SDGs(読み方は、エス・ディー・ジーズ)に対して、どのように取り組んだらいいのかが分からない。。。
そのような悩みを持っている人たちは多いと思います。
この記事を読んでくださるあなたも、SDGsの実践に関する何かしらのヒントを求めているのではないでしょうか?
実は僕もです。

自分が勤める企業でもSDGsに絡めた施策を提案していこう!
なんて息巻いても、

実際のところ、何をしたらSDGsの達成につながるのだろう。。?
って思いませんか?
そういう時は、世界そして日本において、どのような取り組みがなされているのか、事例を見ていくことにしましょう^ ^
事例を知ることで、

なるほどね、大体こんな感じなんだ!
って感覚が分かれば、
- 自社の行動計画に盛り込むなり、
- 投資先を検討するなり、
具体的な行動につなげやすくなりますよね。
SDGsに関して根本的なところから記事を作りました。良ければ参考になさってくださいね^^




さて、今回紹介するのは、アクセンチュアの事例です。
アクセンチュアとは?
アクセンチュアは、コンサルティング会社です。
それも、外資で,世界的な、超ド級の。
頭脳集団ですね。
コンサルティング業界の中でも大手の会社で、全世界にネットワークがあります。
↓アクセンチュアの企業概要を知りたい方は,ホームページへ。

コンサルティング会社を大きく分けると、
- 特化型(戦略だけ,人事だけ,オペレーションだけ,など,専門に特化)
- 総合型(専門を特定せず広くやる)
がありますが、アクセンチュアは総合型です。

アクセンチュアは大手外資の総合コンサルティング会社
一言で言えば、
世界的な大手外資総合コンサルティング会社
という表現がしっくりきますね。
アクセンチュアにおけるSDGs推進の位置付け
アクセンチュアは、SDGsの達成にかなり意欲的です。
というのも、専門のプログラムを立ち上げてしまったのです。
その名も、
です!
SDGs 統合推進プログラムの位置付けを見てみます。
アクセンチュアは、現代における新しい競争戦略として、
- Growth(成長)
- Profit(利益)
- Sustainability(持続性)
を組み入れた「GPSモデル」を提唱しています。
アクセンチュアはコンサルティング会社なので、クライアント企業の競争戦略を提案するときも「GPSモデル」が重要になると思いますが、自社に関してもGPSモデルは重要となるはずです。
Sustainability(持続性)の部分の強化のためにSDGs 統合推進プログラムがある、と僕は理解しました。
クライアント企業に対してGPSモデルで戦略を提案する前に自社で実践する。
そのほうが説得力がありますよね^^

SDGs統合推進プログラムは持続性(Sustainability)の強化?jpg
余裕のある会社は、こういうことができるのですね(*´ー`*)
トヨタの取り組み記事でも紹介しましたが、SDGs関連の取り組みを進める部署が作られているんですよね。
組織から変えて、サステナビリティに取り組むことで、社外に真剣味が伝わるし、何より社内を動かしやすいんです。
アクセンチュアのSDGs 統合推進プログラムは、もちろんSDGs に沿うように構築されています。
具体的には、SDGsの実施に関する5大原則と対応するように作られています。

SDGs実施の5大原則
SDGs実施の5大原則については別の記事で触れるとして,全部説明していると長くなってしまうので1つだけ事例をご紹介しますね。
上の図の「包摂性」の中に、アクセンチュアは「インクルージョン&ダイバーシティ」という括りで個別のプログラムを進めています。
その中でも今回は、障がいを持つ方の採用の促進について紹介します。

障害を持つ方の採用の促進

事例: 障がいを持つ方の採用促進
アクセンチュアが促進する,障害を持つ方の採用

アクセンチュアの障がい者採用
アクセンチュアでは、障がいをお持ちの方の採用を積極的に進めています。
募集要項を明確に掲げているところがいいですね!

ブラック企業のニュースが世間を賑わす昨今、「本当に募集要項の通りなの?」と勘ぐる人もおられるでしょう。
僕はアクセンチュアの関係者ではないので、ニュートラルな意見として述べさせてもらえば、
アクセンチュアほどの企業が偽りの募集要項を出したら、桁違いのレベルで信用が失墜します。
SNSの力で一瞬に企業イメージが変わる現代において、そのような愚行を犯すことはないと考えます。
アクセンチュアが一歩進んでいるところ
アクセンチュアの進んでいるところは、
現状の社内体制で可能な範囲
ではなく、
その「可能な範囲」を拡張しようとしているところ
だと思うのです。
筆者調べでは、アクセンチュアは、障がいを持つ方が社内で安心して働けるよう、以下の仕組みを整えました。
- サテライトオフィス
- AIを利用したコミュニケーションツール
個別に見ていきます。
サテライトオフィスの設置

アクセンチュアは障害を持つ方の能力を活かすのためのサテライトオフィスを設置

アクセンチュアは、2019年秋に、株式会社kaienと共同して、発達障害を持つ方の能力を活かすためのサテライトオフィスを設置しました。
場所は神奈川県横浜市鶴見区生麦です。
アクセンチュアでは、身体に障がいを持つ方の採用を進めていましたが、新たに精神や発達に障がいを持つ方の採用も進めるために、このサテライトオフィスの設置を決めたとのことです。
サテライトオフィスでは、すぐに相談できるなど、サポート体制を手厚くして、安心して働ける環境を作っていくようですね。
確かに、統合失調などの精神的な障がいの場合、環境の変化にとても敏感なケースがあります。
安定した環境で働けることは,そういった方々にとっては大前提なのでしょうね。
AIを利用したコミュニケーションツールの導入
聴覚に障がいをお持ちの方が抱える課題を解決するために、AIを利用したコミュニケーションツールを開発したのです。
上の動画を見てもらえたらわかると思いますが,
聴覚障害をお持ちの方にとって,グループでのディスカッションはとても大変。
そこで,高精度な字幕生成ツールを開発・導入したことで,発言内容を即座に把握できるようになったとのことです。
バリアフリーの実現ですね^^
このように、SDGsに求められている姿に対して、自らを変革させていけるところ。
そう言うところが素晴らしいと思うのです。
改善したいところ
「障がいをお持ちの方の採用を促進」
とタイプしたところで,違和感を覚えました。
区別する必要,ある?
と。
募集要項を見たら,給与は,
初任給+昇給
ではなく,
月給
という書き方になっています。

