天然ガス?LNG(エルエヌジー)?そろそろ理解を進めよう。

天然ガス?LNG(エルエヌジー)?そろそろ理解を進めよう。 制度や仕組み、関連情報
天然ガス?LNG(エルエヌジー)?そろそろ理解を進めよう。

天然ガスってクリーンなイメージなんだけど、実際はどうなんだろう?気候変動対策としても有効なのかな。。?

 

そういった疑問に答えます。

 

本記事では、天然ガスの中身を事実ベースでお伝えします。

 

この記事を読んでくださるあなたが事実を正確に把握できるように、できるだけ中立的な目線で解説します。

僕は、天然ガスを普及させたいガス会社の関係者でもなければ、過激な環境活動家でもありません。

ひとりの地球人として天然ガスを紐解きます。

 

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天然ガスとは?

天然ガスとは?

天然ガスとは?

 

天然ガスは、古代の動物の死骸などの有機物が地中で長期間(数千万年~数億年)かけて変化してできた、可燃性のガスのことです。

石油や石炭、ウランなどと同じ、化石燃料の一種ですね。

 

世界には天然ガス田がたくさん存在していますが、地中から噴き出したばかりの天然ガスには不純物が多いため、精製されて市場に出回ります。

 

天然ガスの主成分はメタンで,こんな感じの構造をしています。

メタンの構造

メタンの構造

 

メタン以外にも、エタンプロパンなどが入っていますが、ガス田によって成分は様々です。

メタンの割合が多いものは業界で『軽い、または軽質』などと言われ、逆にメタンの割合が少ないものは『重い、または重質』などと言われます。

 

メタンよりもエタン、エタンよりもプロパン、といった順に分子量が大きくなるとともに熱量(カロリー)が大きくなるので、軽い天然ガスは分子量が小さく熱量も低いです。

重い天然ガスはその逆ですね。

軽質と重質の天然ガス

軽質と重質の天然ガス

 

LNG(エルエヌジー)とは?

LNG(エルエヌジー)とは?

LNG(エルエヌジー)とは?

 

LNGは、Liquified Natural Gas、つまり液化天然ガスのことです。

 

LNGが登場する背景には、天然ガスの『輸送』と『貯蔵』が関わってきます。

天然ガスは普通の温度と大気圧においては、気体の状態です。

気体の状態は、いわばスッカスカの綿アメのようなものです。

体積は大きいのに、質量は大したことがない。

中身が詰まっていないんです。

 

天然ガス田は中東やアメリカ、ロシア、オーストラリアなどに存在しますが、天然ガスを使う場所には日本や韓国、シンガポールなど、その他の地域も含まれています。

中身がスッカスカの気体を何千キロも運ぼうと思うと、パイプラインにしろタンカーにしろ、とっても効率が悪いんです。

 

輸送だけでなく、貯蔵しておく場合にも超巨大な空間が必要になってしまうので、やはり効率が悪い。

だから中身がギッシリ詰まった液体の状態で輸送や貯蔵を行ったほうがお得なんですよね。

 

そこで登場するのがLNG(エルエヌジー)です。

天然ガスを液体の状態にすれば、体積が600分の1になります。

メタンを気体から液体にすると体積が600分の1に

メタンを気体から液体にすると体積が600分の1に

 

同じ重さの天然ガスを運ぼうと思ったら、コンテナやタンクの大きさが600分の1になるわけなので、効率がとてもよくなります。

 

ただ、大気圧下で天然ガスを液体の状態にするには、−160℃まで冷却する必要があります。

 

さらに約-160℃LNGをタンカーで運び、荷揚げ後に使用する場合には再びガスの状態に戻してやる必要があります。

 

そんなわけで,LNGを介在させる場合、天然ガスが採掘されてから使える状態になるまでに、莫大なエネルギーを要するのです。

 

日本と天然ガスの関わり

天然ガスの歴史

天然ガスの歴史

天然ガスの歴史

 

