【図解】バイオマス発電とは何なのかをサラッと理解できる記事

【図解】バイオマス発電とは何なのかをサラッと理解できる記事 制度や仕組み、関連情報
【図解】バイオマス発電とは何なのかをサラッと理解できる記事

バイオマス発電てたまに聞くんだけど、いまいち何なのかわからない。
サラッとでも理解しておきたいな。

 

そんな方のために、本記事ではバイオマス発電の内容を図解たっぷりでお届けします。

専門用語は出てきますが、やさしく解説しますので、気軽にお読みください。

 

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バイオマス発電とは

バイオマス発電とは

バイオマス発電とは

 

バイオマス発電とは、植物性や動物性の燃料を使ってエネルギーを取り出し、電気に変える発電方式です。

身近にイメージできるものない??

焚き火。。かな。

 

焚き火では発電しませんが、植物性の燃料である木材を燃やして熱エネルギーを取り出しているので、バイオマス利用の一例です。

 

動植物性の燃料からエネルギーを取り出して電気に変える

 

まずはそれだけ覚えれば十分です。

 

バイオマスとは

バイオマスとは

バイオマスとは

 

バイオマスとは、以下の言葉を合体させた造語です。

  • Bio(バイオ。生物)
  • mass(マス。量)

英語のスペルはBiomassです。

 

バイオマスの意味は、『生物由来の有機的資源。ただし、再生可能なものを指し、化石燃料を除く。』です。

 

化石燃料も動植物の死骸が変化したものなので生物由来であることに変わりはないのですが、カーボンニュートラルにはならないので、バイオマスには含まれません。

【図解入り】カーボンニュートラルをわかりやすく解説します
世界がカーボンニュートラルに舵を切りました。本記事では,カーボンニュートラルの概念から実際の取り組みまで,図を使いながら解説します。僕が普段から仕事で接している分野なので,なるべく噛み砕いてわかりやすく伝えます。

 

バイオマスの例を挙げると以下のとおりです。

  • 木材
  • パーム椰子の殻
  • 食品廃棄物
  • 糞尿
  • わら
  • 廃油

 

身近な範囲にバイオマスは溢れているのです。

 

こういったバイオマスを燃料にして電気を起こすものが『バイオマス発電』です。

 

続いて、バイオマス発電の仕組みを解説します。

 

バイオマス発電の仕組み

バイオマス発電の仕組み

バイオマス発電の仕組み

 

バイオマス発電の仕組みを大枠から詳細に向かって説明しますね。

 

大枠

バイオマス発電の仕組みは、上で述べたとおり『植物性や動物性の燃料を使ってエネルギーを取り出し、電気に変える』です。

 

エネルギーを取り出して電気に変える方法が、以下の通り大きく2つに分かれます。

  • 燃料を燃やした熱で蒸気を作ってタービンを回して発電
  • 燃料から直接可燃性ガスを作ってエンジン or タービンで燃焼させて発電

 

個別に説明しますね。

 

タイプ1:燃料を燃やした熱で蒸気を作ってタービンを回して発電

バイオマス発電タイプ1

バイオマス発電タイプ1

 

バイオマスを燃料として燃やすと、高温となります。

そりゃあ炎ですからね。

 

その高温の炎を使ってお湯を沸かして蒸気をつくります。

高温高圧の蒸気をタービンにぶち込んでタービンを回転させます。

タービンは発電機につながっているので、電気が発生します。

 

バイオマス発電のタイプ1の仕組みはこんな感じです。

意外に単純ですよね?

単純な仕組みだからこそ、汎用性があるしトラブルも起こりにくいので、広く使われるんです。

 

バイオマス発電の主流はこのタイプ1です。

 

タイプ2:燃料から直接可燃性ガスを作ってエンジン or タービンで燃焼させて発電

タイプ2は、バイオマス燃料から可燃性ガスを直接つくって、その可燃性ガスでエンジンやタービンを回して発電する方式です。

 

可燃性ガスの作り方には、以下の通り2種類あります。

  • 高温蒸し焼き
  • 発酵

 

高温蒸し焼き

バイオマス発電タイプ2:高温蒸し焼き

バイオマス発電タイプ2:高温蒸し焼き

 

バイオマスを燃やすという点ではタイプ1と同じですが、タイプ2には『蒸し焼き』があります。

バイオマスの燃焼に必要な空気を十分には与えないんです。

 

完全に燃焼すると、バイオマスの中の炭素(C)は二酸化炭素(CO2)に変わります。

ですが、完全な燃焼ができないと、二酸化炭素(CO2)ではなく一酸化炭素(CO)が発生します。

また、バイオマスの中の水(H2O)が水素(H2に変わったりします。

 

つまり、ガス化によって、以下のガスが出てくるわけです。

  • 一酸化炭素(CO
  • 水素(H2

 

2つのガスの割合は様々ですが、両者を含むガスを一般的に『合成ガス』と言われます。

そして、一酸化炭素(CO)も水素(H2)も可燃性ガスですから、ガスエンジンやタービンに燃料として入れて発電することができます。

 

発酵

バイオマス発電.タイプ2:発酵

バイオマス発電.タイプ2:発酵

 

もう一つの形式は『発酵』です。

発酵食に慣れ親しんだ日本人からすれば、想像しやすいと思います。

 

一般的には『メタン発酵』と言われています。

 

食品廃棄物、下水汚泥、家畜糞尿、木くずや紙くずなどを発酵槽に入れて、メタン菌の力を使って有機物を分解し、メタン(CH4二酸化炭素(CO2を発生させます。

 

このガスをガスエンジンに入れて発電するわけですね。

 

メタン発酵施設の関係者から話を聞いたところ、メタン菌にも体調があるらしくて、メタン菌の体調管理も大切な仕事なんだそうです。

 

