
ロボアドバイザー(*)で有名なウェルスナビ (WealthNavi)が気になっているんだけど、『リバランス』ってのは一体何なんだろう・・?ウェルスナビ だけにある機能なのかな?
その疑問にお答えする記事をご用意しました。
ウェルスナビ (WealthNavi)を実際に運用している中で調べてきた内容を、図を多めに入れて分かりやすく解説します。
↓本記事の内容です↓
- ウェルスナビ のリバランスの具体的な内容
- リバランスのメリットとデメリット
- 他のサービスにあるリバランス機能
本記事を読んでいたただければ、ウェルスナビ のリバランスをイメージで理解できるようになります。
リバランスを分かりやすく説明【図解】
前提知識:現代ポートフォリオ理論による最適な資産配分
リバランスを説明する前に、ウェルスナビ の1番のポイントを知る必要があります。
それは、『現代ポートフォリオ理論による最適な資産配分』です。
現代ポートフォリオ理論とは,1990年にノーベル賞を受賞したハリー・マーコウィッツ博士がその基礎を築いた理論です。
ウェルスナビでは,現代ポートフォリオ理論を使うことにより,もっとも高いリターンを期待できる資産ポートフォリオ(配分)を算出しています。
下の図をご覧ください。ウェルスナビ では、年収や年齢などの質問形式で『リスク許容度』を設定するのですが、ユーザーのリスク許容度に応じて期待リターンが変わります。

ウェルスナビの最適ポートフォリオ-リスクと期待リターン(引用:ウェルスナビのホワイトペーパー)
大きなリスクを許容するなら、大きなリターンも期待できるってことですね。
ウェルスナビ では、リスク&リターンの異なる複数の金融商品を組み合わせることで、上記の『期待リターン』の達成を目指しています。
組み合わせのバリエーション,つまりポートフォリオの例がこちらです↓

ウェルスナビの最適ポートフォリオ-ポートフォリオの例(引用:ウェルスナビのホワイトペーパー)
リスク許容度が大きいほど,ハイリスクハイリターンの資産(図では米国株や日欧株)の比率が大きくなります。
ウェルスナビでは,ユーザーのリスク許容度に応じて,現代ポートフォリオ理論を駆使して最適な資産配分(ポートフォリオ)を決めているのですね。
例えば,僕のリスク許容度は3ですが,ポートフォリオ(2020年2月)はこんな感じです↓

Kobolのポートフォリオ-202002
ちなみに,『最適』をどのような配分にするかは,実際の市場データに基づいて更新され続けています。

リバランスを一言で表すと
リバランスは、『時間が経つにつれて理想からズレてしまった資産のポートフォリオを、最適なものに戻すこと』です。
↓リバランスのイメージです↓

リバランスのイメージ
もっと短く表現すると『ポートフォリオの修正』ですね。
リバランスを行う理由
リバランスを行う理由は,『リスク許容度の範囲で最も高いリターンを狙うため』です。
まず,リバランスの背景として,上でも説明した通り『ポートフォリオが最適値からズレる』ことがあります。
なぜかというと,ウェルスナビの投資先は米国のETF(上場投資信託)ですが,常に価格が変動しているからです。
例えば,米国の株安が続いて,米国株ETFの価額が低下したとします。一方で安定資産の金のETFの価額が上昇すると,下の絵の通りバランスが変化します。

ポートフォリオの変化の例
資産のバランス(ポートフォリオ)が変化してしまうと,リスク許容度に応じた期待リターンを狙えなくなります。そこで,資産のバランス(ポートフォリオ)を最適なものに修正するわけです。
高いリターンを狙うことは,資産運用サービスとして当然の行動です。
リバランスのタイミングと判断基準

リバランスのタイミングと判断基準
ウェルスナビのQ&Aに基づいて,リバランスのタイミングと判断基準を図解します。
- 運営側で必要がないと判断すれば,リバランスを実施しない
⇒明確な判断基準は示されていないですが,最適ポートフォリオとのズレが少なく,リバランスの必要がないと判断すれば,リバランスを実施しません。
- ズレが5%未満であれば,半年に1回
⇒資産残高によらず,一律で半年に1回です。
- ズレが5%以上で,かつ,資産残高が50万円未満の場合は,半年に1回
⇒半年待っていても,顧客資産への影響が大きくないとの判断なのでしょうかね。
- 資産残高が50万円以上だと、前倒しで
⇒半年を待たずして,リバランスを実施します。多額の資産残高の場合はズレの影響が大きいので,早急なリバランスが必要ってことですね。
リバランスの実施方法
具体的な方法はホワイトペーパーに記載されていますが,以下を行います。
- 値上がりした銘柄の一部売却
- 値下がりした銘柄の追加購入
リバランスで実際に行う典型的な作業は、値上がりした銘柄の一部売却と、値下がりした銘柄の追加購入です。金融資産の価格は上昇と下落を繰り返すことも多く、その場合にはリバランスは割高な銘柄の売り(利益確定)と割安な銘柄の買いを行うことを意味し、結果としてパフォーマンスの向上に繋がる可能性もあります。
リバランスの確認方法
- iOSアプリ

