
当社もSDGsに対する取り組みをしなくちゃならないけど、他社はどうなっているんだろう?
こういった疑問に答える記事を用意しました。
本記事では、世界一の自動車会社・トヨタのSDGsに対する取り組みについて、以下の内容を解説します。
- 全体像
- SDGsの目標3に向けた取り組み
- 事例からの学び
本記事を読むと、トヨタの取り組みの全体像と具体的内容を理解でき、自社の活動に活かせるヒントを持ち帰ることができます。
他の会社の取り組み事例についても業界別の記事にまとめましたので、ぜひ参考になさってくださいね。
✔︎ SDGsの根幹『誰も置き去りにしない』
✔︎ SDGsの5大原則
✔︎ SDGsの5つの柱・5Ps
✔︎ ロゴやアイコンの正式なデータ
トヨタのSDGsに対する取り組みの全体像

トヨタのSDGsに対する取り組みの全体像
僕が調べた限りの情報をまとめますが、トヨタさんからすると『違うよ』となるかもしれません。慎重にまとめます。
経営方針との関係
トヨタのSDGsへの取り組みに関して、経営方針との関係は以下の2つに集約されます。
- 企業活動そのものがSDGsへの取り組み
- SDGsはトヨタ環境チャレンジ2050の通過点
トヨタは『SDGsまっしぐら!』ではありません。
上記2点を簡潔に説明します。
- 企業活動そのものがSDGsへの取り組み
同社のCSRページにて、トヨタは以下の通り主張しています。
トヨタは社会と協調し、事業活動を通じて社会・地球の持続可能な発展に貢献する取り組みを各地域で進めています。取り組みの根底にあるのは豊田綱領を始めとした企業理念であり、トヨタの考え方・価値観は国連の持続可能な開発目標(SDGs*)が目指すものと一致しています。
王者の貫禄でどっしりと構えていますね。
まるで『トヨタの行く道、それすなわちSDGsの道。よく見ていて下さい。』とでも言うかのよう。
トヨタの企業活動そのものがSDGsと整合している以上、この説明で十分なのです。
- SDGsはトヨタ環境チャレンジ2050の通過点

SDGsはトヨタ環境チャレンジ2050の通過点
トヨタにとって『SDGsは通過点』なのです。
具体的に説明します。
パリ協定 (2015年1月)では、世界の平均気温を産業革命以前+2℃未満に抑えると宣言されました(資源エネルギー庁HP参照)。
トヨタは、パリ協定の2℃未満シナリオを念頭に『トヨタ環境チャレンジ2050』を掲げています。
SDGsは2030年までの目標ですが、『トヨタ環境チャレンジ2050』にも2030年までの中間目標が存在します。

SDGsはトヨタ環境チャレンジ2050の通過点-1
例えば以下です。
2050年までにグローバルでの工場からのCO2排出をゼロにする(2030年での中間目標)
2013年比で35%削減する
トヨタにとっては、
『「トヨタ環境チャレンジ2050」の中間目標の達成=SDGs達成への貢献』のはず。
SDGsはトヨタにとって通過点なのですね。
トヨタのSDGsを支える社内体制

トヨタのSDGsを支える社内体制
トヨタのコーポレートガバナンス体制(一部)は上図の通りですが、『サステナビリティ会議』がポイントです。
サステナビリティ会議は、執行役員が指揮をとるサステナビリティ関連の取り組みの実行体制を審議します。
審議の結果がOKであれば、執行役員がSDGsなどのサステナビリティ関連の取り組みを実行します。
また、サステナビリティ会議には『情報開示委員会』『内部監査部門』が報告を行います。社内外の情報の透明性を確保するのですね!
トヨタはサステナビリティ会議を設置することで、サステナビリティ関連の取り組みを適正に実行する体制を確保しているのです。
トヨタのSDGsに対する取り組み事例〜目標3〜
SDGsの目標3の概要

SDGsの目標3の概要
SDGsの目標3は『すべての人に健康と福祉を』です。
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進することが目的です。
しかし、『すべての人に健康と福祉を』は抽象的ですよね。
ここで、SDGsには17個の目標の下位概念には具体的な169個の『ターゲット』が存在します。目標3の下位概念にも13個のターゲットが存在します。