バイオマス発電のメリット

バイオマス発電のメリット

バイオマス発電のメリット

 

バイオマス発電のメリットをご紹介します。

 

二酸化炭素の排出量を化石燃料よりも減らせる

二酸化炭素の排出量を化石燃料よりも減らせる

二酸化炭素の排出量を化石燃料よりも減らせる

 

これは程度問題です。

 

化石燃料は、炭素を取り込んだ動植物の死骸が何百万年、何千万年かけて変化したものです。

その化石燃料を人類が数十年、数百年そこそこで使おうとしているので、あきらかに『生成速度と消費速度』が釣り合っていないのです。

消費速度が大きすぎたくさんの炭素が二酸化炭素の形で大気に出てしまうわけですね。

 

しかし、バイオマス発電が燃料とするものは、木材や生活廃棄物です。

『生成速度と消費速度』は、化石燃料よりも釣り合いが取れていると想像できますよね。

木が成長したり生活廃棄物が出る速度に対して、燃料としての消費速度がそれほど大きくはないのです。

つまり、大気中に二酸化炭素が増えまくるわけではない、ということです。

 

廃棄物を減らせる

バイオマス発電の燃料は、今のところは廃棄物です。

ヤシ殻、間伐材、糞尿、食品廃棄物、紙類など、本来は捨てられるはずの有機系廃棄物が燃料となります。

 

もし、こうした有機系廃棄物がそのまま廃棄されていたら、膨大な電力をかけて処理をするか、埋められて環境に負担をかけていました。

 

ちなみに、バイオマス発電をしたあとは灰が出ますが、受け入れた燃料よりも大幅に少ない量です(1/10くらいに減ります)。

廃棄物を減らせることは、エネルギーの無駄や環境負荷を減らせるため、大きなメリットになります。

 

森林の維持・再生に貢献できる

森林再生に貢献できるのがバイオマス発電のメリットです。

自然エネルギー財団の調査によると、国内のバイオマス発電用の固形燃料25.3100万絶乾t/年)のうち、3.91100万絶乾t/年)が間伐材·林地残材です。

15%ですね。

森林は、適度に間伐をして日光を届かせないと衰えていきます(参照:林野庁)。

間伐には相当なコストがかかるのですが、間伐材を燃料として買ってくれる仕組みがあれば、間伐をやりやすくなります。

 

バイオマス発電で間伐材を利用することで森林の維持·再生に貢献できるわけですね。

 

バイオマス発電のデメリット

バイオマス発電のデメリット

バイオマス発電のデメリット

 

バイオマス発電のデメリットも公正な目でご紹介しますね。

 

本当にカーボンニュートラルなのか怪しい

バイオマス発電はカーボンニュートラルと謳われています。

【図解入り】カーボンニュートラルをわかりやすく解説します
世界がカーボンニュートラルに舵を切りました。本記事では,カーボンニュートラルの概念から実際の取り組みまで,図を使いながら解説します。僕が普段から仕事で接している分野なので,なるべく噛み砕いてわかりやすく伝えます。

 

メリットの一つめ『二酸化炭素の排出量を化石燃料よりも減らせる』で解説したとおりですが、木が成長したり生活廃棄物が出る速度に対して、燃料として二酸化炭素を排出する速度がそれほど大きくはないのです。

 

しかし、大事なのは、植物等のバイオマス燃料が二酸化炭素を吸収する速度よりも、バイオマス発電で二酸化炭素を排出する速度の方が大きいかどうかなのです。

 

小さい限りは、大気中の二酸化炭素は、バイオマス発電によっては増えません。

しかし、バイオマス発電によって排出する速度の方が大きいのであれば、バイオマス発電によって大気中の二酸化炭素濃度が増えていることになります。

吸収しきれない量の二酸化炭素を排出しているわけですからね。

 

その場合は、カーボンニュートラルではありません。

 

様々なコマーシャルや企業PRで『バイオマス発電=カーボンニュートラル』というイメージを持ってしまいがちですが、二酸化炭素の吸収速度と排出速度のバランスを冷静に比較したとき、本当にカーボンニュートラルかどうかは分からないのです。

 

有機廃棄物削減にブレーキがかかる

バイオマス発電の燃料の多くは、有機系の廃棄物です。

なので、このように考えてしまう可能性があります。

『バイオマス発電の燃料になるんだから、有機系廃棄物を必死こいて削減しなくてもいいんじゃね?』

 

それはおかしな話ですよね。

まず第一に、無駄に捨てられるものを限りなくゼロに近づけたうえで、それでも出てしまう廃棄物がバイオマス発電の燃料になるべきです。

資源循環について規定するSDGs目標12とも矛盾してしまいます。

 

しかし、人間は怠惰な方向に流れていくもの。

『バイオマス発電の燃料になるんだから』を大義名分として、有機系廃棄物削減の努力を放棄する可能性があります。

 

まとめ

本記事では、バイオマス発電について解説しました。

 

バイオマス発電は、植物性や動物性の燃料を使ってエネルギーを取り出し、電気に変える発電方式です

燃料を直接燃やして蒸気をつくり、タービンを回して発電する方法や、燃料から合成ガスをつくってガスエンジンやタービンを回して発電する方法があります。

 

メリットとして以下をご紹介しました。

  • 二酸化炭素の排出量を化石燃料よりも減らせる
  • 廃棄物を減らせる
  • 森林の維持・再生に貢献できる

 

また、デメリットとして以下をご紹介しました。

  • 本当にカーボンニュートラルなのか怪しい
  • 有機廃棄物削減にブレーキがかかる

 

バイオマス発電は、化石燃料をバンバン燃やす発電方式よりは断然に環境にいいです。

この記事をきっかけにバイオマス発電のことを知ってもらえたらうれしいです。

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