重債務貧困国(HIPC)とは?定義や対象国家一覧を紹介

重債務貧困国(HIPC)とは?定義や対象国家一覧を紹介 制度や仕組み、関連情報
重債務貧困国(HIPC)とは?定義や対象国家一覧を紹介

SDGs目標17に出てくる『重債務貧困国(HIPC)』って何だろう?響きからして、つらそうな感じが。。

 

そういった疑問に答えて、本記事では簡潔に『重債務貧困国(HIPC)』をご紹介します。

 

世界の負の側面にも目を向けて、公正な目で物を見たいものですね。

 

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重債務貧困国(HIPC)とは

重債務貧困国(HIPC)とは

重債務貧困国(HIPC)とは

 

重債務貧困国とは、世界でもっとも貧しく、世界でもっとも重い債務を負っている途上国のことです。

 

以下の2つの基準を満たした場合、世界銀行国際通貨基金(IMF)によって重債務貧困国(HIPC)として認定されます。

  • 1993年における一人あたり国民総生産(GNP)が695ドル以下
  • 1993年における現在価値での債務残高が年間輸出額の2.2

出典:外務省

 

なお、現在はGNPという名称ではなくてGNI(国民総所得)が使われています。

一人あたりGNIを考えてみても、上位国は60000~80000ドルなので、100倍近く少ない国ということです。

(キッズ外務省)1人あたりの国民総所得(GNI)の多い国・地域|外務省

 

SDGs目標17のターゲット17.4に出てきます。

ターゲット17.4
必要に応じた負債による資金調達、債務救済及び債務再編の促進を目的とした協調的な政策により、開発途上国の長期的な債務の持続可能性の実現を支援し、重債務貧困国(HIPC)の対外債務への対応により債務リスクを軽減する。

 

誰も置き去りにしないことがSDGsの根幹ですから、重い債務で破綻する国を見過ごすことなく救済する、というわけですね。

SDGsの根幹『誰も置き去りにしない』を考える
猫も杓子もSDGs,SDGs,SDGs。。。言葉が先行していますが,その根幹にある重要な意味を掘り下げてみようと思います。それは「誰も置き去りにしない」というコンセプト。独断と偏見で,この意味を見つめてみようと思います。

 

重債務貧困国(HIPC)の一覧

重債務貧困国(HIPC)の一覧

重債務貧困国(HIPC)の一覧

 

重債務貧困国(HIPC)の一覧を以下に示します。

2020年時点の情報です。

 

  • Afghanistan(アフガニスタン、中東)
  • The Gambia(ガンビア、アフリカ)
  • Nicaragua(ニカラグア、中米)
  • Benin(ベナン、アフリカ)
  • Ghana(ガーナ、アフリカ)
  • Niger(ニジェール、アフリカ)
  • Bolivia(ボリビア、南米)
  • Guinea(ギニア、アフリカ)
  • Rwanda(ルワンダ、アフリカ)
  • Burkina Faso(ブルキナファソ、アフリカ)
  • Guinea-Bissau(ギニア=ビサウ、アフリカ)
  • São Tomé & Príncipe(サントメ=プリンシペ、アフリカ)
  • Burundi(ブルンジ、アフリカ)
  • Guyana(ガイアナ、南米)
  • Senegal(セネガル、アフリカ)
  • Cameroon(カメルーン、アフリカ)
  • Haiti(ハイチ、中米)
  • Somalia(ソマリア、アフリカ)
  • Central African Republic(中央アフリカ共和国、アフリカ)
  • Honduras(ホンジュラス、中米)
  • Sierra Leone(シエラレオネ、アフリカ)
  • Chad(チャド、アフリカ)
  • Liberia(リベリア、アフリカ)
  • Tanzania(タンザニア、アフリカ)
  • Comoros(コモロ、アフリカ)
  • Madagascar(マダガスカル、アフリカ)
  • Togo(トーゴ、アフリカ)
  • Republic of Congo(コンゴ、アフリカ)
  • Malawi(マラウイ、アフリカ)
  • Uganda(ウガンダ、アフリカ)
  • Democratic Republic of Congo(コンゴ民主共和国、アフリカ)
  • Mali(マリ、アフリカ)
  • Zambia(ザンビア、アフリカ)
  • Côte d’Ivoire(コートジボワール、アフリカ)
  • Mauritania(モーリタニア、アフリカ)
  • Ethiopia(エチオピア、アフリカ)
  • Mozambique(モザンビーク、アフリカ)

