✔ 簡単に読めて,内容がまとまっている記事がいい
✔ 取り組みとSDGsのつながりをしっかり理解しておきたい
そんなあなたに向けて、本記事では以下の情報をわかりやすくまとめて解説します。
- 三菱ケミカルの取り組み事例の全体像
- 三菱ケミカルの個別の取り組みとSDGsとの関係
三菱ケミカルは正しくは『三菱ケミカルホールディングス』ですが,煩雑なので『三菱ケミカル』と記載しますね。
本記事を読み終えたら,化学業界における企業の取り組み事例の理解がまたひとつ深まりますよ(^^)
ぜひお役立てください。
他の業界についても,主要企業の取り組みをまとめていますので,参考にしてもらえたらうれしいです。
SDGs達成に向けた三菱ケミカルの取り組み
本記事では、以下の3つに絞って三菱ケミカルの取り組みをご紹介します。
【目標3】新型コロナウィルス感染症対策への製品による貢献

【目標3】新型コロナウィルス感染症対策への製品による貢献
取り組み詳細
三菱ケミカルのSDGsに向けた取り組み『新型コロナウイルス感染症への製品による貢献』についてご紹介します。
三菱ケミカルでは、『化学の力で地球を救う』というミッションで『KAITEKI実現』をビジョンに掲げています。
同社は,数年に渡り猛威を振るう新型コロナウイルスにより、医療のひっ迫が起きているのを目の当たりにし、化学の持つ多様性や柔軟性を活かすことで、貢献ができないかと考えました。
そこで,厚生労働省の指導を受けながら、雨合羽を改良して接触感染リスクの低減を目指すプラスチックガウンやフェイスシールドなどを製造しました。
顔が見える安心感を伴いながら感染防止に役立つフェイスシールドについては、医療機関への寄付や供給をいち早く行っています。
その他,こんな製品を作りました。
- 『ハイセロン™』製ランドリーバッグ
- アクリル板『アクリライト™』製パテーション
- 受水槽『ヒシタンク™』
- 抗菌・防カビシート『ワサオーロ™』
- アンチウイルススプレー
- アンチウイルスウェットタオル

新型コロナ対策のプラスチック製品(一部)
(画像は三菱ケミカルWebサイトより)

ワサオーロ??ヘンテコな名前だな。

そのくらいインパクトのある名前のほうが覚えてもらいやすいんだろうね!
また『知的財産に関する新型コロナウイルス感染症対策支援宣言』への参画をしており、蔓延終結を目的とした行為に対しては、対価や補償を求めず、特許権・実用新案権・意匠権・著作権の権利行使を行わない宣言をしています。

これってどういうこと?

例えば、ワサオーロに特許権があるとしても、その特許権を侵害した会社が『コロナ収束のために使います』ということであれば、訴えたりライセンス料を要求したりしないってことだね。

コロナ収束のために、自社の知的財産権を使うってことか。。なかなか粋な計らいだね!
SDGs目標3との関係

SDGs目標3との関係
熱エネルギー循環の取り組みは、SDGsの目標3の達成に貢献しています。
具体的には、ターゲット3.3だと考えられます。
2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。
新型コロナウィルスは『その他の感染症』に該当しますね!
【目標6】ケニアにおける水浄化および農業振興事業
取り組み詳細
三菱ケミカルのSDGs達成に向けた取り組み『ケニアにおける水浄化および農業振興事業』についてご紹介します。
グループ会社である三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(MCAS)では、世界の多くが安全な給水ライフラインがない問題を抱えているのに対して、解決するための活動を20年以上前から続けています。
安全な水の確保があれば、例えば以下のような多くの恩恵を受けられますからね。
- 生命の保証や感染症拡大防止
- 乳幼児死亡率の低下
- 貧富の格差解消
- 教育の機会創出
- 地域の経済発展
水の利用を考えた時、海水と淡水に分けられます。
海水を淡水化することもできますが、エネルギーが必要なので、できれば淡水をそのまま利用したいですよね。
ところが、地球上の淡水は全体の2.5%しかないそうです(残りは海水)。
MCASは、淡水の中でも豊富な地下水(全体の0.76%)に着目し、分散型の水処理・給水システムを活用して必要な水を供給しています。

