ほったらかし投資の一つとしてスワップポイントのことを色々と調べていくと、少しエッジの聞いた疑問をネットで見るようになりました。
それは、
ロスカットで借金を追うことがあるのか?
というものです。
ちょっと待てよ、と。
ロスカットって、ロス(損失)をカットしてくれるものだけど、それで借金て、どういうこと?!
と、僕も疑問に思ったわけです。
ありえなくね?
って。
しかし、現実は厳しいようで、
- 物理的な仕組み
- FX会社との関係
この2つの合わせ技で借金を負うことはあり得ることがわかりました。
上記の1と2の観点から、仕組みを説明していきます。
物理的な仕組み
まずは物理的な仕組みです。
FX会社の口座には、ある程度の証拠金を入れてありますよね?
その証拠金の範囲で、僕らはFXを行うわけです。
借金を負うということは、口座に入れてある証拠金よりも多くの損失を被ることが必要になります。
大抵の場合,証拠金よりも多くの損失を被るよりも先に、ロスカットというセーフティネットが働くのです。
しかし,ロスカットが適切に効果を発揮しないパターンがあり,そのような場合の損失が問題になります。
ロスカットについては、例えばDMM FXの場合はこちら↓

為替レートの変化が速すぎて、ロスカットのシステム処理が追いつかない
為替レートの変化が速すぎると、ロスカットのシステム処理が追い付かないことがあります。
下の図を見てください。

為替レートの変化が速すぎる
例えば、証拠金維持率50%でロスカットされるルールだとします。
ロスカットルールはFX会社によって異なるので、チェックは必要です。
まず、口座に100,000円を入れておくとします。
取引証拠金が10,000通貨で100,000円だとして、1ドル=100円の為替レートの時に、10,000通貨を購入したとします。
この場合、証拠金維持率は、
有効証拠金額 ÷ 必要証拠金額 × 100(%)
で計算されるので、
100,000 ÷ 100,000 × 100
=100%
となります。
では、1ドルが急激に89円になったとしましょう。
この場合、1ドル100円の時と比べて11円の円高ですね。
10,000ドルを購入しているので、有効証拠金額は、
100,000 ー 11円 × 10,000通貨 = ー10,000円になります。
有効証拠金額がマイナスです!
証拠金維持率は、
有効証拠金額 ÷ 必要証拠金額 × 100(%)
=ー10,000 ÷ 100,000 × 100
=ー10%
急激に、証拠金維持率が100%からー10%に下がってしまったことになります。
ということは、あれ?ロスカットされるライン(証拠金維持率50%)をすっ飛ばしましたよね?!
ロスカットのシステム処理が間に合わず、1ドル=89円でようやく処理がなされたのなら、
有効証拠金はー10,000円です。
つまり、10,000円を追加で支払う義務が発生したわけです。
考えてもみてください。
100,000円を証拠金として入れる代わりに取引をすることができるということは、「証拠金100,000円の範囲でなら取引させてあげる」ということなんです。
その範囲を超えてしまったら、証拠金を追加していくべきだと分かります。
システム障害
為替レートの変動速度が普通だったとしても、FX会社の提供しているシステムに障害が発生する場合があります。
コンピュータを使ったシステムである以上、0%にはできない根本的な問題です。
システム障害によってロスカット処理が進まない間に、上で述べたような事態になることも考えられますよね。
スマホやPCなど、デバイスの障害

スマホのエラー
FX会社のシステムに問題がなくても、僕たちが使っているPCやスマホなどのデバイスに障害が発生する可能性があります。
PCやスマホがフリーズして再起動して。。。とやっている間に、上で述べたような事態になることは考えられます。
FX会社との関係
物理的に借金が発生することはわかりました。
しかし,FX会社は,本当に借金として取り立ててくるのでしょうか?
FX会社と顧客との関係がどのようになっているのか,見て行こうと思います。
ここでは,DMM FXを例にしますね!
どのようなFX会社かについてはこちらの記事で詳しくまとめましたので,宜しければお読みくださいね^^

さて。。。
DMM FXのホームページに「規約・約款」が掲載されていますが、以下の書類を見てみます。
この書類には、以下の記載があります。
(3)不足金額の差入れ
マージンカットやロスカットルールがあっても、預託証拠金の額を上回る損失が生じることがあります。その場合、当該不足金額は、当該不足額が発生した翌営業日の15 時までに現金で当社に差入れてください。なお、期日までに不足金額の差入れがなされない場合には、年率 14.6%の割合による遅延損害金を申し受けます。
文言を一文ずつ見ていきます。
マージンカットやロスカットルールがあっても、預託証拠金の額を上回る損失が生じることがあります。
⇒この「預託証拠金の額を上回る損失」は,上の例で述べた10,000円のことです。
その場合、当該不足金額は、当該不足額が発生した翌営業日の15 時までに現金で当社に差入れてください。
⇒仮に2019年6月27日(木)に不足額が発生した場合には,翌営業日である2019年6月28日(金)の15時までに10,000円をFX口座に入れる必要があるのです。
なお、期日までに不足金額の差入れがなされない場合には、年率 14.6%の割合による遅延損害金を申し受けます。
⇒2019年6月28日(金)の15時までに10,000円をFX口座に入れなかった場合には,その時点から年率14.6%の遅延損害金が発生することになってしまいます。
1年間払わなかったら,1,460円の遅延損害金が発生するということですね。
以上の記載は,民事上の金銭債務を意識したものだと思います。
「証拠金額を上回る額の損失額=顧客がFX会社に対して負う金銭の支払い義務」
という解釈ではないでしょうか。
よく,FX関連の調べものをしているときに「ロスカットなのに借金」的な言い回しを見かけますが,この支払い義務のことを「借金」と皆さんが呼んでいるのでしょうね。
そして,顧客は取引を開始するまでの各種設定の手続きの中で,これらの規定に必ず「同意」することになるので,そのうえで取引をしている以上,文句は言えないのです。
おわりに
ここまでお読みいただき,ありがとうございました
今回は,巷でググられている「ロスカットされるのに借金が発生する」という事象について,
- 物理的な仕組み
- FX会社との関係
の2つの観点から,調べたことをまとめてみました。
証拠金の不足金額を支払うことがないように,余裕を持って資金を入れて取引を楽しみたいですね!
コメント
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[…] ロスカットで借金が発生する仕組みはコレ!ロスカットされて損失の拡大は防がれるはずなのに,借金が発生する?ネットではそのような疑問がチラホラ見られます。僕も借金なんて絶 […]