✔ 簡単に読めて,内容がまとまっている記事がいい
✔ 取り組みとSDGsのつながりをしっかり理解しておきたい
そんなあなたに向けて、本記事では以下の情報をわかりやすくまとめて解説します。
- 鹿島建設の取り組み事例の全体像
- 鹿島建設の個別の取り組みとSDGsとの関係
本記事を読み終えたら,建設業界における企業の取り組み事例の理解がまたひとつ深まりますよ(^^)
ぜひ参考にしてくださいね。
他の業界についても,主要企業の取り組みをまとめていますので,参考にしてもらえたらうれしいです。
SDGs達成に向けた鹿島建設の取り組み
本記事では、以下の3つに絞って鹿島建設の取り組みをご紹介します。
- 【SDGs目標7&目標13】秋田港・能代港洋上風力発電施設建設工事
- 【SDGs目標9】複合施設『HANEDA INNOVATION CITY』
- 【SDGs目標16】『サプライチェーン行動ガイドライン』
【目標7&13】秋田港・能代港洋上風力発電施設建設工事

【目標7】秋田港・能代港洋上風力発電施設建設工事
取り組み詳細
鹿島建設のSDGsに向けた取り組み『秋田港・能代港洋上風力発電施設建設工事』についてご紹介します。
鹿島グループでは、環境と経済が両立する持続可能な社会の実現に向けて、鹿島環境ビジョン『トリプルZero2050』を掲げています。

トリプルZero2050
(出典:鹿島建設Webサイト)
『トリプルZero2050』とは,脱炭素、資源循環及び自然共生の分野で,2050年までに所定の環境指標をゼロにするものです。
日本政府が宣言した『2050年カーボンニュートラル』での脱炭素化社会に向けての活動も、『トリプルZero2050』の脱炭素のカテゴリーにおいて,施工CO2排出量の削減という視点で組み込んでいます。
その中の一つが、『秋田港・能代港洋上風力発電施設建設工事』です。
風力発電設備といえば、日本では丘の上に立つ風車はあっても、海の上に立つ風車(洋上風力発電設備)はほとんどありませんでした。
あったとしても、国などの補助を元に実証実験が行われた後、民間に引き渡されたものに限られていたんです。
それほど難しい技術を必要としていた洋上風力発電ですが、秋田の事業では、国内で初めて計画段階から民間企業が入った事で、最初から商業ベースで開発・事業化を行うことができました。
地盤調査やウィンドファーム認証のための基本設計段階から積極的に参加し、秋田港と能代港の港湾区域内に風車を33基新設しています。
発電容量は国内最大規模の140MWで、モノパイルと言われる支柱で海底から支える着床式の風車を使用しています。

モノパイルでの着床式風車のイメージ
(画像:鹿島建設Webサイト)
軟弱地盤や岩盤が混在する日本の海底地盤条件には、必ずしも最適とは言えませんでしたが、施工方法を工夫すれば可能な場面も出てくることが分かっています。
計画当初から民間企業が入ったことで、実現したと言えるかもしれません。
需要の高まりが予想される再生可能エネルギー関連の工事への対応を強化し、低炭素社会への移行に貢献していくと宣言されています。
SDGs目標7との関係

SDGs目標7との関係
熱エネルギー循環の取り組みは、SDGsの目標7の達成に貢献しています。
具体的には、ターゲット7.2だと考えられます。
風力は正真正銘ど真ん中の再生可能エネルギーですから、再エネ割合拡大への貢献は確実ですね!
SDGs目標13との関係

SDGs目標13との関係
もう一つは、SDGsの目標13に貢献しています。
具体的にはターゲット13.3です。
気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。
風力発電設備が増えて再エネ割合が拡大すれば、温室効果ガスの排出量が減ります。
気候変動の緩和につながるわけですね。
【目標9】複合施設『HANEDA INNOVATION CITY』

