✔ 簡単に読めて,内容がまとまっている記事があればベター
そんなあなたに向けて記事を書きました。
本記事では,以下の情報をわかりやすくまとめて解説します。
- 資生堂の取り組み事例の全体像
- 個別の取り組みとSDGsとの関係
読み終えたら,あなたの中に企業の取り組み事例が1つ蓄積されますよ^^
資生堂とは

資生堂とは
資生堂は国内シェアナンバーワンの化粧品メーカーであり、世界でも5位のシェアを誇る大企業です。
創業が。。。1872年!!!?
岩倉使節団が海外に出てったり,富岡製糸場が操業開始したり,とにかくもう『歴史の教科書』な時代です。
19世紀生まれの超伝統派カンパニーなのですね。
化粧品の製造・販売をメインとする美容メーカーですが、ビューティーカンパニーとしての使命感を強く持っており、化粧品の他にレストラン事業や教育・保育事業なども手がけるなど幅広い事業展開をしています。
資生堂の企業使命は,2019年に『BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(ビューティーイノベーションでよりよい世界を)』となり、SDGsにも積極的に取り組み、資生堂グループだからこそできる社会価値の創造に力を入れています。
SDGsに取り組むことで、美を軸として,サステナブルな社会の創造に大勢が関わる仕組みを作っているのです。
資生堂のSDGsに対する取り組み
全体像
資生堂のSDGsに対する取り組みとしては、『美を通じて社会貢献をしたい』という信念をもとにしているため、美を軸として環境・社会・文化に対して社会価値を再定義し、貢献することとしています。

美を軸として環境・社会・文化に対して社会価値を再定義
- Protect Beauty …サステナブルで美しい地球・環境と、そこで暮らす人びとの美を守ります
- Empower Beauty …私たちの社会を構成する美しい存在、人々に元気を与え、勇気づけます
- Inspire Beauty …日本の美によって、世界の美意識という文化に新たな気づきを与えます
2019年、資生堂グループのマテリアリティ(重要課題)として上記3つの分野で18の項目を選定し取り組むことで,SDGsの達成に貢献することを目標としました。

資生堂のマテリアリティ(重要課題) 引用: 同社ホームページ
体制についてお伝えします。
資生堂では,『Executive
Committee』という委員会(議長はCEO)でサステナビリティ関連の意思決定を行います。
実際に実務を行うのは担当部門です。

推進体制
資生堂は2019年に『Chief Social Creation Officer』と『社会価値創造本部』を設置しました。
『社会価値創造本部』は,サステナビリティ関連の取り組みの進捗や課題を『Chief Social Creation Officer』に報告し,サステナビリティマネジメントの監督を受けます。

『Chief Social Creation Officer』って初めて聞いたよ!CSCOって略すのかな・・?

たぶんね(;´・ω・)
NECでは『Chief Supply Chain Officer』を『CSCO』と呼んでるんだけど,『Chief Social Creation Officer』って珍しいよね!
ジェンダー平等の推進【目標5】

SDGsの目標5-ジェンダー平等を実現しよう
資生堂のSDGsに対する取り組みとして、『ジェンダー平等の推進』があります。これはSDGsの目標5の達成に貢献するものですね。
実は資生堂は、UN womenと契約を結び、日本でのジェンダー平等の推進リーダーの活動を約束しているのです。
化粧品メーカーとして女性の活躍を推進してきた資生堂は,UN Womenと契約したことで,
- 『性別を問わない個人』として人生を輝かせるための選択をすること
- 『性別を問わない個人』の能力を発揮できる環境を整えること
を目標に社会を構築していきます。
資生堂は,UN Womenとの契約後,以下に取り組んでいきます。
✔ 若年層とともにジェンダー課題の解決策を考えるワークショップの開催

