
『HYG』というETFを知ったんだけど,周りに買っている人があまりいなくて。。どういうETFなんだろう?買った方がいいのかな?!
そういった疑問に答えます。
本記事では、『HYG』と呼ばれるETFについて解説します。
本記事の内容はHYGを買うかどうかの判断材料のひとつになると思いますので,ぜひ最後まで読んでくださいね~^^
HYGの概要

HYGの概要
HYGとは
HYGとは、『iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債 ETF』の略称です。
略称というか、『ティッカー』と呼ばれる識別記号ですね。
米国に上場するETF(上場投資信託)の一種です。
HYGの運用会社
HYGの運用会社は、BlackRock(ブラックロック)という投資会社です。
BlackRockの特徴を挙げておきますね。
- 1988年に創業
- 本社は米国のニューヨーク
- 10兆ドルの運用残高(2021年12月)
- 193のファンドを運用中(2022年2月)
世界最大級のマンモス運用会社です。
10兆ドルって,約1000兆円ですよ?
もはや金額が大きすぎて意味がわかりませんね。。
HYGの投資対象
HYGの投資対象は、社債です。
企業が発行する債券(借金みたいなもの)ですね。
しかしただの社債ではありません。
『ハイイールド』なんです。
High Yieldということは,利率がよいってことです。
つまり,米国企業の利率のよい社債の詰め合わせセットがHYGなのです。
また、HYGは『Markit iBoxx米ドル建てリキッド ハイイールド指数』という指数に連動するように運用されるインデックス(=指数)ファンドです。
インデックスファンドは、利益を求めてアグレッシブに勝ちに行くアクティブファンドよりは、リスクが少なめで安定しているのが特徴ですね。
HYGが運用対象としている債券のうち,2022年2月時点の上位10銘柄と構成比率は以下の通りです(参考:BlackRock)。
銘柄名 | 保有比率(%) |
BLK CSH FND TREASURY SL AGENCY | 0.69 |
SPRINT CORP | 0.43 |
TRANSDIGM INC 144A | 0.42 |
MOZART DEBT MERGER SUB INC 144A | 0.39 |
CCO HOLDINGS LLC 144A | 0.33 |
DIRECTV FINANCING LLC 144A | 0.33 |
CAESARS ENTERTAINMENT INC 144A | 0.33 |
CENTENE CORPORATION | 0.32 |
AADVANTAGE LOYALTY IP LTD 144A | 0.32 |
TEVA PHARMACEUTICAL FINANCE NETHER | 0.29 |
正直あまり見たことのない企業ですね。
唯一見たことがあるのは,2番目のSPRINT(スプリント)で,ソフトバンクが買収して話題になった企業です。
HYGの資産総額
2022年2月時点では約165億ドル、約1.7兆円です。
一般的に、資産総額が多いほど変動が少ないと言われていますので、上々の規模だと思います。
HYGの運用期間
HYGは2007年から運用開始されていますので、2022年時点では15年間の実績があります。
直近10年間のチャートを見てみましょう。

HYGのチャート
(チャート:SBI証券から引用)
上段の価格を見ると上がったり下がったりですね。
株式系のVTIとかのイケイケ右肩上がりチャートと比べると見劣りはしますが,大きな変動はないということでもあります。
一方,下段の出来高を見るとどんどん増えています。
これはHYGの取引量が増えていることを表していますが,仮に一人当たりの取引量が大きく増えたわけではないとすると,HYGを取引する人が増えたことになります。
近年の投資ブームに乗って投資参入者が増えて,HYGにも流れてきたのでしょうね。
HYGのメリットとデメリット

HYGのメリットとデメリット
ここではメリットもデメリットも両方紹介します。
僕はHYG信者ではないので,公平な情報をお伝えして,あなたに考えてもらいたいですからね。
HYGのメリット
メリットは以下の通りです。
- 世界最強国家の米国に投資できる
- 配当もそれなりにもらえる
- 株式系とのヘッジに使える
個別に見ていきます。
世界最強国家の米国に投資できる
米国は強いです。
なぜなら世界最強の軍隊を持っているから。
この『武』をバックに,経済的な立ち位置も強固にしています。
という話は半分冗談として,世界最強の経済大国であり,成長を続けている国です。
成長を続けている国の企業も,概ね成長します。
HYGは,そんな企業の中でもよい金利で債券を発行する企業をBlackRockが厳選し,投資する商品です。
対象の債券の格付けと割合は以下の通りです。
- BBB:0.94%
- BB:54.37%
- B:34.04%
- C:10.02%
この格付けはS&P及びMoody’sによるのですが,最高ランクAAA~最低ランクDの範囲です。
BBB~Cということは,『まぁまぁなレベル』です。
配当が多め
HYGの分配利回りは,2022年2月時点では4.21%です。
経費率は0.48%です。
差し引き3.73%の配当をもらえます(税引き前)。
配当をもらってHYGをまた買うことができますので、複利の魔法で資産を増やしていけます。

株式系とのリスクヘッジに使える
ETFや投資信託の界隈では,VTやVTIなどの米国株式系が超人気ですよね。
しかし,株式100%のポートフォリオは少し怖いです。
株式相場が大暴落したらダメージ大ですよね。
(参考までに,僕のポートフォリオをご覧ください。)
債券にも少し分散して,株式とのバランスを取った方がいいと考えています。
株式が大荒れのときは債券の人気が高まりますし,それほど変動しないので安定剤としての役割を期待できます。
HYGのデメリット
キャピタルゲインを狙いづらい
チャートを見てもらえるとわかりますが、価格が右肩上がり。。。ではないです。
値上がり益(キャピタルゲイン)を狙うことは難しそうですね。
経費率が高め
2022年2月時点では,経費率は0.48%です。
例えばVTの経費率0.03%を考えると,16倍ですからね,高いと感じます。
HYGをどう使うか

HYGをどう使うか
僕はまだHYGをポートフォリオに加えていないのですが,もし買うとしたらこんな感じに使います。
債券系のETFにはAGGやTLT,LQDなどがあるので,HYGの割合は全体の5%に抑えます。
そのうえで,積立て買いをして,価格変動リストを低減します。
まとめ:米国株式投資に対するリスクヘッジ!
本記事では、HYGというETFについてお伝えしました。
簡潔にポイントをまとめます。
- HYGは、超大手資産運用会社BlackRock社が運用する債券ETFで、米国企業が発行する格付けBBB~Cを中心とした債券に投資
- 資産総額は2022年2月時点では約1.7兆円
- HYGには、『世界最強国家の米国に投資できる』『配当が多め』『株式系とのリスクヘッジに使える』といったメリットがある反面、『キャピタルゲインを狙いにくい』『経費率が高め』というデメリットがある
- ポートフォリオに加えるなら,ドルコスト平均法を使って積立て買いを行いつつ全体の割合を最大5%に抑え,AGGなどの他の優良債券系ETFとともに株式系とのリスクヘッジに利用
ETFと個別株のコツコツ投資の実績を公開しているので、参考までにどうぞ^^
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