SDGs目標5【ジェンダー平等を実現しよう】を事例で実践的に理解

SDGs目標5【ジェンダー平等を実現しよう】を事例で実践的に理解 【SDGs】企業や個人のリアルな取り組み事例
SDGs目標5【ジェンダー平等を実現しよう】を事例で実践的に理解

SDGs(持続可能な開発目標)関連の提案を考えているんだけど、他の企業はどのような取り組みをしているんだろう?事例はあるかな?

 

そういった疑問に以下の内容でお答えします。

  • SDGs目標5の具体的な内容
  • 目標5に関する企業の取り組み事例3つ(ダイジェスト)

 

記事を読み終えると,SDGs目標5実践的に理解できます。

 

実践的に理解することで、事業提案に活かすヒントが見つかったり,ディスカッションに深みが増します。

 

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SDGsの目標5『ジェンダー平等を実現しよう』の背景

SDGsの目標5の背景

SDGsの目標5の背景

 

ジェンダー平等って当たり前すぎるのですが,その当たり前が当たり前でない国や地域があります。

 

ジェンダー平等を実現することは,当たり前のことに当たり前のように取り組むことなんです。

 

動画で見た方が伝わると思うので,ぜひどうぞ^^

 

ジェンダー平等に関する現状を数字で確認してみます(参照元)。

 

  • 18%:パートナー又はパートナーでない人から,身体的又は性的な暴力を経験したことのある15~49歳の女性の割合(世界)
  • 24%国会議員の女性率
  • 39%労働人口における女性率
  • 27%管理職の女性率
  • 30%18歳以下で結婚した20~24歳の女性の割合
  • 200万人女性器切除を経験した人の割合(うち半数は西アフリカの女性)

 

国会議員や労働人口、管理職の部分を見ると、女性の社会進出の遅れは明らかです。

女性器切除とか暴力とか。。ゾッとしますよね。。。

 

僕は男として日本で生まれ育ったので,性差別を意識する機会はほとんどありませんでした。

しかし,日本でも性別(ジェンダー)によって有利不利が顕著な業界や地域はまだ残っていると思います。

世界的にも、数字で確認した通り、女性の不遇は残っているのですね。

 

本来は平等であって当然のはず。

SDGsの中でもトップクラスに『当たり前でしょ?!』と思えてしまう目標です。

 

SDGsの目標5の具体的内容

5Psの中の目標5の位置づけ

5Psの中の目標5の位置づけ

5Psの中の目標5の位置づけ

 

目標5は、5Psの中の『People(人)』に深く関係しています。

 

SDGsには5つの柱があり,僕は5Ps(ファイブ・ピーズ)と呼んでいます。

 

5つの柱はすべてアルファベットの“P”で始まるからですね。

 

具体的には,以下の5つです。

  • People (人)
  • Planet (地球)
  • Prosperity (繁栄)
  • Peace (平和)
  • Partnership (協力)

 

SDGsの17個の目標は,この5Psのどれかの分野に関するものです。

 

目標5人の性別に関するものなので、『People(人)』に深く関係しています。

 

5Psについては別の記事でしっかり説明したので,興味があればぜひお読みください。

SDGsの5つの柱・5Psを丁寧に解説!17個の目標との対応も!
SDGsには5つの柱が存在します。17個の目標は,5つの柱に沿って定められています。本記事では,SDGsの5つの柱について紹介します。SDGsの目標との対応関係もお伝えします。

 

目標5~ジェンダー平等を実現しよう

SDGsの目標5-ジェンダー平等を実現しよう

SDGsの目標5-ジェンダー平等を実現しよう

 

SDGsの目標5は『ジェンダー平等を実現しよう』です。

 

英語では『Gender Equality』(ジェンダー イークァリティ)と書かれています。

 

性の平等』そのままですね。

 

原文では以下の通りに書かれています。

Achieve gender equality and empower all women and girls

性の平等を実現し,女性・女子に力を与える』と訳してみます。

 

目標5の10個のターゲット

SDGs-目標-ターゲットの関係

SDGs-目標-ターゲットの関係

 

SDGsには17個の目標から成り立ち,17個の目標は169個のターゲットから成り立っています。

 

階層構造ですね。

 

SDGs目標5をさらに具体的な達成目標に分解すると,以下の9個のターゲットになります。

No. 内容
5.1 あらゆる場所における全ての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。
5.2 人身売買や性的、その他の種類の搾取など、全ての女性及び女児に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。
5.3 未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚及び女性器切除など、あらゆる有害な慣行を撤廃する。
5.4 公共のサービス、インフラ及び社会保障政策の提供、並びに各国の状況に応じた世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する。
5.5 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。
5.6 国際人口・開発会議(ICPD)の行動計画及び北京行動綱領、並びにこれらの検証会議の成果文書に従い、性と生殖に関する健康及び権利への普遍的アクセスを確保する。
5.a 女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、並びに各国法に従い、オーナーシップ及び土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する。
5.b 女性の能力強化促進のため、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化する。
5.c ジェンダー平等の促進、並びに全ての女性及び女子のあらゆるレベルでの能力強化のための適正な政策及び拘束力のある法規を導入・強化する。