ん?昇給は?ずーっと同じ給料?
って,思っちゃいますよね。
僕は,障害をお持ちの方の「枠」を敢えて作る必要はないんじゃないかと思います。
「枠」に当てはめられると,「人と違う」っていう疎外感を与えてしまうのではないかって。
もちろん,障がいの種類によっては,全員で平場で競争したら,そもそも入社できないかもしれないので,実質的には雇用枠を設ける必要性はあると思いますが,表立って表現する必要はないと思います。
アクセンチュア,というか,企業の役割は,ハンディキャップがハードルにならないよう,上で紹介したAIツールなどで環境を整えることが前提だと思います。
障がいの有無に関わらず,持てる能力を惜しみなく発揮できる環境を整えた後,各個人がどれだけの価値をもたらすかでサラリーも決めるべきではないかと思うのです。
「特別枠」のような表現は不要,だと思うのです。
アクセンチュアの施策がもたらす効果
アクセンチュアは、巨大な企業で、発信力も大きいです。

自社で取り組んでいる!
と発信することにより、

アクセンチュアがやっているのか!なら我が社も。。
と、他社が後に続くことが期待されます。
また、アクセンチュアはクライアント企業に対して戦略を提案する際、自社の取組み事例を成功事例として紹介することでしょう。
つまり、クライアント企業が受け取る戦略の中に、アクセンチュアの取組みのエッセンスが入るはずなのです。
クライアント企業がアクセンチュアのような取組みを進めてくれることが期待できますね!

アクセンチュア1社の実践が広く影響を与える
SDGs のどの目標に該当するか
SDGsの達成に貢献しそうな活動って,なんとなく想像できます。
ですが,
具体的にはSDGsのNo.いくつなの?
って訊かれると,答えに窮しますよね。。
特に,下の図でいうところの『ターゲット』の部分なんて,覚えている人はおろか,その存在もあまり知られていないのではないでしょうか。
目標やターゲットの辞書がわりに使える検索用記事を作ってあるので、ぜひご利用ください。

SDGs-17個の目標と169個のターゲット
では,アクセンチュアの施策がSDGsのNo.いくつの達成に貢献するのか,僕なりに考えてみたいと思います。
目標1:貧困をなくそう

アクセンチュアの施策に関連するSDGs-目標1
まずは,目標1『貧困をなくそう』だと思います。具体的にはターゲット1.2ですね。
2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、全ての年齢の男性、女性、子供の割合を半減させる。
障がいをお持ちの方は,これまでは色々な制約やハードルがあり,十分な収入を得られていなかったケースも多いのではないでしょうか。
少し古いデータですが,平成25年度の内閣府『障がい者白書』によると,やはり障がいをお持ちの方(特に精神,知能に)の収入は,そうではない方々に比べて半分程度のようです。
これは辛い。。
全員がそうではないと思いますが,『貧困状態』と言っても過言ではないケースも多いはず。

アクセンチュアが雇用を進めていけば,ある程度まとまった収入を得られるので,貧困状態を抜け出す人たちを増やすことになると思います。
目標8:働きがいも経済成長も

アクセンチュアの施策に関連するSDGs-目標8
次に,目標8『働きがいも経済成長も』にも該当すると考えられます。具体的にはターゲット8.5です。
障がいをお持ちの方の雇用も進め,しかもその人に合う働き方をサポートしてくれます。
アクセンチュアのサテライトオフィスは,まさにそうですよね!
ただ,同一労働同一賃金については,今後のチャレンジではないでしょうか。

目標10:人や国の不平等をなくそう

アクセンチュアの施策に関連するSDGs-目標10
最後は目標10『人や国の不平等をなくそう』,具体的にはターゲット10.2です。
2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。
おわりに
ここまでお読みいただき,ありがとうございました!
最後は少し駆け足感が出ちゃいましたね(;´・ω・)
アクセンチュアによる,障がいをお持ちの方の採用促進をテーマにして,取組内容を紹介してみました。
アクセンチュアは,
- サテライトオフィスの設置
- AIを利用したコミュニケーションツールの導入
により,障がいをお持ちの方が安心して働けるように環境を整えたうえで,雇用を促進しています。
世界的な大手外資総合コンサルティング会社ですから,きっとこの取組みが他社に波及し,広がっていくことでしょう。
参考になったでしょうか?
今後も,国内外問わず,色々な会社の取り組み事例を紹介していきますね!

『この会社の取り組みはSDGs的にどうなの?』っていうものがあったら,ぜひコメントでお知らせくださいね~!

そうそう!僕が分析して,SDGsとのつながりをブログで解説しますよ^^
他にも,『SDGsのここがわからない』『もっと詳しく知りたい』『こんにちは』など,コメントをいただければすごく嬉しいです!
【参考】
- コンサルティング業界の取り組み一覧はこちら↓
- 企業や個人の取り組みカテゴリーの記事はこちら↓
- 制度全般カテゴリーの記事はこちら↓
コメント
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[…] 企業の取り組み一覧でも紹介した通り、アクセンチュアと同様に本当に多くのSDGsをカバーしています。 […]
[…] アクセンチュア […]