日本が天然ガスを本格的に使い始めたのは、1969です。

東京ガスと東京電力がアラスカからのLNG輸入を開始したんです。

海外の天然ガス田でLNGを作って海上輸送できるようになったからですね。

 

日本国内にLNG受入基地発電所パイプラインが建設されていき、電力や熱のエネルギー源として普及していきました。

 

参考URL:http://koueki.jiii.or.jp/innovation100/innovation_detail.php?eid=00008&test=open&age=

 

天然ガスの用途

天然ガスの用途

天然ガスの用途

 

2021年のエネルギー白書によると、天然ガスの60%が電力用33%が都市ガス用、残りはその他に使われています。

6割が発電に使われているのですね。

天然ガスの用途

天然ガスの用途

出典:エネルギー白書2021

 

天然ガスの輸入先

天然ガスの輸入先

天然ガスの輸入先

 

同じく2021年度版のエネルギー白書には、LNGの輸入先が載っています。

もっとも多いのは豪州(オーストラリア)で、マレーシアカタールが続きます。

LNGの輸入先

LNGの輸入先

 

程よく分散されていますし、地政学的なリスクの低い豪州の割合が多いのは納得です。

出典:エネルギー白書2021

 

気候変動と天然ガス

気候変動と天然ガス

気候変動と天然ガス

 

気候変動に対して、天然ガスの使用はどのような影響を及ぼすのでしょうか。

 

気候変動の要因には諸説あり、CO2などの温室効果ガスの排出だと言われたり、地球の周期に過ぎないと言われたり、いまいち確信の持てる説はありません。

 

地球環境研究センターが引用するIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change、気候変動に関する政府間パネル)のレポートでは、『20世紀半ば以降の世界平均気温上昇の半分以上は、人為起源の要因による可能性が極めて高い(95%以上)』とされているので、ここでは温室効果ガスの代表格CO2の排出量の観点で考えます。

日本ガス協会の資料によると、石炭を100、石油を80とした場合の天然ガスの二酸化炭素(CO2)の排出量は57です。

化石燃料ごとの排ガスの量

化石燃料ごとの排ガスの量

出典:日本ガス協会

 

ざっくり表現すると、天然ガスは石炭の6割、石油の7割の二酸化炭素を排出します。

温室効果ガスの排出量だけを見ると、『まだマシな方』と言えます。

 

ちなみに、SOx(硫黄酸化物)は発生しないですし、NOx(窒素酸化物)は石炭100に対して2037と少なめです。

SOxNOxは酸性雨の要因とされているので、天然ガスは酸性雨を引き起こしにくいと言えます。

 

天然ガスについてのまとめ

天然ガスについてのまとめ

天然ガスについてのまとめ

 

本記事では、天然ガスを客観的な視点で解説しました。

 

天然ガスは,メタンを主成分とする化石燃料の一種であり,メタンが多ければ軽質,メタンが少なければ重質と分類されます。

 

LNGは輸送や貯蔵のために,スッカスカの気体の天然ガスを約-160℃に冷却して液体にしたもので,タンカーなどで運搬しやすくしたものです。

 

日本では1969年からLNGを扱い始め,今ではオーストラリアマレーシア中東諸国を中心とした資源国から輸入しています。

 

SDGsの目標13に掲げられている『気候変動に対する具体的な対策』として天然ガスを考えた場合,排ガス中にSOxを含まずNOxも少量であることから酸性雨に対しては有効かもしれません。

ですが、温室効果ガスである二酸化炭素の発生量は石炭の6割、石油の7割ですので、『まだマシ』という方が適切な評価だと思います。

 

それに、LNGにして海外から輸送することで莫大なエネルギーを使っているので、トータルでの二酸化炭素の放出量を評価すると,どう判断されるかわかりません。

仮に天然ガスをクリーンなものとして推していく流れがあるとしたら、『本当か?』と立ち止まって考えてみる価値はありそうです。

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