【目標9】複合施設『HANEDA INNOVATION CITY』
取り組み詳細
鹿島建設のSDGsに向けた取り組み、複合施設の『HANEDA INNOVATION CITY』についてご紹介します。
鹿島グループでは、社会への影響度が大きく、グループにおける重要度が高い課題として取り組むべきマテリアリティを特定しました(参照)。
社会に対する重要課題の中では、地域社会の活性化と、都市機能の高度化が制定されています。
これらの課題への取り組みとして、『先端』と『文化』を融合させた、新たなまちづくりがスタートしたのです。
羽田空港跡地第1ゾーン整備事業を遂行するために出資企業9社が集結し『羽田みらい開発株式会社』を立ち上げ、プロジェクトを推進。
天空橋駅に直結する大規模複合施設『HANEDA INNOVATION CITY』が2020年9月より開業しています。

民間の羽田みらい開発株式会社と自治体である大田区が官民連携で開発しているコア産業であり、世界をリードする国際産業の拠点となるべく、新業態や日本初の店舗が集積しています。
また、先端技術の驚きと日本文化の美しさに触れるイノベーションコリドー(共用空間)には、人工知能を用いたBGMや日本庭園の配植をモチーフにした植栽、花札の絵柄をベースにした現代アートの要素を加えた花燈籠などがあります。
デンソーなどのバリバリの技術開発エリアがある一方で、アートエリアやライブハウス(Zepp HANEDA)が共存している不思議な施設です。
動画で紹介してくださっている人がいるので、参考までに貼っておきますね。
SDGs目標9との関係

SDGs目標9との関係
HANEDA INNOVATION CITYの取り組みは、SDGsの目標9の達成に貢献しています。
具体的には、ターゲット9.5だと考えられます。
2030年までにイノベーションを促進させることや100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させ、また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとする全ての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる。
イノベーションには、新しい発想が重要です。
研究開発拠点だけではなく、アート空間など異分野との共存によって、従来にはない着想を得られることは、様々なイノベーション学でも語られていることですし、僕も身をもって実感しています。
HANEDA INNOVATION CITYには、イノベーションを起こす環境が整っているといえます。
【目標16】『サプライチェーン行動ガイドライン』

【目標16】『サプライチェーン行動ガイドライン』
取り組み詳細
鹿島建設のSDGsに向けた取り組み、『サプライチェーン行動ガイドライン』についてご紹介します。
SDGsを行う上で、事業が継続して行われることはとても重要な課題です。
どれだけ素晴らしい技術開発や、革新的な経営をしていたとしても、継続できなければ、社員の労働場所の確保や社会に対して貢献し続けることが出来ません。
鹿島グループでは、経営理念として『全社一体となって、科学的合理主義と人道主義に基づく想像的な進歩と発展を図り、社業の発展を通じて社会に貢献する』としています。
時代は移り行くものだからこそ、変化に対応するためには、コンプライアンスの徹底やリスク管理などの施策が必要です。
パートナーである取引先とも、相互理解や信頼関係に基づいて、持続可能なサプライチェーンを構築し、経営理念及び鹿島グループ企業行動規範に則した企業行動を実践。
『サプライチェーン行動ガイドライン』を制定し、全社や取引先全般に対して取り組んでいます。
違背する事態が生じた場合についての対応も定めており、是正措置や原因究明、再発防止に向けた指導や支援の流れが整っています。
SDGs目標16との関係

SDGs目標16との関係
サプライチェーン行動ガイドラインの取り組みは、SDGsの目標16の達成に貢献しています。
具体的には、ターゲット16.5だと考えられます。
あらゆる形態の汚職や贈賄を大幅に減少させる。
ガイドラインの2番目には贈収賄を禁ずる規定がありますので、遵守できればターゲット16.5の達成にダイレクトに貢献できますね!
まとめ
本記事では,鹿島建設のSDGsに対する取り組みを紹介しました。
具体的な取り組みは以下の3つです。
秋田沖で、33基・140MWの着床式洋上風力発電設備を建設。
- 【SDGs目標9】複合施設『HANEDA INNOVATION CITY』
羽田空港近くに、アートや音楽との共存を実現した研究開発拠点を建設。
- 【SDGs目標16】『サプライチェーン行動ガイドライン』
自社の商取引をルールを定めたガイドラインを発効。
建設業界はダークな一面も捨て切れなかった業界ですが、変わっていってくれることを心から願っています。
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