分散型の水処理・供給システム
(画像は三菱ケミカルWebサイト)
具体的な事業では、国連開発計画(UNDP)との共同事業として、ケニア東部州に浄水を供給する事業を展開しています。
ケニアの現地では電力がないため、近隣の運河から動力不要でメンテナンスも容易な緩速ろ過装置を設置し、清浄な淡水を供給しています。
浄水の供給だけでなく、農業振興にも注力しました。
地元住民の経済的自立、教育の機会創出を実現していると共に、栄養価の高い伝統野菜を作れることで住民の健康状態が改善されています。
SDGs目標6との関係

SDGs目標6との関係
知的財産の尊重と保護の取り組みは、SDGsの目標6の達成に貢献しています。
具体的には、ターゲット6.4だと考えられます。
2030年までに、全セクターにおいて水利用の効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。
MCASの設備で淡水供給を行うことで、水不足を改善したでしょうし、水不足に悩む人々の数は確実に減ったはずです。
【目標11】構造物補修·補強用炭素繊維シート『リペラーク™』

【目標11】構造物補修·補強用炭素繊維シート『リペラーク™』
取り組み詳細
三菱ケミカルのSDGsに向けた取り組み『リペラーク™』についてご紹介します。
グループ会社である三菱ケミカルインフラテックでは、土木用途として河川改修や道路・橋梁の補強などインフラの強化に関する材料を提供しています。
近年の自然災害を受け、インフラ整備の遅れている国や地域の人的被害だけでなく、経済的被害も起きているため、社会課題に対応するべく製品やサービスを通して貢献しているのです。
『リペラーク™』は、軽量であり高強度、高弾性の特徴を持つ炭素素材を活用した、鋼・コンクリート用の補修・補強材料です。
シート状のリペラーク™️やプレート状のeプレート,棒状のリードライン™が同様の製品としてあります。

リペラークなどの補強材
(画像は三菱ケミカルWebサイトより)
こうした炭素補強材料は,作業現場における資材の運搬や取り扱いが容易であり、搬入や取り付けが困難な狭い場所での補修が可能、また重量増加がほとんどないため構造体の負荷が低減できるというメリットがあります。
また,製品の汎用性から,日本国内ならず、東南アジアや欧州でも活用され始めている素材です。
鳥取県にある源太橋の補強を行った平成26年度ごろの施工工事では、床版補強の工法が採用され、従来工法より費用を半減させたことも評価されて、土木学会田中賞を受賞しました。

SDGs目標11との関係

SDGs目標11との関係
レア·アースマグネットの取り組みは、SDGsの目標11の達成に貢献しています。
具体的には、ターゲット11.bだと考えられます。
2020年までに、包含、資源効率、気候変動の緩和と適応、災害に対する強靱さ(レジリエンス)を目指す総合的政策及び計画を導入・実施した都市及び人間居住地の件数を大幅に増加させ、仙台防災枠組2015-2030に沿って、あらゆるレベルでの総合的な災害リスク管理の策定と実施を行う。
建造物の補強は,災害時の倒壊・損壊のリスクを低減しますので,『災害に対する強靭さ』を増すことになります。
まとめ
本記事では,三菱ケミカルのSDGsに対する取り組みを紹介しました。
具体的な取り組みは以下の3つです。
- 【SDGs目標3】新型コロナウィルス感染症対策へ『製品による貢献』
感染予防につながるガウンやフェイスシールドを製造,販売。
- 【SDGs目標6】ケニアにおける水浄化および農業振興事業
無動力の淡水供給システムをケニアに設置し,淡水供給だけでなく農業振興にも尽力。
- 【SDGs目標11】構造物補修·補強用炭素繊維シート『リペラーク™』
強靭な炭素繊維製の補強材を建築構造物に施工。
さすがは三菱ケミカル。
やることのスケールが大きいしグローバルですね!
コメント
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