✔ 簡単に読めて,内容がまとまっている記事がいい
✔ 取り組みとSDGsのつながりをしっかり理解しておきたい
そんなあなたに向けて、本記事では以下の情報をわかりやすくまとめて解説します。
- 味の素の取り組み事例の全体像
- 味の素の個別の取り組みとSDGsとの関係
本記事を読み終えたら,食品業界における企業の取り組み事例の理解が深まりますよ(^^)
ぜひお役立てください。
味の素の小ネタ

味の素の小ネタ
本題に入る前に小話をひとつ。
僕は弁理士でもあるので、知的財産の観点から味の素を見てみます。
『味の素』と聞くと『ア ジ ノ モ ト🎵』という音階付きのフレーズを思い浮かべるかもしれません。
実はこの『ア ジ ノ モ ト🎵』は、商標登録がなされているのです。
以前は音の商標は登録の対象になっていませんでしたが、最近の法改正で登録できるようになったんです。
商標の本来の意味は、他の商品やサービスと識別することなので、音声だろうが色だろうが、識別力を持っていれば商標登録に値するというわけですね。
商業形態が急速に多様化しているので、商標法の改正も大変です。
では、本題に入ります。
味の素のSDGsに対する取り組み
本記事では、以下の3つに絞って味の素の取り組みをご紹介します。
- 【目標2】ベトナムの学校給食プロジェクト
- 【目標8&9】工場を3Ⅾデータ化するPLANTAXIS
- 【目標12】食エコ意識革命
【目標2】ベトナムの学校給食プロジェクト

【目標2】ベトナムの学校給食プロジェクト
取り組み詳細
味の素のSDGsに向けた取り組み『ベトナムの学校給食プロジェクト』についてご紹介します。
日本の学校では、当たり前のように毎日安全に提供されている給食。
日本では『学校給食法』でガイドラインが定められているので、栄養バランスや調理の工夫がされていて、世界でも注目を集めています。
ベトナムでは、給食についての決まりがないため、十分な給食を食べられない農村部では、低身長や低体重の子供が多く、栄養不足が見受けられます。
一方の都市部では、肥満や高体重の子供が多く、栄養バランスに偏りがあることが明白です。
味の素では、栄養課題の解決に取り組むため、ベトナムの教育訓練省や保健省と共に、日本の学校給食システムを応用したプロジェクトを発足しました。
モデルキッチンを設置し、食育教材の提供、献立ソフトの活用などを推進し、2017年度末までに2910校が導入できました。
また、根本的な課題として、栄養に関する正しい知識を持った人が少ないことが挙げられたので、政府への働きかけにより、栄養士の育成コースがハノイ医科大学に創設されました。
その結果、2017年には国内初の栄養士が誕生したのです。

国内初の栄養士の誕生へ
僕もインドネシアで暮らしていた頃、栄養の偏りが気になっていました。
文化もあり、現地の人の体に合うのかもしれませんが、もう少しなんとかならないかな。。。と思っていたのも事実です。
味の素の取り組みによって、栄養に関する適切な知識が全世界に広がるとうれしいですね。
SDGs目標2との関係

SDGs目標2との関係
ベトナムの学校給食プロジェクトの取り組みは、SDGsの目標2の達成に貢献しています。
具体的には、ターゲット2.1だと考えられます。
学校給食のシステムは子ども向けですが、就学世代の子どもはまだ自活できないため『脆弱な立場にある人々』に該当すると考えられます。
学校は一年の多くを過ごす場所であり、栄養士も増えてきているので、『一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られる』に該当すると思います。
【目標8&9】工場を3Ⅾデータ化するPLANTAXIS®