SDGsの17個の目標と 169個のターゲット一覧

SDGsの全17目標の内容と企業の取り組み事例一覧

一般的な知識はここまで。

目標5を実践的に理解するために、企業の取り組み事例を見ていきます。

 

SDGsの目標5:企業の取り組み事例3つ

今回ご紹介するのは、以下の3社の取り組みです。

 

  • オムロン株式会社
  • 株式会社オカムラ
  • 公益財団法人ジョイセフ

 

オムロンの取り組み:誰もが自由に使えるトイレ

オムロンの取り組み:誰もが自由に使えるトイレ

オムロンの取り組み:誰もが自由に使えるトイレ

(↑ステッカーは同社Webサイトから引用)

 

オムロンは,産業用精密機器や医療用機器の大手メーカーです。

体重計や体温計で馴染みがありますよね。

 

オムロンは『誰もが使えるトイレ』を社内に配置していくことで,ジェンダー平等の実現に貢献しています。

 

具体的に説明します。

 

オムロンは2015年からLGBT(セクシャルマイノリティー)のメンバーが活躍できる環境づくりに取り組んでいるのですが,最初は『LGBTについて理解する』ことから始めたそうです。

LGBTについて理解することから始めた

LGBTについて理解することから始めた

 

LGBTではない人たちは,LGBTの方々の境遇や気持ちを知らないのです。

知らないことには,『LGBTの方々が働きやすい環境』を整備することはできません。

 

まずは知ること。

 

外部有識者を招いてLGBTに関する研修を行っていくことで,『自分たちにできることから始めよう』という機運を高めていきました。

 

具体的な施策のトップバッターは,『誰でも自由に使えるトイレ』を確保することでした。

LGBTの人たちにとって,『男性用』か『女性用』かの2択しかないのはつらいでしょうね。。

社員が『何かできることはないか』と考えて生まれた施策のようで,全社に広まりつつあるようです。

 

僕はこのやり方を『上手い』と思います。

LGBTを理解し,抱えている悩みや気持ちを知る機会を作ることで,社員の内発的な動機付けに成功したのでしょう。

自発的に考えて提案した結果の『誰でも自由に使えるトイレ』だからこそ,全社に広まる勢いがあるのです。

 

仮にトップダウンで『〇〇をやりなさい』と指示したところで,施策の定着率は期待できないと思います。

実際に悩んでいるのはLGBTの人たちであって,日々接する同僚が共感して動くことが大切ですね。

 

SDGs目標5を考えると。。。実はLGBTに関して言及されているターゲットは見当たりません。

しかし,LGBTに関しては,合わせ技によって解釈することができると思います。

 

まず,目標5ジェンダー平等を実現しよう』の”ジェンダー(性別)”の中にLGBTは含まれると考えれば,LGBTの人もそうでない人も平等に扱われるべきなのです。

次に,目標6人や国の不平等をなくそう』に掲げられているように,『人の不平等』の部分に性別による不平等も含まれると考えられます。

最後のトドメとして,SDGsの根幹『誰も置き去りにしない』を持ち出せば,LGBTの人たちも置き去りにしない,と考えることができます。

 

したがって,オムロンの施策は,目標5を中心に,目標6,そしてSDGsそのものの達成に貢献していると言えます。

 

誰でも自分らしく活躍できる企業を目指して | オムロン | EDGE&LINK 切り拓く、未来を創る。
今に妥協せず先頭を走って未来をつくる人たちが集い、新たな変化を生み出す、コミュニケーションメディアです。

 

オカムラの取り組み:経営層へのLGBT研修

オカムラの取り組み:経営層へのLGBT研修

オカムラの取り組み:経営層へのLGBT研修

 

オカムラは、横浜市磯子区に拠点を置く設備メーカーです。オフィスや学校の内装一式とか,工場の自動倉庫などを大規模に納めています。

僕は磯子区に住んでいたことがあるので,目に止まっちゃいました!

 

オムロンと同様にLGBTに関する取り組みですが、経営層に対してに研修を行なっています(同社CSRレポート)。

 

イナタ
イナタ

単なる研修でしょ?座って話を聞くだけでしょ?

