか。

面積を有効活用できますよね。

 

Biosphere Integrity:生物圏の完全性

生物の絶滅速度は、今や1年間に40000種とされています(参照)。

生物は互いに共存しているので、ある種が絶滅すると他の生物種も巻き添えになることも考えられます。

そうやって加速度的に絶滅すると、数百万種と言われる生物種は21世紀には無くなってしまうのでは、とも思えてきます。

 

上述した『Climate Change:気候変動』や『Biogeochemical Flows:生化学的な循環』、『Land System Change:土地利用の変化』が生態系に影響を及ぼしているので、これらを改善することが『Biosphere Integrity:生物圏の完全性』の対策になります。

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まとめ~プラネタリー・バウンダリー

本記事では、プラネタリー・バウンダリーについてまとめました。

おさらいしておきます。

 

プラネタリー・バウンダリーは『環境の観点からみた、地球の限界』で,ストックホルム・レジリエンス・センターのヨハン・ロックストローム氏らによって開発された概念です。

9つの評価項目で『地球がどれだけ限界を迎えているのか』を客観的に把握できるようになっています。

9つのうち,以下の4つは『限界を超えているが、ある程度の不確実性を持っている』という状態以上のものです。

  • Climate Change:気候変動
  • Biogeochemical Flows:生化学的な循環
  • Land System Change:土地利用の変化
  • Biosphere Integrity:生物圏の完全性

 

そして、中でも以下の2項目は『確実に限界を突破』の状態です(グラフ中の赤色)。

  • Biogeochemical Flows:生化学的な循環
  • Biosphere Integrity:生物圏の完全性

 

4つの『やばい項目』に対して,考えられる対策の方向性をご紹介しましたが,参考程度にお考えください^^

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