本記事では、そういった疑問に対して、以下の内容でお答えします。
- SDGsの目標1の具体的な内容
- 企業の取り組み事例のダイジェスト
記事を読み終えると,まずはSDGsの目標1を理解できます。
また、事業提案に活かすヒントが見つかると思いますので,最後まで読んでいただけるとすごく嬉しいです。
SDGsの目標1:背景~貧困の現状

SDGsの目標1:背景~貧困の現状
国連広報センターは,以下の事実を公表しています。
- 2015年時点で7億3,600万人が極度の貧困状態(1日1.9ドル未満)にあり
- 災害による死者の90%以上は低所得国と中所得国に集中し
- 世界人口の55%は社会保障にアクセスできていない
1日1.9ドル未満で暮らす人たちが世界の10%を占めているんです。日本人の6倍近い人達がそのような状態にいて苦しんでいます。
そして,貧困はあらゆる問題を引き起こす元凶になります。
災害の被害(目標11)や社会保障(目標3)も、貧困が原因で十分なインフラにアクセスできていないことが原因です。
他にも,飢餓(目標2)や教育(目標4),安全な水やトイレ(目標6),エネルギー(目標7)なども貧困に関係していますよね。
逆の見方をすれば,貧困を解決することで複数の問題を同時に解決することができます。
だからこそ1番初めの目標に『貧困をなくそう』が掲げられているのだと思うのです。
SDGsの目標1:具体的内容
5Psの中の位置づけ

5Psの中の位置づけ
SDGsには5つの柱があり,僕は5Psと呼んでいます。
5つの柱はすべて“P”から始まるからですね。
具体的には,以下の5つです。
- People (人)
- Planet (地球)
- Prosperity (繁栄)
- Peace (平和)
- Partnership (協力)
SDGsの17個の目標は,この5Psのどれかの分野に関するものです。
目標1は貧困対策に関するものなので、『People(ひと)』に深く関係しています。
5Psについては別の記事でしっかり説明したので,興味があればぜひお読みください。

目標1~貧困をなくそう

目標1~貧困をなくそう
目標1は、『貧困をなくそう』とされていますが、英語の原文は少し違います。
End Poverty in all its form everywhere
『あらゆる形態、あらゆる場所での貧困を終わらせる』
と訳すのが良さそうです。
目標1の7個のターゲット

SDGs-目標-ターゲットの関係
SDGsには17個の目標から成り立ち,17個の目標は169個のターゲットから成り立っています。
階層構造ですね。
目標1をさらに具体的な達成目標に分解すると,以下の7つのターゲットになります。
ターゲット | 内容 |
1.1 | 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。 |
1.2 | 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、全ての年齢の男性、女性、子供の割合を半減させる。 |
1.3 | 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。 |
1.4 | 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、全ての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。 |
1.5 | 2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。 |
1.a | あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。 |
1.b | 貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。 |
次に、目標1に達成に向けて企業がどのような取り組みをしているのか、3社の事例を確認してみます。
SDGsの目標1:企業の取り組み事例
今回ご紹介するのは、以下の3社です。
- 株式会社ジモティー
- 株式会社オハナ不動産
- 株式会社Shoichi
株式会社ジモティーの取り組み

株式会社ジモティーの取り組み
ジモティーは,地域の人同士で問題を共有して補い,支え合える仕組みを提供しています。
『地元の掲示板 ジモティー』として,地域で不用品の譲り合いなどができる仕組みです。


これは便利だし廃棄物も少なくなりそう!地域への貢献度が高いね!

それだけじゃないんだよ。SDGsの目標1に関する取組みとして,ジモティーは新たなことに取り組んでいるんだ。
ジモティーは,2018年からひとり親家庭の支援を行っています。
ジモティーのユーザー調査によると,日本のひとり親家庭の約半分(約65万世帯)がジモティーを利用しているそうです。
65万世帯のひとり親家庭ということは,1家庭当たりの人数を少なく見積もって2人としても,130万人以上がひとり親家庭で暮らしています。
ひとり親家庭を支援すれば,130万人以上に対する支援になるわけです。
社会的なインパクトは大きいですよね!
ジモティーは,企業から協賛してもらった支援物資をジモティー上に掲載し,ひとり親家庭を優先に物品の受け渡し会を開催しています。
ジモティーは他にも,貧困層の自立支援を行うグラミン日本のコーポレートサポーター(✳︎)に加盟し,説明会への送客に協力しています。
グラミン日本は貧困や困窮状態にある方々に低利無担保で少額の融資を行い、生活困窮から脱却し自立することをサポートするマイクロファイナンス機関です。
グラミン日本の活動を支援するコーポレートサポーターの一覧はこちら。
株式会社オハナ不動産の取り組み
オハナ不動産は岡山県倉敷市にある会社で,以下の事業に取り組んでいます。
- 不動産売買や関連のコンサルティング
- 住宅ローン返済困難者救済のための任意売却支援
SDGsの目標1に関する取り組みは,2つめの事業『住宅ローン返済困難者救済のための任意売却支援』です。
一般的には,給与などの収入で住宅ローンを返済しますよね。
しかし,解雇,事故,病気,離婚などで継続的に給与が入ってこなくなったら,ローンを返済できなくなってしまいます。

住宅ローン返済困難者の発生(例)
返済が止まってしまい競売にかけられて安く買われてしまい,多額のローンだけが残ることもあります。
消費者金融から借りたお金でローンを返済しようとして,逆に借金が膨らんでしまうことも。
貧困への道を歩んでしまうことになります。
オハナは,『任意売却』(※)を行うことで金融機関に住宅ローンの返済を停止してもらうとともに,市場価格に近い価格での売却を実現します。
そうすることで,貧困の連鎖を未然に防いでいます。
任意売却とは,住宅ローンを借りている金融機関の同意を得て不動産を売却することです。一方,金融機関が強制的に売却する場合は競売と言われ,競売はデメリットが多いです。

株式会社Shoichiの取り組み

株式会社Shoichiの取り組み
株式会社Shoichiはアパレル会社で、処分される在庫を再び商品として流通させる事業に特化しています。
売れ残った衣服は、何もしなければ可燃物として廃棄され、焼却によって二酸化炭素を排出して終わります。
しかし売れ残っただけであって、未使用で綺麗な衣服には商品価値がある、と立ち上がったのがShoichiです。
Shoichiが取り組む『TASUKEAI 0 PROGECT』では、日本で売れ残った未使用の衣服をASEAN諸国で安価に販売しています。
例えば、カンボジアのアパレルマーケット『Pencil』や,マレーシアの『COLORS』などで取り扱っています。
衣服の売上の一部は,恵まれない子供たちの教育資金等として寄付されています。
まとめ:3社は事業の中で確実に目標1に取り組んでいた
本記事の内容をまとめます。
SDGsの目標1『貧困をなくそう』は,5Psのうち『People(人)』に関するものでした。
また,目標1に関する企業の取り組みのダイジェストとして,
- ジモティー
- オハナ不動産
- Shoichi
の3社をご紹介しました。
本記事が参考になったのなら嬉しいです。
コメント
[…] インドネシアでは貧富の格差が凄まじく、目標1の記事でも触れましたが、1日1.9ドル未満で生活する人たちも珍しくありません。 […]
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[…] まずは,目標1『貧困をなくそう』だと思います。具体的にはターゲット1.2ですね。 […]