リバランスの確認方法-iOSアプリ
iOSアプリでは,『その他』→『取引履歴』と進み,履歴を遡っていくとリバランスの履歴が見つかるはずです。
- Webブラウザ

リバランスの確認方法-Webブラウザ
Webブラウザ(パソコン等)の場合は,上部メニューバーの『取引履歴』から,同じく履歴を遡っていくと,リバランスを履歴を確認できます。
リバランスのメリット&デメリット
リバランスのメリット
- 最適状態をキープできる
リバランスは,『最適状態からズレたポートフォリオを最適状態に修正すること』なので,リスク許容度に見合った最適な状態に自分のポートフォリオをキープできます。
- 自分の時間を節約できる
『自動』はウェルスナビのセールスポイントの1つです。資産ポートフォリオのバランスを自分で修正するなんて,素人には難易度が高いし時間を消費します。
忙しい現代人によって,時間を節約できることは貴重なメリットです。
リバランスのデメリット
- 自分の運用スキルは身に付かない
自動運用サービスですから,自分で考えずにサービスに任せることになります。自分の運用スキルが身に付かないのは当然のこと。
ただ,『運用スキルは不要で,運用した結果(=リターン)があれば良い』というユーザーがほとんどだと思うので,デメリットとして気にしなくてもいいと思います。

【比較】他のロボアドバイザーにあるリバランス機能
楽ラップのTVT機能

楽ラップのTVT機能(引用:楽ラップの紹介ページ)
楽天証券には,自動運用サービス『楽ラップ』があります。
楽ラップにも,『TVT (Target Volatility Triggers) 機能』というものがあります,一種のリバランス機能を担っています。
例えば,株式の値動きが激しくなったら,株式資産の比率を一時的に下げます。一方で,値動きの緩やかな債権の比率を上げます。
こんなイメージ↓で影響が緩和されるのですね。

楽ラップのTVT機能の効果(引用:楽ラップの紹介ページ)
ウェルスナビのリバランスと楽ラップのTVT機能の違いは以下の通りです。リバランスが『攻め+守り』だとするとTVT機能は『守り』に特化したイメージです。
- ウェルスナビのリバランス:『最適なリターン』を目指す
- 楽天証券のTVT機能:値動きの『影響を緩和』する(損失を最小限にする)

THEOのリバランス

THEOの4機能
ウェルスナビのガチの対抗馬に『THEO』というサービスがあります。
THEOでは,以下の4つの機能によって,資産ポートフォリオの見直しを行っています。
- リバランス
- リアロケーション
- リクリエーション
- リプロファイリング
THEOのホワイトペーパーに載っている説明が簡素なので理解が難しいですが,4つのうち『リバランス』で行っていることはウェルスナビのリバランスと同様です。
その外に3つも最適化の方法があるとしたら,なんとなく凄そうですね。
参考までに,THEOの説明ページのリンクを載せておきます。

まとめ
本記事の内容をまとめます。
- リバランスを一言で:『時間が経つにつれて理想からズレてしまった資産のポートフォリオを,最適なものに戻すこと』
- リバランスの目的:ユーザーのリスク許容度に応じた期待リターンを実現
- リバランスの頻度:原則として『半年に1回』
- リバランスの方法:『値上がりした銘柄の一部売却』と『値下がりした銘柄の一部購入』
- リバランスの履歴確認:iOSアプリもWebブラウザも『取引履歴』から
- リバランスのメリット:『最適状態をキープ』『自分の時間を節約』
- リバランスのデメリット:『運用スキルが身に付かない』
- 他のサービスにある同様の機能:楽天証券の『楽ラップのTVT機能』,THEOのリバランス
ウェルスナビのリバランスについて,イメージを持てたでしょうか?
ウェルスナビには他にも『ライフプラン』『ナビゲーション』『長期割』などがあるので,良ければ記事を参照してみてくださいね(^^)
実績も公開中なので,こちらも参考になると思います!
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コメント
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