SDGs-目標-ターゲットの関係
目標3の13個のターゲットを全部載せると読みにくくなるので、詳細は総務省の資料を参照ください。ターゲットが全部載っています。
上記を踏まえたうえで、トヨタの取り組みを確認します。
トヨタの『Toyota Safety Sense』(セーフティセンス)
トヨタが開発した『Toyota Safety Sense』(セーフティセンス)は、交通事故を減らすことを目的とした制御システムです。
先進的な車両制御技術や計測技術などを駆使して、ドライバーの安全運転をサポートします。
ポイントを書き出すと以下の通りです。
各紹介ページに分かりやすく説明されているので、時間があれば覗いてみてください。
『SDGsの目標3』と『Toyota Safety Sense』との関係

『SDGsの目標3』と『Toyota Safety Sense』との関係
トヨタのToyota Safety Senseは以下のターゲットの達成に寄与します。
- ターゲット3.6
- ターゲット3.1
- ターゲット3.2
トヨタが公表している資料では、目標3としか書かれていませんが(中央下部に28と書かれたページを参照)、僕なりに深堀りをしてみました。
- ターゲット3.6との関係
2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。
Toyota Safety Senseは、走行時の安全性を高めるものです(語彙が少なくてすみません💦)。
道路交通事故による死傷者を半減させることに役立つことは間違いありません。歩行者にとっても,ドライバーにとっても。
- ターゲット3.1との関係
2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減する。
交通事故によっても,妊産婦の尊い命が失われています。
死亡者数の正確なデータは見つけられませんでしたが,妊産婦の交通死亡事故は少なからず発生しています。
トヨタの技術によって,確実に減らすことができるでしょう。
- ターゲット3.2との関係
全ての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、 2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。
消費者庁の調査(P.3参照)によると,1歳~5歳の幼児の死亡原因のトップは交通事故です。
想像しただけで涙が出ます。。。
Toyota Safety Senseによって,未来ある命が救われるでしょう。
以上から、トヨタのToyota Safety Senseは、ターゲット3.6, 3.1, 3.2の達成に貢献するので、目標3の達成に貢献することになります。
トヨタは結果的に、SDGsの達成に寄与しているわけですね。
トヨタのSDGsに対する取り組み事例からの学び
トヨタの事例から学べることは、
- SDGsに縛られない
だと思います。
SDGsの熱気に当てられて、強引に結び付ける必要は無いんですよね。
企業の取り組み一覧の記事で紹介しましたが、中には『SDGs、全盛り!』なアピールをする会社もあります。
どちらが良い悪いではないですが、自社の事業領域で勝負をするのが自然に思えます。
SDGsはかなり広範な事業領域をカバーしているので、真っ当な企業であれば、何かしらのターゲット達成に貢献しています。
探せばきっと見つかりますよ(^^)
SDGsへの企業の取り組み事例の記事を今後も公開していくので、ぜひ参考にして欲しいです。
まとめ
本記事では、SDGsに対するトヨタの取り組みを解説しました。
全体像のポイントは以下です。
- トヨタ環境チャレンジの通過点としてSDGsがある
- 『サステナビリティ会議』が社内推進体制の肝
また、具体的な取り組みのポイントは以下です。
- Toyota Safety Senseで安全運転をサポートすることで、SDGsの目標3のターゲット3.1, 3.2, 3.6に貢献
最後に、本事例から以下の学びがありました。
- SDGsに縛られず、自社の事業領域の中で貢献することが自然

『この会社の取り組みはSDGsにどうなの?』っていうものがあったら,ぜひコメントでお知らせくださいね~!

そうそう!僕が分析して,SDGsとのつながりをブログで解説しますよ^^
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【参考】
- 自動車業界の他の企業の取り組みはこちら↓
- 企業や個人の取り組みカテゴリーの記事はこちら↓
- 制度全般カテゴリーの記事はこちら↓
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コメント
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