ブロックチェーン関連の記事を久々に書きます。
地域通貨の事例がテーマです。
僕自身、地域通貨にあまりいい良いイメージを持っていませんでしたが、少し味方が変わりました。
スキーや北海道が好きなので、バイアスがかかっているかもしれませんが、今は良い印象を持っています^^
図を入れながら概要を分かりやすく説明していきますので、読んでもらえたら嬉しいです。
地域通貨とは?
地域通貨は法律上の定義はありませんが、「特定の地域内における支払い手段として使える通貨」と表現していいでしょう。
概ね、法定通貨と1:1の価値があるとみなされることが多いようです。

法定通貨と地域通貨
これまで、日本国内では地域通貨の取り組みがいくつかなされてきました。例えば以下の地域通貨です。
- アトム通貨(http://atom-community.jp/)
- モリ券(http://shinrin.org/moriken)
- めぐりん(https://www.0909megurin.com/)
- しまとく通貨(http://www.shimatoku.com/)
- おうみ(http://www.kaikaku21.com/ohmi/)
- クリン(https://com212.com/212/report/onepoint/zensen-17.html)
意見は色々とあると思いますが、僕はこういう新しい事業に取り組んだ姿勢だけでも素晴らしいと思っています。
しかし、各サイトを見ていくとわかるように、『休止中』などが多くて、事業の成功には至っていないのが現状です。
本記事を読んでくださっているあなたの耳にも入っていないですよね?
僕はこの手の話題には明るい方でアンテナも高いはずですが、成功事例として認識するに至っていません。
日経ビジネスが『ままごと』と辛辣な例えをしていますが、そう思われても仕方がないですね。


ままごと。。。ひでぇなオイ。

いや、税金をたくさん使って開発・運用をした点からすると、子どものままごとよりもタチが悪いとも言えなくもない。。
独立採算でやっていけていなさそうな地域だから、他の地域から徴収した税金も割り当てられていると思うと、両手放しには賞賛できないね。
地域通貨の詳細は大和総研のレポートが分かりやすいので、もっと知りたい方はこちらへどうぞ!
ニセコで実証中の地域通貨『NISEKO Pay』
場所
ニセコや比羅夫(ひらふ)のエリアが実証地域です。
札幌から西に50kmほど離れたところにあります。
ニセコのエリアは、有名な『ニセコアンヌプリ国際スキー場』があることもあって、観光客が増えているんですよね(ニセコ町統計資料より)。
僕も北海道でスキーをしたことがあるのですが、雪質が良い!
聞いた話では、オーストラリアやニュージーランドからスキーをしにくる人が多いんだとか。
季節が逆ですから、年中スキーを楽しめるってわけですね!
目的
以前公開されていたプレスリリースに目的が記載されていますが、
激しく同意(`・ω・´)
と言わざるを得ません。
理由を説明します。
プレスリリースには、
『従来スキーリゾート地で現金を持ち歩いていた不便さをキャッシュレスで解消できるようにします。』
と目的が書かれています。
『ほんそれ!』なんですよね〜。
あなたはスキーやスノボーを嗜まれるのでしょうか?
僕はやりますよ、かなり。
物心がついた頃から滑走していたし(大げさかも)、雪国大学だったので、そりゃあ毎年何度も滑走しに行ったものです。
社会人になってからは頻度は減りましたが、それでも滑走の気持ち良さを味わうために、たまに行きます。
そんなヘビースキーヤーの僕が言います。
いいぞ!もっとやれ!
と。
まだまだ現金のみしか扱っていないスキー場も多いです。
スキー場のレストランって、ほぼ食券システムですよね?
だから現金を持ち歩かなくてはならないのです。
ここで想像してほしいです。
スキーやスノボーをする格好を。
ほぼ丸腰ですよね?
バッグは邪魔になるし、財布なんかをポケットに入れていたら、転倒して雪が入った時に濡れてしまいます。
激しく動くからこそ、身軽な装備でいたいんです。
地域通貨でスマフォ決済ができれば、スマフォを上着の内ポケットに入れておけば済みます。
最近のスマフォは耐衝撃性も耐水性もあるものが多いので、問題なしです。
本当に、ありがたい。。。!
参加メンバー

