
ブロックチェーンでビジネスが変わる!と世間は騒いでいるけど、何がどう変わるのかな?
その疑問にお答えするため、今回は『シビラ(sivira)』のブロックチェーンの記事をご用意しました。
ブロックチェーン素人の僕が、見た目にも優しい図を入れながら、以下の内容を分かりやすくまとめます。
- シビラのブロックチェーン技術
- シビラのブロックチェーンの応用例
本記事を読み終えた後は、シビラのブロックチェーンが創り出す未来をイメージできているはずです。
シビラの会社概要

シビラの会社概要 (引用: シビラWebサイト)
社名 | シビラ株式会社 |
資本金 | 約2億円 |
所在地 | 〒550-0014 大阪府大阪市西区北堀江1-18-17 モトバヤシビル3F |
代表 | CEO: 藤井 隆嗣 |
シビラは会社の名称です。
CEOの藤井さんはまだ若いのですが,複数の事業経験があり,世界経済フォーラムで『GlobalShapers20代日本代表』にも選ばれたほどの実力の持ち主です。
初心の『世界に新しい常識を創る』を実現するために,シビラ(sivira)を創業しました。
シビラの創業は2016年頃のようですが,すぐに大手仮想通貨交換業者ビットフライヤーと資本業務提携を行っています。

ビットフライヤーから価値を認められた会社なのですね。
シビラのブロックチェーン技術

シビラのブロックチェーン技術jpg
上の図は,以下の説明の区分するための概念図です。少しだけ補足します。
- Broof (ブルーフ) →シビラが独自に開発したブロックチェーン
- DaaS (ダース、*) →シビラのブロックチェーンを活用したもので、サービスとして構築された自律分散型組織DAO
(*)Decentralized Autonomous Organization as a Service
Broofの応用でいくつかサービスを作ることはできますが、DaaSはサービスというよりも世の中の仕組みそのものです。
それでは、
- Broofの概要
- Broofのサービス例1
- Broofのサービス例2
- Broofのサービス例3
- DaaSのサービス例1
を簡単に説明します。
Broof
Broofの概要

Broofの概要(引用: シビラWebサイト)
超ザックリと表現すると,Broofは『拡張性と冗長性に優れたブロックチェーン』です。
- スケールを拡大しやすい
- バックアップが厳重なので作動が安定する
ということです。
スケールを拡大しやすいのは,ゆるく繋がった5つのモジュールでBroof Core(Broofの核心部分)を構成しているからだそうです。

モジュール構造でスケールアップが容易
各モジュールを増やしていくだけで,容易にスケールアップが可能とのこと。
この辺りは素人なので,僕はざっくりとしたイメージで理解しています。
また,Broof CoreはKVS(Key Value Store)と呼ばれるデータ保存システムを共有しているそうです。
なので,1つのBroof Core(まぁパソコンですよね)が停止しても他でカバーできるので,ブロックチェーンBroofの運用が止まることはないようです。

KVSの共有による冗長化
この分野は素人すぎて変な汗が出てきたので,応用編に移りますm(__)m
Broofのサービス例1:サプライチェーンのトレーサビリティ向上とスマート化

フードサプライチェーンの例(引用:シビラWebサイト)
Broof(シビラのブロックチェーン)によって、サプライチェーンがトレーサブルかつスマートになります。
わかりやすくいうと、
- 生産~流通の記録を確実にたどることができる(トレーサブル)
- 取引の自動化が進む(スマート)
そんな便利な物流になります。
まずは『トレーサビリティ』向上の例を考えます。従来の野菜のサプライチェーンでは、
- 農家さんが『(自称)無農薬』の野菜を、『(自称)汚染のない土壌』で育てる
- スーパーマーケットがその農家さんから仕入れ(たことになってい)る
- 消費者が(上記を信じて)買う
という流れでした。
しかし考えてみて欲しいです。
手に取っているその野菜は、本当に汚染のない土壌で無農薬で育てられ、それをスーパーマーケットが仕入れて、ご自分が買ったものでしょうか?
『証明できますか?』と聞かれたら、僕は『できない』と答えます。信用するしかない。
シビラのブロックチェーンを使うと、↓こうなります。
- 土壌に汚染がないことは、センサと認定者が確認してブロックチェーンに記録済み
- 無農薬の栽培方法であることは、生育担当者とカメラが確認してブロックチェーンに記録済み
- スーパーマーケットが確かにその野菜を仕入れたことは、出荷担当者が確認してブロックチェーンに記録済み
消費者は、野菜のQRコード等を読むことで上記の履歴が確かだと確認できるのです。安心して無農薬の野菜を買えますね。
次に『スマート』の部分では、Broofの機能である『スマートコントラクト』の出番です。
例えば、農家からの無農薬野菜を検品し終えて受け取りが完了したとき、ブロックチェーンに記録されるとともに決済がほぼ同時に行われます。
スマートコントラクトでは、要件を満たしていないと支払いもされません。『まぁそこをなんとかさ、目をつむってよ』ができないので、不正撲滅にもなります。
実は、食物のサプライチェーンに関しては、IBMがすでにブロックチェーンを導入しています。記事にまとめたので、興味があればぜひ読んでみてくださいね。