【目標8&9】工場を3Ⅾデータ化するPLANTAXIS®
取り組み詳細
味の素のSDGsに対する取り組み『PLANTAXIS®』についてご紹介します。
味の素グループは、人手不足やノウハウ伝承の難しさなど、工場が抱える問題へチャレンジし、サブスクリプション型の全く新しいビジネスモデルを開発しました。
『PLANTAXIS®︎』では、工場の建物だけでなく、レイアウトや機械など全てをスキャン・データ化し、クラウド上で3Dデータの工場を再現します。
建物、設備内など全ての詳細データを映像と紐づけする事で、誰でも画面で工場内を見て回れるシステムを構築したのです。
おかげで、工事や点検履歴なども閲覧でき、補修時期や次回点検、レイアウト変更なども画面上で検討が可能になりました。
工場の改修や補修に必要な現場測量も3Dデータで可能になったので、現場による確認の手間が省けます。
味の素は、自社工場の建設、操業、メンテナンス等で溜まってきたノウハウをPLANTAXIS®︎に反映し、外販しているのですね。
同じ課題を抱える工場はたくさんあるはずなので、業界の垣根を超えて効率化が進んでいくでしょう。
SDGs目標8との関係

SDGs目標8との関係
味の素のPLANTAXIS®への取り組みは、まず、SDGsの目標8の達成に貢献しています。
具体的には、ターゲット8.2だと考えられます。
高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。
機械化・自動化されていない食品製造(お惣菜づくりなど)は『労働集約型セクター』に該当すると考えられます。
PLANTAXIS®︎によって設備が使いやすくなり、少ない労力で製造できるようになれば、『高いレベルの経済生産性を達成』できると考えられます。
SDGs目標9との関係

SDGs目標9との関係
味の素のPLATAXIS®︎によるサービスは、SDGs目標9にも貢献します。
具体的にはターゲット9.5です。
2030年までにイノベーションを促進させることや100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させ、また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとする全ての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる。
僕も3Dデータで工場内を見たことがありますが、当時は技術革新に驚いたものです。
しかし、ここからだと思うんですよね。
2次元のディスプレイで3次元のものを見るのはつらい。
3次元のものを見るためには、VRゴーグルなどで自分も3次元の中に入った方が見やすいと思うんです。
これまではディスプレイで3Dデータを見せる段階でしたが、これからは3Dデータの中に人間の感覚が入っていく時代だと確信しています。
なので、PLANTAXISなどで3Dデータが当たり前のように使われるようになると、次の段階に進むためにターゲット9.5の『全ての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる。』が必然的に起きると僕は考えています。
【目標12】食エコ意識革命

【目標12】食エコ意識革命
取り組み詳細
味の素のSDGsに対する取り組み『食エコ意識革命』についてご紹介します。
味の素は食をサポートする企業として、環境長期ビジョンにて『2050年までに製品ライフサイクルでフードロスを半減する』目標に向けて取り組んでいます。
世界の人口は増え続けており、2050年には今よりも食料を60%増産しないといけない計算です。
一方で、年間13億トンものフードロスが発生しており、食糧難に苦しむ国も多くあります。
この矛盾を解消するため、味の素は一人一人の考え方や行動を変化させ、食エコに取り組むことで改善すると考えているのです。
『食卓から始めるエコ活動=食エコ』では、6つのアクションに取り組んでいます。
- 食材をムダなく使い切る
- ナイスリメイクで食べきる
- 調理・片づけを工夫する
- エコな食材や商品を選ぶ・自分で育てる、おいしく食べる
- 昔からの知恵を学ぶ
- 感謝しておいしく食べる
『味の素 食エコKIDs賞』を実施し、子どもたちが食エコ活動を紹介する場を設けています。
SDGs目標12との関係

SDGs目標12との関係
味の素の食エコ意識改革への取り組みは、SDGsの目標12の達成に貢献しています。
具体的には、ターゲット12.3だと考えられます。
2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。
説明するまでもなく、食エコの取り組みは食品ロスを減らすことにつながりますね。
まとめ
本記事では,味の素のSDGsに対する取り組みを紹介しました。
具体的な取り組みとして,以下の3つを紹介しました。
- 【SDGs目標2】ベトナムの学校給食プロジェクト
ベトナム政府に働きかけて栄養士の養成家庭を作るなど、ベトナムの栄養事情の改善に貢献。
自社工場のノウハウを反映させたPLANTAXIS®︎を外販(サブスクリプション型で)し、他社の効率化に貢献。
- 【SDGs目標12】食エコ意識革命
フードロスに関する情報発信や、子どもたちの取り組みを紹介する場を設置。
参考になったらうれしいです。
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