【認定前の予備国】

  • Eritrea(エリトリア、アフリカ)
  • Sudan(スーダン、アフリカ)

出典:国際通貨基金

 

認定前を含めると39ヶ国のうちの実に33ヶ国がアフリカ大陸にあります。

85%ですよ。

いかにアフリカが貧困と債務に悩まされているか、わかりますよね。

 

重債務貧困国(HIPC)になる原因

重債務貧困国(HIPC)になる原因

重債務貧困国(HIPC)になる原因

 

重債務貧困国(HIPC)になる原因を考えてみます。

 

債務を減らすか増やすかは、債務の返済能力が債務の増加を上回る必要があります。

債務には利子が付くので、債務は放っておくと利子の分だけどんどん増えていきます。

なので、債務を減らすには、利子で債務が増えるよりも多く返済していく必要があります。

 

単純に考えると、返済能力が十分にないのに債務を負うから、重債務貧困国への道を歩み始めるのではないでしょうか。

債務を負ったら、つまりお金を借りたら、まず返済能力の増強に注ぎ込むべきです。

しかし、重債務貧困国は、返済能力の増強に資金を効果的に活用できていないのではないか、と考えられます。

返済能力の増強とは、例えば、自国資源をうまく使って諸外国に対する貿易を黒字化し,返済に充てられる資金を増やす等です。

 

返済能力が強くならない理由として、例えば以下が考えられます。

  • 汚職によって資金が特定の人間に集まってしまう
  • 自国民の当座の衣食住に資金が回り、成長のための投資ができない
  • 厳しい自然環境のため特産品を作ろうとしても効率的に生産できない

 

資金を借りたとしても、こうした阻害理由を回避・排除して,緻密に計画を実行しなければ、資金を十分に稼げるだけの状態にはならないんじゃないでしょうか。

 

あなたが重債務貧困国(HIPC)の大統領だったら、どのように苦境を脱していきますか?

 

重債務貧困国(HIPC)への支援

重債務貧困国(HIPC)への支援

重債務貧困国(HIPC)への支援

 

重債務貧困国(HIPC)に対して、国際社会は指をくわえて見ているだけではありません。

どうにもならない状態の国に対しては、支援を行います。

 

支援とは、『債務の減免』です。

減らしたり、免除したりすることですね。

 

代表的なものは、以下の2つです。

  • (拡大)HIPCイニシアティブ
  • 多国間債務救済イニシアティブ(MDRI)

 

(拡大)HIPCイニシアティブ

HIPCイニシアティブは、重債務貧困国(HIPC)の債務救済プログラムのことです。

一定の基準を満たした重債務貧困国があれば、その債務を持続可能なレベルまで引き下げるというもの。

1996年リヨン・サミットで作られ、1999年ケルン・サミットでより手厚く見直されたので、今では『拡大HIPCイニシアティブ』と呼ばれています。

 

多国間債務救済イニシアティブ(MDRI)

多国間債務救済イニシアティブ(略称でMDRI)は、HIPCイニシアティブの完了基準に達した国に対して、以下の貸付機関による適格債務を100%免除するものです。

  • アフリカ開発基金(ADF)
  • 米州開発銀行
  • 世界銀行の国際開発協会
  • 国際通貨基金(IMF)

 

HIPCイニシアティブは、以下の2つの方向でより手厚い救済プログラムに進化したわけですね。

  • ケルンサミットでの拡充で拡大HIPCイニシアティブへ
  • MDRIによって債務救済がより手厚く
債務救済プログラムの拡充

債務救済プログラムの拡充

 

まとめ

本記事では,重債務貧困国(HIPC)定義一覧支援プログラムをご紹介しました。

 

重債務貧困国(HIPC)は以下の条件に該当する国を言います。

  • 1993年における一人あたり国民総生産(GNP)が695ドル以下
  • 1993年における現在価値での債務残高が年間輸出額の2.2倍

 

2020年では,予備の2国含めて39ヵ国(うち85%はアフリカ!)存在します。

 

こうした国々に対しては,支援策があり,代表的なものは以下の2つです。

  • 拡大HIPCイニシアティブ
  • 多国間債務救済イニシアティブ(MDRI)

 

目を背けたくなるかもしれませんが、紛れもない世界の現実です。

今すぐ個人のアクションが強制されているわけではないですが,自分なら何ができるか,折に触れて考えていきたい問題です。

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