Broofのサービス例2:IoTデータのマネタイズ

IoTデータのマネタイズ
IoTとは、Internet of Things、つまりモノがインターネットに接続した世界観のことです。
シビラの構想では、そのデータが売り物になるのです。
例えば、監視カメラがインターネットにつながるようになってきましたが、監視カメラの映像を求める声は少なくありません。
シビラの構想では、監視カメラのデータ通信にブロックチェーンを利用します。
先程の『スマートコントラクト機能』を使えば、監視カメラのデータを利用した分だけ、即座に監視カメラ側に支払いを行うことができます。
手軽にデータを売買できるようになるわけですね。
Broofのサービス例3:セカンダリーマーケットの創出

Broofのサービス例3:セカンダリーマーケットの創出
シビラはブロックチェーンで中古品市場に活力を入れます。パターンは2つ。
- 先の所有者等への収益配分

先の所有者への収益配分
今までは中古品が売買される場合、売り手と買い手との間でお金と商品が交換されていました。それ以前の所有者等には一銭も入ってきません。
シビラの構想では状況が一変します。
中古品の売買をブロックチェーンに記録していくと、前の前の・・・前の所有者の情報も記録に残っています。
スマートコントラクトを使うことで、売買成立の瞬間に、前の前の・・・所有者にも少しだけお金を分配することができます。
そうすると、
『買ったものを大事にしよう。良い状態で高く売れれば自分にも分配金が入る。』
『大事にされた良品なら中古品を買おう。自分も大事にして不要になれば売ればいい。』
って思いませんか?
中古品の流通が活性化するのです。結果として、廃棄品も減るので、環境にも優しい。

中古品が多く流通するようになったら,新製品を作るメーカはつらいね!

確かにそれは言えてるね。だけど,大量生産大量消費を見直すいい切っ掛けになるんじゃないかな?
- 中古品流通過程における価値変化

中古品流通過程における価値変化
中古品の経路によっては価値を高められる未来が想像できます。
ブロックチェーンを使うと、所有者の情報が残ります。
時計を例に考えると、『自分が好きな女優や俳優が以前に使っていた時計』って、価値が高いですよね。
そのような中古品については高くても売買されやすくなります。高くても買う人がいるのですから。
シビラは,上記2つのパターンで中古品市場(セカンダリーマーケット)の活性化を狙っているようです。
DaaS
DaaSの概要

DaaSの概要(引用: シビラWebサイト)
DaaSは、DAO as a serviceのこと。DAOは、Decentralized Autonomous Organizationのことで、自律分散型組織を意味します。
つまりDaaSは、ブロックチェーンを使って,自律分散型組織をサービスとして提供することを意味します。
例えば会社なら、社長や取締役会などの中央意思決定機関が存在せず、決められたルールに従って全員が自律的に働くイメージです。
詳細はブロックチェーン大学の説明に委ねるので、さらに理解したい方はどうぞ。
↓

DaaSに関するシビラのサービスには、『ユーザーナーチャリング』と『Programmable ID』があります。
『ユーザーナーチャリング』の情報が乏しいので、『Programmable ID』の応用例を説明します。
DaaSのサービス例:コンテンツのn次流通のマネタイズ

DaaSのサービス例:コンテンツのn次流通のマネタイズ
Programmable ID(PID)を利用すれば,漫画の2次創作や3次創作もマネタイズできる日が来るます。
PIDは,個人がIDの利用範囲や提示範囲をコントロールできる等の機能があり,様々なアプリケーションで自律的な経済活動や情報連携,契約などを行う機能を持つIDです。
例えば,Aさんがキャラクターを創作します。AさんのファンであるBさんが,そのキャラの人形を作ったとします。
さらに,別のファンのCさんが,キャラを利用して漫画を作ったといます。『Bさんが作った人形である』『Cさんが作った漫画である』とシビラのブロックチェーンに記録します。
Bさんの人形やCさんの漫画が人気になると,『元ネタは何だ?!』とAさんのキャラクターに注目が集まり,Aさんのキャラクターもたくさん利用され売れていくことが考えられます。
その場合,BさんもCさんも,Aさんのキャラクターの売上増に貢献しているので,BさんやCさんにも報酬を払ってもいいはずです。
シビラのブロックチェーンでは,PIDを使ってA~CさんのIDを生成・管理することで,本人に代わってIDが契約などを行ってくれる仕組みを作り出そうとしています。
SNSでシェアされることの爆発的威力があれば,Aさんが自分の権利だけを抱え込むよりも,2次創作や3次創作をどんどんやってもらって爆散してくれたら,Aさん自身の売上も増える可能性が高くなりますよね。
ブロックチェーンを使って自律分散的にこういった仕組みを動かすことで,シビラはDaaSを実現しようとしているのですね。
コンテンツのn次流通についてシビラが電通と実証を行なった記事です。参考までに。

まとめ
本記事の内容をまとめます。
シビラ(sivira)は、独自のブロックチェーン『Broof』をベースにして,
- サプライチェーンのトレーサビリティ向上とスマート化
- IoTデータのマネタイズ
- セカンダリーマーケットの創出
- コンテンツのn次流通のマネタイズ
といった変革をもたらそうとしています。
未来をイメージできるようなったでしょうか?
実現が待ち遠しいですね!
コメント
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