✔ 簡単に読めて,内容がまとまっている記事があればベター
✔ 取り組みとSDGsのつながりをしっかり理解しておきたい
そんなあなたに向けて記事を書きました。
本記事では,以下の情報をわかりやすくまとめて解説します。
- 日産自動車(Nissan)の取り組み事例の全体像
- 日産の個別の取り組みとSDGsとの関係
読み終えたら,自動車業界における企業の取り組み事例をあなたの中に1つ蓄積できますよ(^^)
ぜひお役立てください。
日産自動車(Nissan)とはどんな会社?

日産自動車(Nissan)とはどんな会社?
日産自動車(Nissan)は,日本を代表する自動車メーカーです!
カルロス・ゴーン氏のことを書き出すと収拾がつかなくなるので,ここでは触れません。
日産は,車好き(走り屋?)にとっては,伝説的な名車を生み出してくれた日本の雄なんです。
それは,スカイラインGT-Rです。

ジャパニーズ・スーパー・カーの代名詞と言っても過言ではないほどに作りこまれた芸術作品です。
語り出すと長くなりそうなので,自粛します。
さて,日産の創業年は1933年です。
日産の歴史については,公式ページに譲ります。
1933年はこんなことが起きた年です↓
- ヒトラーがドイツの首相に就任
- 高島屋日本橋店が開業
- ドイツが国際連盟を脱退
- アインシュタインがアメリカに亡命
- 映画『キングコング』が公開
- オノ=ヨーコさんや高木ブーさんが生まれる
キナ臭い事件が多発していた時代でした。
富士通のときも『キナ臭い』と思いましたが,富士通の創業と2年違いですから無理もありませんね。
そんな中でのオノ=ヨーコさんも高木ブーさん誕生。。一気に平和感が出てきますね。
日産自動車(Nissan)のSDGsに対する取り組み
日産の取り組みの全体像

日産の取り組みの全体像
日産は,サステナビリティに関する活動として,ESGの分類で取り組んでいます。

ESGにしっかり取り組むことで,『ゼロ・エミッション』と『ゼロ・フェイタリティ』の2つを達成し,最終的には同社のビジョンである『人々の生活を豊かに』を達成するとしています。
他にもJALや花王もESGの観点からSDGsへの取り組みを整理していますね。

ゼロ・エミッションは聞いたことはあるけど,ゼロ・フェイタリティって何?

2つとも説明しておくね。
日産のサステナビリティ・レポート2019によると,以下の通りの意味になるよ。
世界的に定義が決まっているわけではないから,あくまで日産が使う意味合いだね。
✔ ゼロ・フェイタリティ:日産が関わる交通事故の死者数がゼロ
ESGに沿った日産の取り組みは,NISSAN GREEN PROGRAM 2022(NGP2022)に沿っており,ざっと列挙すると以下の通りです。
■環境(Environment)
- 新車からのCO2排出量を、2022年度までに2000年度比で40%削減
- 生産や企業活動から排出されるCO2排出量を、2022年度までに2005年度比で30%削減
- 新規採掘資源への依存(新材料の使用)を、2022年度までに70%に低減
- クルマの生産工程で排出される化学物質である揮発性有機化合物(VOC)の低減
- グローバル生産拠点における台当り取水量を、2022年度までに2010年度比で21%低減
■社会性(Society)
(交通安全)
- 日産車が関わる死者数を実質ゼロにすることを究極の目標に
(ダイバーシティとインクルージョン)
- 管理職の女性比率を、2023年4月1日までにグローバルで16%、日本で13%まで増加
■ガバナンス(Governance)
(ガバナンスとコンプライアンス)
- より一貫性のあるコンプライアンス体制を整備するため、三層構造の監査体制を順次導入
- 各リージョンの拠点に独立した専任コンプライアンス・オフィサーを設置し、グローバルなコンプライアンス体制を強化
- 行動規範違反や不正、そしてあらゆる問題の内部通報制度「スピークアップ」を通じ、迅速に報告内容を精査・対応
参考資料はこちら↓↓↓

本記事では、厳選した以下の3つの取り組みをご紹介します。
- SDGs目標3:高速道路の逆走を報知するシステムの開発
- SDGs目標12:リビルドパーツの拡大
- SDGs目標16:腐敗防止のマネジメント
【SDGs目標3】高速道路の逆走を報知するシステムの開発

【SDGs目標3】高速道路の逆走を報知するシステムの開発
取り組み詳細
日産のSDGsに対する取り組み『高速道路の逆走を報知するシステムの開発』を説明します。
年間200回以上,高速道路での逆走が発生しています。

高速道路では100km/h近いスピードを出して走っているので,逆走で事故が起きたら,直視できない状態になることは間違いありません。
100km/h同士で正面衝突したら,相対速度200km/hですからね?
ペシャンコです。。。
痛ましい事故を未然に防ぐために,日産は⻄⽇本⾼速道路株式会社(NEXCO⻄⽇本)との共同研究により,逆走を素早く検出してドライバーに知らせるシステムを開発しました。
イメージはこんな感じ↓です。

高速道路の逆走報知システムのイメージ
(画像は同社Webサイトより)
音声とナビゲーション画像の両方で注意してくれるので,ドライバーは気付きやすいですね!
カーナビを作っているパイオニアにもライセンスを供与したので,パイオニア製のカーナビを搭載している車も,逆走報知機能を使えるわけです。

