
SDGsの目標2は『飢餓をゼロに』だけど、飢餓って具体的には何なんだろう?飢饉と飢餓の違いも理解しておきたい。
『飢餓(きが)』や『飢饉(ききん)』の言葉を目にすることはあるものの、具体的な定義って意外に知らないんですよね。
本記事では,以下のご要望に応えて解説していきます。
- 『飢餓』の意味を具体的に知りたい
- 『飢餓』と『飢饉』の違いを理解しておきたい
SDGsに関する議論が増えているので,よく使われる単語の意味をしっかり理解しておきたいですね。
SDGsの目標2『飢餓をゼロに』の『飢餓』の定義や現状

SDGsの目標2『飢餓をゼロに』の『飢餓』の定義や現状
飢餓の定義
SDGsは国連が提唱したものです。
なので、目標2の『飢餓』についても国連の定義を見るといいでしょう。
国連世界食糧計画(WFP)は、以下の通りに飢餓を定義しています。
カロリー数で判断するのですね。
飢餓を図にするとこうなります。

飢餓の状態
飢餓は,(最低限の)体重維持に加えて軽度の運動に必要なカロリーを摂取できていないことなんですね。
これでは,軽度の運動(生活に必要な運動?)すらできず,体重維持もままならないかもしれません。
生きることで精一杯とは,まさにこのようなことを言うのでしょう。
飢餓の状態にあると,色々な不都合が出てきます。
カロリー不足では,体内でも特に大飯喰らいの脳の働きが鈍くなるので,さらに活動できなくなります。
働きがい(SDGs目標8)などと言っている場合ではないですよね。
さらに,栄養不足では免疫力が低下するため,さまざまな病気にかかりやすくなります。
健康と福祉(SDGs目標3)などと言っている場合ではないですよね。
逆に考えれば,飢餓を克服できれば,他のSDGsへの好影響も期待できることになります。
なので,SDGsの17個の目標の中でも,特に重要度・緊急度の高い目標だと考えられます。
飢餓の現状
WFPによると,飢餓に陥っている人たちは,全世界で約6億9000万人と報告されています(2019年)。
地域別に見るには,WFPのHunger Mapが便利です。
毎年発行しているのですが,例えば2020年度版は以下の通りです。
WFP-Hunger Map 2020アフリカ大陸,特にサブサハラ(サハラ砂漠以南)が危機的な状況ですね。。
他にも,インドや東南アジア,中米が深刻です。
赤道に近いエリアに飢餓が集中していることがわかります。
さらに最強のツールがあります。
Hunger Mapのリアルタイム版です。
WFPがHunger Map LIVEを提供してくれているのですが,飢餓だけではなく,降雨や紛争などの現状のデータが世界地図にリアルタイムでマッピングされています。
現状を把握するなら,Hunger Map LIVEが最強のツールですね。
『飢饉』とは

『飢饉』とは
飢饉(ききん)とは,食物が極端に不足し,人々が飢え苦しむ現象のことを言います(コトバンク(ブリタニカ国際大百科事典からの引用)による)。
日本でも,歴史の教科書に出てきた『天保の大飢饉』などが有名です。

飢饉は社会現象のことを言うのですね。
飢餓と飢饉との違い

飢餓と飢饉との違い
飢餓と飢饉の違いを整理してみると,
- 飢餓:個人の身体の状態
- 飢饉:社会現象
と,スケールの異なる概念であることがわかりました。
違いは明白ですね。
まとめ:飢餓は個人の身体の状態,飢饉は社会現象
本記事では,SDGs目標2における飢餓(きが)と飢饉(ききん)の定義を解説しました。
- 飢餓は,身長に対して妥当とされる最低限の体重を維持し、軽度の活動を行うのに必要なエネルギー(カロリー数)を摂取できていない状態のことを言います(WFPの定義)。
- 飢饉は,食物が極端に不足し,人々が飢え苦しむ現象のことを言います(ブリタニカ国際大百科事典による)。
このような定義から考えると,飢餓は人の身体の状態であり,飢饉は社会現象であることがわかり,違いが明確になりましたね。
本記事が,あなたの理解の助けになったのならうれしいです。
コメント
[…] ✓日本語:飢餓をゼロに ✓英語:Zero Hunger […]
[…] 例えば,飢餓を無くす(目標1)ために農作物を生産する必要がありますが,農耕機械を動かしたり,運んだり,調理するために,電気や熱を使いますよね? […]
[…] 飢餓の意味や飢饉との違い […]