NISEKO Pay.の参加メンバーjpg
上の図は、事業主体である『ニセコひらふエリアマネジメント』の資料から引用したものですが、参加メンバーが概ね網羅されています。
箇条書きにすると、以下の通りです。
- ニセコひらふエリアマネジメント:事業主体(メイン)
- 東急リゾート:事業主体(事業のバックオフィス業務を受託して担当)
- 協力事業者(ex. 店舗など。商品やサービスを提供)
- 利用者(商品やサービスを購入)
- 決済代行会社(QRコード決済を処理)
- SBIホールディングス/ORB/INDETAIL(ブロックチェーンなどの技術を提供)
東急リゾートに担ぎ上げられている感が否めないですが、確かに東急リゾートのサービスは僕も良いと思うので、しっかりとニセコひらふエリアマネジメントを支えてほしいですね。
技術部分をさらに分解してみます。
SBIホールディングスの『Sコインプラットフォーム』という共通基盤がNISEKO Payの核になっています。
その中でも基幹部分の分散型台帳技術(DLT)はOrb社(本社:東京赤坂)が担っています。Walletアプリ部分はINDETAIL社(本社は札幌市)が担っています。
ブロックチェーンは分散型台帳部分に使われています。

NISEKO Pay技術部分の担当
利用方法
地域通貨『NISEKO Pay』はアプリを使って利用します。
iOSアプリの画面で説明しますね。
最初にアプリを開いてテキトーにスキップすると,Sign up(新規登録)を行うことになります。

NISEKO Payの利用方法-1
必要な情報を入力すると,登録メールアドレス宛にメールが届きます。そのメールに記載された4桁の番号をActivation Codeとして入力します。

NISEKO Payの利用方法-2
Activation Codeが承認されると,登録は完了です。NISEKO Payにログインします。ここでは4桁の好きな番号をPINコードとして入力しておきます。

NISEKO Payの利用方法-3
PINコードの登録が完了するとホーム画面に移動します。試しに”Support“を覗いてみると,下のような画面になっています。
“Support“は,ニセコひらふ地域への寄付です。

NISEKO Payの利用方法-4
Supportの金額は任意です。
“Volunteer“の画面を見てみると,QRコードリーダーが起動します。
ボランティアを行って,ボランティア先でQRコードを読むと,ギフトをもらえるようです。
“Transfer“は,送金機能です。

NISEKO Payの利用方法-5
“Scan to Pay“では,お店での支払いができます。
“Charge“では,自分のアカウントへの入金ができます。クレジットカード(Credit Card)か現金(Cash)を選択できます。
“Shop List“では,ニセコひらふエリアにある加盟店を見つけられます。

NISEKO Payの利用方法-6
“Map“を選択すると,加盟店を地図上で確認できます。

NISEKO Payの利用方法-7
まとめ
『目的』のところでも書きましたが、スキーヤー、スノーボーダーにとって、スキー場での決済がスマフォのみで済むのは本当に楽!!!
なので、一度でもNISEKO Payを使ってもらえたら、『楽だったなぁ、あの仕組み。あのスキー場。あの旅行。。。』という風に、地域に対する楽ちんイメージを持ってもらえるでしょう。
ニセコのスキー場は観光客が増えているので,普通に利用されるようになるのではないでしょうか?
だって便利だもん。キャッシュレスのほうが。
ただし,観光客の増加につなげていくには,他の仕組みが必要だと思います。
例えば,オフシーズンには,ニセコひらふ地域と提携するほかの観光地(夏向けの観光地)においてアプリを使うと,ニセコのシーズン中の割引につながるとか。その逆もしかり。
他の地域との提携・連携が欲しいなって思います。
最後までお読みいただき,ありがとうございました!
ブロックチェーン関連のサービスについては,
- IBMのFood Trust
- 社会貢献を見える化するアクトコイン
- レストランレビューアプリのSynchrolife
- 歩いてコインを貯めるFiFiC
- 写真投稿でNEMを貯めるnemgraph
- SIVIRAのブロックチェーン
などについても記事を作ってあるので,興味があればぜひどうぞ^^
コメント
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