自社だけで抱え込まずに,広く普及させて多くの人の安全を守る。
その姿勢もまた,素晴らしいですね。
SDGsとの関係

SDGsの目標3-すべての人に健康と福祉を
日産の『高速道路の逆走を報知するシステム』の開発と普及は,SDGsの目標3の達成に貢献しています。
具体的には,ターゲット3.6に該当すると考えられます。
逆走で正面衝突でもしたら,死亡する確率は大幅に上がりますから,未然に防ぐことで『死傷者を半減する』ことに貢献します。
2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。
【SDGs目標12】リビルドパーツの拡大

【SDGs目標12】リビルドパーツの拡大
取り組み詳細
日産のSDGsに対する取り組み『リビルドパーツの拡大』を紹介します。
資源循環に関する概念に3R(スリー・アール)がありますが,ご存知でしょうか。
優先順位の高い順に,以下の通りとなっています。
- Reduce(リデュース):そもそも廃棄物として出るものを買わない,長く使える製品をつくる,etc.
- Reuse(リユース):廃棄物とするのではなく,繰り返し使う
- Recycle(リサイクル):別のものに再生して使う
日産が行うRebuild(リビルド)は,例えば部品に入っているフィルタや油,消耗したギヤなどを取り替えて整備し直すことです。
3Rの中ではReuse(リユース)に近い概念だと思います。

資源循環の3R
日産は洗浄して品質を確認したReuse(リユース)品とRebuild(リビルド)品を『ニッサングリーンパーツ』として,2022年までに2016年比で種類を2倍に増やすことを目指しています。
車のパーツは耐久性の高い素材で作られているものも多いので,少し手を加えてあげれば,また現役で活躍できるわけですね。
SDGsとの関係

SDGsの目標12-つくる責任つかう責任
日産のリビルドパーツの拡大は,SDGsの目標12の達成に貢献しています。
具体的には,ターゲット12.5だと考えられます。
リビルド品にすれば,廃棄されるのは消耗品などのごく一部です。
『廃棄物の発生を大幅に削減する』ことにつながりますね!
2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
【SDGs目標16】腐敗防止のマネジメント

【SDGs目標16】腐敗防止のマネジメント
取り組み詳細
日産て,腐敗防止のマネジメントをやっていたんですね!
いやぁ。。それは知らなかったなぁ。。www
カルロスは?
Mr.ゴーンは?!
思いっきり会社資金を私的流用していますけど?!

起きてしまったことは仕方がないので,淡々と内容を紹介しますね。
日産は,『日産グローバル腐敗防止ポリシー』を定めており,違反は許さないそうです。
ただ,国や地域によっては,袖の下が商習慣になっている場合もあるので,線引きが難しいことは日産も認めています。
日々の取り組みとしては,グローバル行動規範を軸として,すべてのグループ企業が独自の行動規範を導入し,完全に理解できるように教育を行っています。
他にも以下の基準を定めているようです。
- 社内決裁基準
- グローバル内部者取引防⽌管理規程
- 個⼈情報管理規程
- 情報セキュリティポリシー
- ⽇産グローバル賄賂防⽌ポリシー
- グローバル・ソーシャルメディア・ポリシー etc.
2018年には贈収賄の疑いのある事案が1件発見されたのですが,社内調査と外部専門家との連携により,関与者を懲戒処分したとのこと。
規律を保つために,信賞必罰は必要ですね。
SDGsとの関係

目標16~平和と公正をすべての人に
日産の腐敗防止のマネジメントは,SDGs目標16の達成に貢献します。
具体的には,ターゲット16.5です。
ルールを作り,従業員の教育によってルールを染み込ませ,違反した場合には罰する。
確かに効果はありそうですね。
あらゆる形態の汚職や贈賄を大幅に減少させる。
参照:サステナビリティレポート2019のP.212
まとめ
本記事では,日産自動車(Nissan)のSDGsに対する取り組みを紹介しました。
- 取り組みの全体像
日産は,ESG(環境、社会、ガバナンス)の区分でSDGsへの取り組みを整理しています。
本記事では,ESGの各区分から具体的な取り組みを1つずつピックアップし,以下の3つを紹介しました。
- 【SDGs目標3】高速道路の逆走を報知するシステムの開発
NEXCO西日本と共同で開発し,パイオニアにもライセンスを供与。
音声とナビゲーション画像でドライバーに注意喚起を行う。
- 【SDGs目標12】リビルドパーツの拡大
消耗品を交換して再利用するリビルドパーツを拡大。
洗浄と品質確認のみのリユースパーツと合わせた『ニッサングリーンパーツ』の種類を2016年→2022年で2倍に拡大する計画。
- 【SDGs目標16】腐敗防止のマネジメント
『日産グローバル腐敗防止ポリシー』を始めとした基準を作り,教育によって染み込ませ,違反には厳正に対処。
以上です。

『この会社の取り組みはSDGs的にどうなの?』っていうものがあったら,ぜひコメントでお知らせくださいね~!

そうそう!僕が分析して,SDGsとのつながりをブログで解説しますよ^^
他にも,『SDGsのここがわからない』『もっと詳しく知りたい』『こんにちは』など,コメントをいただければすごく嬉しいです!
【参考】
- 自動車業界の他の企業の取り組みはこちら↓
- 企業や個人の取り組みカテゴリートップはこちら↓
- 制度全般カテゴリートップはこちら↓
コメント
[…] 【日産自動車×SDGs】企業の取り組み事例をわかりやすく解説!SDGsに対する企業の取り組み事例,今回は『日産自動車(Nissan)』の取り組みをまとめました!特に,取り組みとSDGsとの関 […]