Kobol
Kobol

そう思うでしょう?僕も以前は『研修』には懐疑的だったよ。受け身になるし、眠くなるし。だけど、『経営層への研修』は少し違うものになるはずだよ。

 

経営層って、平社員から見ると、

『日中は何やってんだろう?夜は飲み会だしなぁ。』

『じーさん達でしょ?本当に将来の会社のことを考えてくれているのかな?』

などなど、往々にして疑問符の対象になりますよね。

 

ですが、オカムラは2019年時点ですでに売り上げが2500億円です。

このくらいの規模になると、企業の社会的な影響度はとても大きくなってきて、ちょっとした不祥事やミスが関連企業を含めた範囲に深刻な影響を与えます。

経営層はそれほどの重圧と闘っているはずなのです。

 

重圧は会社経営への姿勢を正します。

 

オカムラでのLGBT研修では、きっと活発な議論がなされたことだと思います。

 

そして一旦研修を受けた事実があると、仮にLGBTに関する差別的な取り扱いが社外に広まれば、『研修を受けたはずの経営層は何をやっているんだ!!』と一層の非難を浴びることになります。

 

『経営層へのLGBT研修』の公表には、背水の陣を敷く意味もあるのです。

 

SDGsとの関係については,オムロンと同様で合わせ技での解釈ですね!

 

ジョイセフの取り組み:母子保健に関するワンストップサービスサイトの設立@ザンビア

ジョイセフの取り組み:母子保健に関するワンストップサービスサイトの設立

ジョイセフの取り組み:母子保健に関するワンストップサービスサイトの設立@ザンビア

 

ジョイセフは,東京都新宿区に拠点を置く内閣府所管の公益財団法人で,リプロダクティブ・ヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の情報とヘルスケア・サービスを自らの意思により自由に選択できる機会を確保できることを目指しています。

 

ザンビアでは,母子の検診の受診率の低さから,リスク発見の遅れが問題となっていました。

また,文化的な背景から,10代での結婚・出産を経験する女性も多く,成熟していない心身への負担から,女性の心と身体に傷を残すこともありました。

不衛生だったり医療の無い地域での出産も多かったようです。

 

そこでジョイセフは,健診から産後ケアまでの質の高い保健医療を提供する施設『ワンストップサービスサイト』をいくつも設立してきました。

 

ワンストップサービスサイトは,学校や地域のリーダーと連携して,正しい保険・医療情報を伝えてきました。

 

その結果,以下の成果を得られました。

  • 産前検診を4回受ける女性の割合が11.3%→29.2%に増加
  • 保健施設での出産や産後ケアの受診率も向上

 

正しい知識を知るだけで,現状を変えることができるのですね。

 

SDGs目標5を考えると,ターゲット5.6の達成に貢献すると考えられます。

 

ターゲット4.5
国際人口・開発会議(ICPD)の行動計画及び北京行動綱領、並びにこれらの検証会議の成果文書に従い、性と生殖に関する健康及び権利への普遍的アクセスを確保する。

出典

 

まとめ

SDGs目標5『ジェンダー平等を実現しよう』は,5Psのうち『People(人)』に関するものでした。

 

また,目標5に関する企業取り組みのダイジェストとして,

  • オムロンの誰もが自由に使えるトイレ
  • オカムラの経営層へのLGBT研修
  • ジョイフルのワンストップサービスサイトの設立

をご紹介しました。

 

こうやって企業の取り組み事例を調べていると,地に足を付けて着実に取り組んでいる様子を知ることができます。

世界は(良い方向に)変わっていくんだな。。と嬉しくなります。

SDGsの全17目標の内容と企業の取り組み事例一覧

 

SDGs関連の記事をどんどん作っていきますので,また読みに来てくださいね(^^)

SDGsの基本を知る

SDGsの取り組み事例を知る

コメント

  1. […] これは目標5(ジェンダー平等を実現しよう)と目標6(安全な水とトイレを世界中に)の達成を阻害します。 […]

  2. […] SDGs目標5【ジェンダー平等を実現しよう】を事例で実践的に理解SDGsの目標5『ジェンダー平等を実現しよう』を実践的に理解できるようにに,企業の取り組み事例を入れてわかりやすく解 […]

  3. […] SDGs目標5【ジェンダー平等を実現しよう】を事例で実践的に理解SDGsの目標5『ジェンダー平等を実現しよう』を実践的に理解できるようにに,企業の取り組み事例を入れてわかりやすく解 […]

  4. […] SDGs目標10は,SDGsの根幹を達成すべく,目標5のジェンダー問題に限らずもっと広い範囲での『不平等』を解消していきます。 […]

  5. […] 、『ジェンダー平等の推進』があります。これはSDGsの目標5の達成に貢献するものですね。 […]

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