CO2削減の取り組み【目標13】

SDGsの目標13-気候変動に具体的な対策を
資生堂のSDGsに対する取り組みとして、『CO2削減』があります。これはSDGsの目標13の達成に貢献するものですね。
近年では,地球の温暖化や異常気象などの地球環境に関する問題を考える際、『CO2との関わり』に非常に関心が高くなってきています。
資生堂では,例えば以下の取り組みによって,『再生可能エネルギーの使用によるCO2の削減』(※)に取り組んでいます。
- 米国工場で太陽光発電設備による電力自給を開始(電力使用量の70%を確保)
- 掛川(静岡),久喜(埼玉),大阪工場で再生可能エネルギー由来の電力を使用(東京電力エナジーパートナーの『アクアプレミアム』を採用)
SDGsとの関連は,ターゲット13.2だと思います。計画に盛り込むどころか,もうすでに取り組んでいるんですけどね!
気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。
また,資生堂では、国内外の商品生産開発段階だけではなく、開発した商品を使用する段階でのCO2削減にも取り組んでいます。
資生堂はバリューチェーン全体のCO2排出量を把握し、製品ライフサイクルを細分化して観察しているので、原材料から排気の段階まで削減量を知ることができるのです。
持続可能なパーム油の調達【目標8】

SDGsの目標8-働きがいも経済成長も
資生堂のSDGsに対する取り組みとして、『持続可能なパーム油の調達』があります。これはSDGsの目標8の達成に貢献するものですね。
化粧品の原材料でもあるパーム油はアブラヤシから作ることができる材料です。
パーム油は東南アジアなどで多く生産されているものですが、過酷な労働環境や大量収穫による環境破壊が問題となっていました。
資生堂では、生産地の環境保全と農園の人々の人権を守ることで、持続可能なパーム油の調達を可能にしようと取り組みを始めているのです。
具体的な取り組みとして,『RSPO』(※)に加盟して、資生堂グループでもガイドラインを制定しています。
RSPOの認証が取れたら,『資生堂がパーム油を調達する方法は持続可能ですよ』というRSPOからのお墨付きを得られたことを意味するので,安心して調達できるわけです。
また、現地の農家とも対談をするなど積極的にパーム油の生産が持続可能になるよう、グループ内でも取り組みをしています。
SDGsとの関連を考えると,目標8のターゲット8.5だと思います。
僕は実態をよく知らないので,もしかしたらターゲット8.7(人身売買や児童労働の禁止)の方が近いかもしれません。。
2030年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。
まとめ:資生堂はSDGsに取り組むことでグローバル&サステナブルな美へ
今回は、SDGsに対する資生堂の取り組み中のほんの一部をご紹介しました。
- 取り組みの全体像
『美』を軸にして『Protect Beauty』『Empower Beauty』『Inspire Beauty』の3つの分野で18項目に取り組んでいます。
取り組みの体制として,『Chief Social Creation Officer』『社会価値創造本部』を設置するなど体制も強化しています。
- ジェンダー平等の推進【目標5】
UN Womenと契約し,キャンペーン『HeForShe』の浸透を進める等に取り組んでいます。
- CO2削減の取り組み【目標13,ターゲット13.2】
国内外の生産工場で,再生可能エネルギー由来の電力を使用しています。
- 持続的なパーム油の調達【目標8,ターゲット8.5】
RSPOに加盟し,認証取得に取り組んでいます。
企業の大元でもある『美』を軸として,多岐にわたる取り組みに対して真剣かつ積極的だということが分かります。
未来のことを考えて動くことができる企業は、様々な視点でビジネスを考えて動いているのですね。

『この会社の取り組みはSDGs的にどうなの?』っていうものがあったら,ぜひコメントでお知らせくださいね~!

そうそう!僕が分析して,SDGsとのつながりをブログで解説しますよ^^
他にも,『SDGsのここがわからない』『もっと詳しく知りたい』『こんにちは』など,コメントをいただければすごく嬉しいです!
【参考】
- 化粧品業界の競合他社の取り組みはこちら↓
- 企業や個人の取り組みカテゴリーの記事はこちら↓
- 制度全般カテゴリーの記事はこちら↓
コメント
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